2020年2月3日
2020年2月3日 第3053号
PB黒字化は2年遅れ 経済財政諮問会議
GDP600兆円、不透明 デジタル人材育成など検討課題に
政府の経済財政諮問会議は1月17日に、今年最初の会合を首相官邸で開いた。議題は今年の検討課題と中長期の経済財政試算の2つ。安倍晋三首相は「成長と安心の未来には技術革新を大きなチャンスと捉え、5GやIoT、AIの恩恵を享受できる社会の実現が重要」と発言。5Gの全国整備や着実なセキュリティー対策を進めること、Beyond5G時代を見据えた新たな技術開発などに戦略的に取り組む。今後の財政については、高い経済成長が実現しても2025年度時点の基礎的財政収支(PB)は3兆6000億円の赤字で、政府の目指す黒字化は目標の2年遅れで27年度になるとの見通しを示した。
2面(総合)
「地域DX事業部」新設 三菱総合研究所
東京ユアコイン事業受託 働き方改革とも連動
三菱総合研究所(MRI)は「地域DX事業部」を新設し、先月から東京都が実施するキャッシュレス推進に関するモデル事業「オフィスエリア型」の実証実験を千代田区大手町・丸の内・有楽町地区いわゆる「大丸有地区」で実施している。三菱UFJ銀行や三菱地所といった地域の関係企業などの協力を得ながら推し進める。実証実験の実施後、参加者へのアンケートなどで事業実施前後の意識や行動の変化を分析し、検証していく。
3面(総合)
多様性からみた業界特性 中日信金■のと共栄信金
信金とSDGs「考え合う」 「粉雪のように積もる」利益重視
【名古屋】昨年、SDGs宣言を表明した中日信用金庫(名古屋市)とのと共栄信用金庫(石川県七尾市)。この2信金のトップが1月28日、名古屋市内で開かれたセミナー「地域金融機関と地域版SDGs」で、業界全体と自信金の立場から講演した。中日信金の山田功理事長は信金業界の特性を説明したうえで「信金とSDGsの考え方は合致する」と指摘。のと共栄信金の鈴木正俊理事長は「金融を核としたサービス(厚生)提供が大事だ」との考えを示した。
4面(大手行・証券・保険)
保険料を「割り勘」で ジャストインケース
国内で初めてのP2P保険 金融庁の新制度を活用
健康増進型保険や半日から入れる自動車保険など保険商品も多様化している。少額短期保険などを販売するインシュアテックの「justInCase」(ジャストインケース、東京・千代田)は1月28日から日本で初となる「P2P保険」販売を開始する。「わりかん保険」と名付けられた新商品は契約者同士がリスクを分け合うことで、もしもの際に助け合う形の保険だ。国内ではまだ馴染みの薄い商品だけに、経験豊富なパートナー企業とともに販売し、顧客を獲得していく。
5面(ノンバンク・ICT)
契約業務の負荷削減 Sansan 弁護士ドットコム
5月から提供 円滑な商談につなげる データ集約化
Sansan(東京・渋谷)と弁護士ドットコム(同・港)は5月から、双方の契約企業が利用できる新サービスを開始する。1月21日に発表した。Sansanのクラウド名刺管理サービスと弁護士ドットコムの電子契約サービスをつなげて、名刺をスキャンすれば相手企業との契約情報が確認できる。契約締結の周辺業務の負荷を減らし、データを集約化する。
6面(地域銀)
山口FG 農業へ、まずは「畑わさび」
産地復活目指し 広がる地銀のアグリ参入
【大阪】山口フィナンシャルグループ(FG)は1月24日、農業分野に参入すると発表した。3月中に農業法人を設立、農業に踏み出すことで地域農業が抱える課題の解決につなげ、農産品を復活させる。まずは山口県の特産品であるわさびの生産を始める。成長分野の農業に参入する地域金融機関が広がっている。
農業による収益確保を目指しながら地域農業の課題を探る。2015年時点の山口県の農家や就農者は5年で約2割減った。産地も縮小している。
「当事者にならなければ課題は見えてこない。産地復活や販路確保につなげたい」(地域振興部)という。
「当事者にならなければ課題は見えてこない。産地復活や販路確保につなげたい」(地域振興部)という。
7面(信金・信組)
3月 本店にスタバオープン 京都信金
地域金融機関の遊休不動産
「厳格運用」から「有効活用」へ舵切る?
【大阪】京都信用金庫(京都市)が本店内にスターバックスコーヒーを誘致する。待ち時間の利用だけでなく、住民の交流の場など、にぎわい作りにひと役買う。地域金融機関は一等地に店舗を持ち、これまでもカフェとコラボするケースはあった。ただ中心は保育園など公益性の高い施設に限定、それも自治体の要請を条件にしていた。金融庁は付随業務について、厳格運用から有効活用へと舵を切りつつあるようだ。
8面(文化)
【Runner】 三島信金
若手職員が製造業研修 オーダーメイドの独自プログラム
金融機関職員向けにアレンジ 実物みて知識・理解深める
三島信用金庫(静岡県三島市)は職員の製造業に関する基礎知識の向上を目的に、独自の研修を始めた。提携する沼津市にある県立の技術専門校の協力を得て実現した。取引先の事業内容の理解に基づいて行う事業性評価融資の推進にあたっては、相手先のビジネスを正当に評価するだけの知識や経験が求められる。研修での学びを生かし、製造業者との取引を深めていくのが最終的な狙いだ。