2018年11月19日
2018年11月19日付 第3001号
1面
「地方の信金に広がり」評価 自民の成長戦略で
消費税の反動対策にオリガミ
自民党経済成長戦略本部(岸田文雄本部長)は12日に開いた2回目の会で、Origami(オリガミ)の康井義貴社長から「消費税率引き上げに伴う駆け込み・反動減対策」を聴取した。それによると「安い手数料を武器に地方の信用金庫と契約を進めている(同社の)展開は、地方活性化になる」。「アリペイやウィーチャットペイのように個人データの海外流出に心配のないナショナルフラッグとしての安心感がある」と評価する声が相次いだ。一方「ポイント還元が実現すれば加盟店の売り上げがマイナスになる」との危惧する声もでている。
2面(総合)
公庫統合10周年で記念セミナー 日本公庫 さいたま支店
「女性活躍推進」テーマに
日本政策金融公庫さいたま支店が日本公庫10周年を記念したセミナーを5日に開催した。女性活躍推進をテーマに据えたもので、公庫取引先をはじめ関東財務局や埼玉県内にある地域金融機関など多岐に渡る関係者51人が参加。交流会では各組織の人事担当者同士のパイプもつながったようだ。
3面(総合)
985億円の巨額赤字 シェアハウス向け融資 スルガ銀
「極めて保守的に」不良債権処理
全件調査は年内終了 業績への影響、再燃の可能性も
スルガ銀行は14日、2018年4~9月期の連結決算を発表し、審査書類の改ざんなどの不正行為が原因で社会問題化したシェアハウス向け融資で貸し倒れ引当金を大幅に積み増し、最終損益が985億円の赤字に転落した。巨額の不良債権処理に踏み切ることで、当面の損失拡大懸念の広がりを避ける狙いがあるとみられるが、不正行為は一棟マンションなどでも行われている。シェアハウス融資業績への影響はこれでいったん幕引きした格好だが、年内の終了を見込む融資案件の全件調査の結果次第では、経営問題が再燃する可能性もある。
4面(大手行・証券・保険)
外航貨物海上保険、支払い1週間で
ブロックチェーン技術適用 東京海上日動■NTTデータ
実証実験完了 19年度中に一部地域で実用へ
東京海上日動とNTTデータは1日、外航貨物海上保険の保険金請求へのブロックチェーン技術適用に向けた実験の完了を明らかにした。欧米やアジアの海外拠点で検証を継続。これまで1カ月以上かかっていた保険金支払いまでの期間を1週間程度にまで短縮できたという。2019年度中には一部、実用化する方向だ。
5面(ノンバンク・ICT)
住関連融資を拡充 ノンバンク
アプラスはリバースモーゲージ参入
住関連の直接融資を強化するノンバンクが出ている。アプラスフィナンシャル傘下の信販大手アプラスはリバースモーゲージに乗り出す。住宅ローン専業のアルヒ(東京・港)は顧客獲得チャネルやサービスを拡充し、超短期の審査期間や物件探しや住環境の提案ツールなどサービスを充実。銀行が優位にある優良顧客層の取り込みを進めている。投資用不動産の取り扱いを積極化するノンバンクも増えている。
6面(地域銀)
来年「銀信証」構築へ 大垣共立銀
証券・子会社、信託・本体参入 非金利収入ねらう
【名古屋】メガバンクが先行して枠組みを確立した「銀信証」あるいは「銀証」連携。これを地域銀行で導入する動きが活発化してきた。中部圏では岐阜県が本拠の大垣共立銀行が12日、証券子会社の設立と本体で信託業務への参入を表明。同県が地盤の十六銀行は今年3月、共同出資で証券子会社を設立すると発表している。地域顧客の資産の形成・運用・移転ニーズに幅広く応えるには、グループ内で提供する金融サービスの高度化を磨く必要があると判断した。非金利収入の増加につなげる戦略を描く。
7面(信金・信組)
「目利きマイスター制度」 京都中央信金
専門知識 身につけた若手育成 企業ニーズ吸い上げ
【大阪】京都中央信用金庫(京都市)が事業性評価を高めるため人材育成の新制度を導入した。講義でものづくりの能力を身につけた上で実際に取引先企業に出向し、現場で働き理解を深める。若手職員を中心に企業を見る目を養い、課題解決と融資増強につなげる。
8面(文化)
【Runner】 アストライ債権回収
長野県・湯田中温泉で第1号 「伝統宿再生プロジェクト」
パートナー企業に厚み、全国で進行
消費者金融大手アイフルグループのアストライ債権回収(東京・港)が、兄弟会社の再生コンサルティングを手がけるアストライ・パートナーズ(同)と「日本の伝統宿再生プロジェクト」を共同で始めた。今年10月には再生プリジェクトの第1号案件である長野県・湯田中温泉の旅館が「出口」を迎えた。これまでに積み上げた事業再生ノウハウを、窮境に立つ日本全国の旅館・ホテルの再生作業に投入していく。パートナー企業との連携にも広がりをみせており、すでに複数の案件が並行して走っている模様だ。