2019年1月1日
2019年1月1日付 第3005号
1面
『新次元金融』
求められる非伝統的機能 情報は「21世紀の石油」
平成時代が幕を閉じる。30年間で金融機関を取り巻く経営環境は劇的に変化した。金融庁は「変化に耐え得る事業モデルを早急に確立し、具体的行動を」と金融機関に促し、自らも検査・監督の進め方の抜本的見直しを表明した。顧客との取引関係の維持、拡大への独自のビジネスモデル構築の模索が続く。
情報銀行って何!?
全国銀行協会の藤原弘治会長は今年の銀行界を「デジタルイノベーションを本格化する1年」と見立て、未来の金融はこれまでの延長戦上にはないと断言する。伝統的な金融仲介機能だけでなく非伝統機能が求められる、として真っ先に挙げるのが「情報仲介機能」だ。データの利活用で顧客や社会の課題をいかに解決できるかが問われているという。この情報仲介機能を生かしたひとつのサービスとして「情報銀行」の検討も進む。
2・3面(特集) 新次元金融
【移りゆく顧客接点】
東京2020まで1年半を切り、25年には大阪万博も決まった。今年日本で開かれるラグビーワールドカップはサッカーW杯、五輪に次ぐ経済規模ともいう。ひしめく祭典に空の玄関口でも整備が進む。昨年3000万人を超えた訪日外国人が落とす金額も、4兆5000億円に届く勢い。「自国と同じ感覚でスマートフォンひとつで支払える」ことは金銭支払いの感覚が希薄になり、購買意欲を必要以上にそそる。国の旗振りもあり、現金主義の殻が打ち破られる時のようだ。
現金主義の殻 打ち破る 盛り上がり見せるQR決済
商店街で実証実験、地域コインも
「ライバルは現金」 潮目は変わりつつある 地元専用のQR決済
インバウンドを取り込め 世界と地域をつなくゲートウェイ
官民連携で新たな価値創出
〝街ぐるみ〟でも
東京・大田区は東京2020に向けて、羽田空港を世界と地域をつなぐゲートウエイとして国内外のヒト・モノ・情報を呼び込み、大田区のモノづくり技術や優れた日本文化などの魅力を発信する新産業創造・クールジャパン発信拠点の形成を目指す。その実現のため、「羽田空港跡地における成長戦略拠点の形成」に約4億313万円の予算を昨年計上した。「新空港線の整備促進事業」としておよそ11億9608万円も確保している。
日本の玄関口「羽田」 大きく変貌
信金初の「毎日が商談会」
「よい仕事おこしネットワーク」の拠点も
東京の果実、地方に届ける
インバウンド✖キャッシュレス 地域経済活性化最先端モデル事業
インバウンド旅行者の総合ソリューションに
4・5・6面(特集) 新次元金融
店舗戦略統廃合から機能強化へ
本格化への環境整う
地域銀 2019年事業性評価「元年」へ
機能別にバリュエーション 本業支援 収益かにめど
地域銀行にとって、2018年は長いトンネルから出口が見え始めた1年、と総括できそうだ。低金利に伴う業績面でのマイナスインパクトがほぼ一巡し、上位行をはじめ一部では資金利益の減少が反転に転じるところが出現している。有価証券運用の面でいぜん火種はくすぶるものの、この流れを着実に軌道に乗せられるか、地域銀
にとって、課題となる経営の持続性を占ううえで最大の焦点となる。そうした中、今後は顧客本位と事業性評価という言葉がキーワードとして改めて浮上しそうだ。法人・個人を問わず、地域に新たな資金ニーズを発掘・創り出し、いかに停滞感を払拭できるか、地域銀行で知恵が問われている。
にとって、課題となる経営の持続性を占ううえで最大の焦点となる。そうした中、今後は顧客本位と事業性評価という言葉がキーワードとして改めて浮上しそうだ。法人・個人を問わず、地域に新たな資金ニーズを発掘・創り出し、いかに停滞感を払拭できるか、地域銀行で知恵が問われている。
10面(総合)
待ったなしの障害者雇用
姿勢転換、まず非常勤10人から 金融庁
自民党は2018年12月11日、障害児童問題調査会・厚生労働部会合同会議を開き、「中央省庁における障害者雇用問題への対応」を検討した。中央省庁への障害者雇用は、障害者の雇用数を巡り虚偽報告が横行、終盤国会で野党からの追及の的となったいわくつきの案件。厚生労働省は同17日に非公式の会合を開き、資料を公表している。