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2016年1月1日

2016年1月1日付 第2870号

〈1面〉
【特集 「対面」「非対面」】
    ビジネスモデル変貌 
      「じっくり」「手軽」視野に コストと見合いに判断 ネット銀、対面サービスも提供
 
 インターネット経由で非対面での取引をメーンとした「専業」金融機関が、リアルの世界に進出している。格安航空会社(LCC)の銀行版ではないが、一般の金融機関と比べ固定費が抑えられる分、情報技術(IT)を活用して利用者へのサービスを厚くするビジネスモデルが一つの売りだった。これに相反するような動きに、対面重視の地域金融機関の動向も含め、変貌する背景を探った。
〈2・3面〉
【特集 「対面」「非対面」】
 〈信金業界〉
   「対面の補完」 両輪で走る 若年層取り込みがヒートアップ
    ネット限定商品好調 地方から全国へ販路拡大
     各信金、戦略に温度差 都市部は組み合わせで ブティック型店舗も出現
 
 信用金庫業界も5〜10年後のビジネスモデルを検討するうえで、非対面チャネルの強化は避けて通りにくいテーマの一つになっている。特に業界として弱い若年層を取り込むうえで重要なチャネルだ。現在、信金の非対面チャネルはインターネットバンキング、インターネット支店、コールセンター、SNS(交流サイト)などがある。取引先の販路拡大や経営支援のため「24時間365日」ネットで商談の申し込みができる仕組みを構築し、成果を上げている信金もみられる。非対面が進んでも信金業界ではあくまで対面が重視されている。「非対面は対面の補完」と、両輪で走る構図になりそうだ。
 
 〈ネット生保業界〉
   低価格一巡 次の一手へ 
    窓販に安心感ニーズ チャネル拡大 地銀と模索 団塊ジュニアに照準
 
 インターネットを通じて生保商品を販売するネット生保が、ここにきて銀行や来店型保険ショップなど対面販売を強化している。顧客自らネット上で契約手続きができるネット生保は、多くの営業職員を抱える大手生保と比べ低価格の保険料を実現してシェアを一定程度伸ばした。だが、「自分で保険を選べる、つまり『難なく取り込める層』が一巡した」(大手保険関係者)と見られており、「次の一手」に踏み込んでいる格好だ。
 
ブティック型店舗を展開する西武信金(虎ノ門支店を紹介する落合寛司理事長)
東京都信用金庫協会は見守り連携事業で東京都と締結(右端は佐藤浩二会長)
資産形成層は大きなマーケットだが多くのリスクが重なる世代でもある
〈4・5面〉
【産学連携の成果物】
 目に見える成果へ 思惑と熱意が合致
 
 近年、全国各地で地元の金融機関と大学などとの提携が行われている。その提携内容には、金融機関の取引先のニーズと大学が研究対象とするシーズを結び付けることをはじめ、セミナーや相談会の開催、人員交流など、さまざまな項目が並んでいる。だが、提携は結んだものの、多くの場合、具体的な成果が発現していないのが実情のようだ。もちろん、一方で、目に見える成果を上げている産学連携もある。今回、取り上げる各金融機関のケースは、両者の思惑、熱意が合致して、産学連携がうまく機能した実例といえる。
 
 京葉銀    シックハウス症候群予防 店舗設計 千葉大と連携
 武蔵野銀   フリーペーパー発行を支援 ビジネスへの発展期待
 池田泉州銀  産学金連携プロジェクト 〝幻のだし〞でラーメン
 東京東信金  タイと国際版産学連携 「江戸っ子1号」事業化へ
 埼玉県信金  地元産ワインとレストラン 明大・秩父市と連携
 いちい信金  介護施設のおしり拭き メーカーと大学 橋渡し
 
〈7面〉
【東海地区特集】 
 自然災害対策急ぐ 南海トラフ巨大地震 発生不安に備え
 
 東日本大震災から今年3月で5年を迎える。復興はまだら模様で爪痕も残る。自然災害にどう備えるか、生活インフラとして生活に欠かせない金融サービス業には高い意識が求められる中、いま東海地区の金融機関が最も懸念しているのが南海トラフ巨大地震だ。政府の中央防災会議によると、地震発生確率は30年以内に70%程度といい、その被害想定は東海地方が大きく被災するケースで最大死者32万人を超える。代表的な4金融機関に対策の現状を聞いた。
 
 蒲郡信金  BCP訓練で課題洗い出し 役職員約800人が参加 本店自家発は最大20日間
 静岡銀   非常事態対策室を設置 操作性、トレーニング重視
 名古屋銀  新たに津波マニュアル
 桑名信金  蟹江支店をモデルに
 
滋賀県主催の「食と観光のプロモーション」
〈9面〉
【近畿地区特集】
  輸出促進と金融機関 ブランド名産品を海外へ
 
 【大阪】2015年11月、環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意を迎えた。品目および各国に対する戦略も固まり、現在も継続中の審議を含め今後の輸出に注目が集まっている。滋賀の近江牛、兵庫県の神戸牛、京都のお茶、兵庫県淡路島のタマネギ、和歌山の梅など近畿地区でも自治体を中心に農産物の海外輸出促進に積極的になってきた。競争力のある商品を軸に自治体プロモーションにいかにして金融機関が絡んでいくか。今後の政府のTPP対策を踏まえながら近畿地区の現状をまとめてみた。
 
 日本公庫  トライアル輸出支援 農林漁業など後押し
 滋賀銀行  食と観光のプロモーション タイとマレーシアで
 紀陽銀行  ジャパニーズ・ブリ 6次産業化ファンドで支援
 
〈10面〉
 景況感指数に人工知能 野村証券 政府文書を「見える化」
 
 野村証券はディープラーニングと呼ばれる手法で学習した人工知能(AI)を活用し、任意の文章が意図する景況感を客観的に数値化する技術を完成させた。これを受け、同社は内閣府や日銀が発表する景況に関する公式文書をAIで数値化する応用技術の研究を進め、このほど「野村AI景況感指数」の開発に結び付けた。従来の手法では弱点だった、景況の「良い」と「悪い」が混在する文章でもディープラーニングでは文脈から読み解くため、テストデータで推定精度を検証した結果、95%に近い高い精度で人間の回答と景気判断が一致することに成功した。
 
〈11面〉
 横浜西口支店4月開設 八千代銀 法人向け貸出シェア拡大へ
 
 八千代銀行は2016年4月に横浜西口支店を開設する。同行は現在、横浜市に5支店を有するが、横浜駅至近という市の中心地に店舗を構えるのは初めてとなる。同行と東京都民銀行から成る東京TYフィナンシャルグループ(FG)では、店舗の空白地域に法人融資特化拠点を新設する戦略を推進しているが、横浜西口支店開設もその一環で、八千代銀および同グループは拠点展開における「攻め」の姿勢を強めている。
 
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