2019年7月15日
2019年7月15日付 第3030号
1面
地域銀の運用難続く 地銀の決算分析
19行が100億上回る含み損 外債、投信 役務取引に活路
地域銀行105行の決算分析が判明、別表の通りとなった。それによると①株価の年間下落幅▲248円(日経平均2018年3月末の2万1454円→19年3月末の2万1205円)②10年もの日本国債利回り▲0.13%③米国債利回り▲0.48%。この3項目の要因が、減益に直接影響した。
2面(総合)
認知症の早期発見にAI 順天堂大
金融機関との連携 強み生かす
順天堂大学は10日、本郷・お茶の水キャンパスでパーキンソン病や認知症の予防・早期発見に向けた産学連携の共同研究をスタートさせると発表した。AIなどの最新技術を駆使しながら、研究に取り組んでいく。目指すのは実用的な診断システムの構築や予防につながるような発見で、実現すれば社会的意義は大きく、注目が集まっている。
3面(総合)
千葉銀 横浜銀 業務提携
千葉銀の巧みな連携戦略 相手に合わせ、懐深く
千葉銀行と横浜銀行は10日、業務提携で基本合意し、「千葉・横浜パートナーシップ」を立ち上げると発表した。単独の資産規模で業界最大手と3位が手を組む衝撃は大きい。長引くマイナス金利政策やフィンテック企業の台頭などの影響を受けた格好だが、横浜銀を自陣営に呼び込むことに成功した千葉銀の巧みな提携戦略が見過ごせない。
4面(大手行・証券・保険)
初のATM相互開放、9月から 三菱UFJ銀 × 三井住友銀
「預け入れ」も可能に 今後、廃止の拠点も
三菱UFJ銀行と三井住友銀行はメガバンクで初めてATMの相互開放に乗り出す。5日に9月22日の開始を正式に公表したもの。インターネットバンキングをはじめ、買い物でのキャッシュレス化が進む中でATMの利用は減少傾向だが、顧客利便性の確保とコスト削減を目指す考えだ。金融業界内ではみずほ銀行の今後の出方も注目されている。
5面(ノンバンク・ICT)
中堅が全国に拠点網 山陰信販
札幌、名古屋に支店開設 独自のビジネスモデル強み
中堅クレジット会社の山陰信販(鳥取県米子市)は全国に営業網を広げる。今月中旬に北海道、名古屋地区
の営業推進を目的に支店を新設する。中小事業者の高額商品の販売現場に根強い分割払いニーズに幅広く対応
する。拠点網を主要都市に配置し、地域密着型の営業体制で取引先との関係を強化。加盟店管理体制も充実さ
せる。
6面(地域銀)
事業構想を後押し 名古屋銀
専門大学院のセミナーに初協力 MBAの前段階
【名古屋】名古屋銀行は取引先企業の新規事業の立ち上げを支援する新たな枠組みを整備する意向にある。社会人を対象に修了者には「事業構想修士」の学位を授与する事業構想大学院大学(東京・港)は今月、名古屋校開校を記念したセミナーを名古屋銀が協力して開催する。同行はこの取り組みを入り口として、実現可能な事業構想計画の構築を専門とする同大との連携策を探っていく考え。取引先の持続可能な開発目標(SDGs)達成の一助になると判断しているようだ。
7面(信金・信組)
「売り上げ増」に相談特化 大垣西濃信金
財務中心から転換 コンサル3拠点を新設
【名古屋】大垣西濃信用金庫(岐阜県大垣市)が取引先企業の本業を伸ばす支援態勢を強化する。新設した「ビジネスサポート部」に所属する専門部隊が中軸となって取り組む。従来の財務面の改善が中心だったアドバイス業務から転換を図り、売り上げアップにつながる無料の助言活動に専念する。取引先から相談に乗る拠点も整備した。同部は「月間50件の相談に対応したい」と意気込む。
8面(文化)
【Runner】 東京スター銀 法人金融部門
異色の存在、地域銀アドバイザリーに
「機能」ノウハウ提供、「聞けば何かを得られる」
その先の取引先を支援
東京スター銀行の法人金融部門は、同業者の地域銀行に「機能」を提供して、その先の法人取引先を支援する役割も担う。昨年7月に始動した「金融カバレッジチーム」が前さばきの役だ。次長の北井賢一氏は「われわれが持つ機能を他の金融機関に提供します」と断言する。つまり他地域銀へのアドバイザリーとしてビジネスを展開するということ。「顧客を取られてしまうのでは」という懸念を持たれることも多いというが、「信頼の上に成り立つビジネス『決めた機能の提供』以外の事はやらない」ということも明文化して安心感を与えている。