2019年2月25日
2019年2月25日付 第3012号
1面
有価証券運用は本業 自民■金融調査会
まず態勢の整備から 地域金融PT始まる
自民党金融調査会は「地域金融経営力強化プロジェクトチーム(PT)」の第1回会合を開き、地域銀行の有価証券運用の実態を神田一成・山口銀行頭取、小栗直登・和キャピタル代表、金融庁から聴取した。小栗氏は地銀の経常利益の3分解(①経常利益②営業店ビジネス利益③市場運用ビジネス利益)を元に「営業店ビジネス利益の減少が経常利益の減少につながっている」一方で「市場運用ビジネスによる収益の積み上げが、経常利益の増加にも大きく寄与している」と、地域金融機関の収益基盤は、構造変化のさなかにあると説明した。これに関連して預貸率が高く本業の企業融資で利益を上げている米銀と、預貸率が低く期間利益を市場運用益に頼ってきている邦銀との違いにも言及している。
2面(総合)
【KEYパーソンに聞く】 セブン銀
7BK-CSIRT 安田 貴紀 エグゼクティブアドバイザー
ATMソリューション部 柏熊 俊克 氏
情報共有し、横断的な対処に 本人確認機能備えたATM展開
セブン銀行は1月29日、培ってきた技術を生かし、電通国際情報サービス(ISID)と「オンライン本人確認」(KYC)の合同会社の設立を目指すと発表した。KYCを活用したプラットホーム事業には、業界内外から熱い視線が注がれている。7BK―CSIRTの安田貴紀エグゼクティブアドバイザーとATMソリューション部の柏熊俊克氏に話を聞いた。
3面(総合)
人材不足解消に外部の知見 愛知銀
複数の紹介業者 地元につなぐ 専門職から現場員まで
【名古屋】愛知県の2018年各月の有効求人倍率(季節調整値)は、2月の1.89倍をボトムに6月には最大で2倍を付けた。この高止まりが特に県内中小企業の人材確保をより難しくしている。深刻化する企業の人材不足に地元行として対応するため、愛知銀行は相次いで大手人材紹介会社と手を結んだ。人材紹介業に参入あるいはその意向を示す地域銀行が徐々に増えてきたが、愛知銀は経営資源を適正に活用する観点から、企業の求めに合う複数の人材紹介会社との提携で応えようとしている。
4面(大手行・証券・保険・ノンバンク)
総力で「キャッシュレス」へ SMBCグループ
デジタル財布、デビットも即時に
三井住友ファイナンシャルグループ(SMBCグループ)が総力をあげてキャッシュレス時代への対応を加速する。3月1日には三井住友銀行の公式アプリをリニューアルして「デジタル財布」を推進。決済の中核を担う三井住友カードは事業者側のキャッシュレス環境整備に本腰を入れる。
5面(地域銀)
現地通貨建て融資 円滑に 山口FG・名古屋銀
海外支店に信用状 商工中金と連携
【大阪・名古屋】山口フィナンシャルグループ(FG)の傘下3行と名古屋銀行は、海外に進出する取引先(現地法人)が現地で資金を円滑に調達できる支援体制を整備した。15日付でそれぞれ商工組合中央金庫と「国際業務における連携・協力に関する覚書」を締結。取引先の資金調達ニーズに対し、債務を保証する信用状の発行を受け融資を実行するスタンドバイ・クレジットで相互補完する。各行と商工中金は今後、セミナー共催やビジネスマッチング支援なども計画する。
6面(信金・信組)
初のデジタル通帳開始 京都信金
スマホで資産管理 マネーフォワードと組み
【大阪】京都信用金庫(京都市)は20日から、家計簿アプリのマネーフォワード(東京・港)と組んでスマートフォンが通帳代わりになるサービスを始めた。このデジタル通帳は信金業界で初めて。店に出向く必要がなくなり、インターネットバンキング(IB)のような手間がかからない。
7面(特集)
【中国・四国・近畿地区信金】
産学連携 地方創生で高まる貢献
地域金融機関と大学など教育機関との連携が増えている。中小企業のニーズと大学のシーズをマッチングするための接着剤の役割が求められている。新たな製品を生み出すことになれば企業の体力が増し、地域の雇用につながる。大学にとっても格好の研究の場になり、アピールポイントになる。最近では技術系以外の大学や高専な
どにも間口が広がっている。人材確保など課題解決の目的にも変化がみられる。中国・四国、近畿地区信用金庫の先進的な産学連携事例を追った。
どにも間口が広がっている。人材確保など課題解決の目的にも変化がみられる。中国・四国、近畿地区信用金庫の先進的な産学連携事例を追った。
滋賀中央信金 大学生アイデア競い、事業化支援
来年は参加倍増
大阪信金 ヒット商品「舞昆」生む
常駐コーディネーターが仲介役
淡路信金 ため池の水面活用し、メガソーラー
売電で課題解決と活性化の一石二鳥
広島信金 料理学校のアイデア生かす
広島駅で「きら星弁当」
8面(文化)
【Runner】 京葉銀行
リテールの事務作業に効果 RPA 使って便利さ実感
営業店への展開視野に
銀行業務は古い事業だけに、システムは重厚かつ重い。日々の本部やセンターの事務セクションには、計数管理をはじめ手作業に頼る古くからの業務が多く残されている。近年、あらゆる産業で導入が広がっているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、銀行界でも銀行実務のレガシー部分の改善に向けた切り札として注目を集めている。金融界では生損保を皮切りに、メガバンクなどでも導入が加速するRPA。実際の効果はどうか。京葉銀行に足を運んだ。