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10月

【440】 2023年10月2日付 フィンテック最新事情(298)

Too Big to Jail ウエルズ・ファーゴの結末


 本稿152号(2016年10月3日)“過重ノルマの大失態”と153号(2016年10月10日)“上院委員会は袋だたき”の2回にわたり採り上げたウエルズ・ファーゴ銀行の不正事件。リテール部門で顧客サービス戦略として推進されていたクロスセリングにセールス目標を設定し、インセンティブプログラムを付けたために、発覚した時には顧客の承認もなくバンクカード・クレジットカード口座が200万口座も不正に開設された事件だ。この時、上院銀行委員会で問題視されたのが、長い間リテール部門のトップとしてこの事件の主犯格のキャリー・トルステッド女史の扱い、つまり、なぜ解雇しなかったのか。
 既に退職していた彼女は2015年の報酬として15億円に加えて退職時に125億円を受け取っていた。報酬に関して役員と行員では大きな格差がある。低報酬の行員にとって、悪事を働けば罰せられ職を失うリスクがある。しかし高額役員たちは罰せられない。このウエルズ・ファーゴ銀行の実態にウォーレン上院議員は改めて「Too Big To Jail」と表現。つまり大組織の役員たちが罪を追われない不合理について、「担当役員が刑務所に入る制度を取らない限り、何も変わらない」と主張した。このToo Big To Jailはウォールストリート全体に言える事だけに、筆者も今後の展開が見ものであると7年前の153号で書いたことが忘れられない。……続きは本紙で。

【441】 2023年10月16日付 フィンテック最新事情(299)

バーチャル・アシスタントのブランディング
 
 
 昨年11月にOpenAI社から市場に投入された生成AIのChatGPT。誕生以降ファイナンシャルサービス市場のテクノロジーに関するニュースはAIに塗りつぶされた感のある中で、筆者の注目点は“会話能力”にある。金融サービスの顧客とのコンタクト・ポイントで何の目的で来店したのか、オンラインであればなぜアクセスしたのかをどれだけ正確に理解できているかによって提供すべきサービスの内容と質が決まる、つまり顧客との会話理解力で顧客サービスの内容が違ってくる。
 サービス提供の出発点である顧客との会話から目的・希望・期待をいかに汲み取る事が出来るかの能力は生成AIをツールとしたバーチャル・アシスタントの能力に負うことが大きくなってきた。このような観点から、今後複数回に亘りバーチャル・アシスタントとAIに関するニュースに注目しようと思っている。……続きは本紙で。

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