2018年11月5日
2018年11月5日付 第2999号
1面
■通常予算に影響か■
「電力喪失」緊急対策 自民に点検リスト示す
自民党は10月24日に国土強靱化本部会合を開き「重要インフラの緊急点検」の実施方針を決めた。19年度予算に大きな影響を与えるとみられ、その取り扱いが注目される。当面は「7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震の被害に関連して、インフラの機能確保に問題点が明らかとなった事象に対して、電力や空港など国民経済・生活を支え、あらゆる災害時に機能発揮できるように全国で緊急点検を実施」する。
2・3面(総合)
【創業100周年記念インタビュー】
今月11日に小松川信用金庫(東京・江戸川)、16日に西京信用金庫(同・新宿)が創立から100周年を迎える。1900年(明治33年)の産業組合法の制定に始まり、1951年の信用金庫法施行を経て、現在の信用金庫の形がはぐくまれてきた。高度成長期やオイルショック、バブル崩壊—。信用金庫は激動の日本経済を地域に根差した金融機関として支えてきた。
低金利政策で、これまでのビジネスモデルだけで生き抜いていくのは難しい状況だ。次の100年を生き抜くためにどうすればいいのか。小松川信金の髙橋桂治理事長と西京信金の北村啓介理事長に話を聞いた。
〈小松川信金 髙橋 桂治 理事長〉
心と心が通うお付き合いを 「先義後利」徹底促す
ー地域に愛されて100周年を迎えた。
もともと水害に困る地域のために作られたのが当金庫の始まり。それ以来地域のために変わらず取り組んできた。創立以来一度の合併もせずにここまでこれた。お客さまから信頼していただいているからこそ、これまで続けることができたと思っている。
・・・続きは紙面に掲載
〈西京信金 北村 啓介 理事長〉
地域に根差した防災活動 「お金を守る」に全力注ぐ
ー100周年を迎えた。
ビットコインなど新しいものが誕生し、これからもっと難しい時代が訪れる。記念だからといって華々しいことをやりたいとは思わない。次の100年とまではいかないが、自分が採用した人やお客様が困らないように全力を注いでいく。
・・・続きは紙面に掲載
4面(大手行・証券・保険)
インドネシアの連結子会社に 横浜銀、大同生命が出資
国際業務で相互連携も りそなHD
りそなホールディングス(HD)は10月29日、傘下のりそな銀行が出資するインドネシアの連結子会社りそなプルダニア銀行にコンコルディアグループの横浜銀行とT&D保険グループの大同生命が出資することを公表した。りそな銀と2社はそれぞれ国際業務の相互連携でも合意。取引先企業の海外進出支援などで協力する。今年度中の手続き完了を見込む。
5面(ノンバンク・ICT)
事業承継ファンド設立へ SBIHD
地域金融向けビジネス加速 「他社にないモデルで」
SBIホールディングス(HD)の地域金融機関向けビジネスが加速している。地域銀単独では困難なフィンテック対応支援を余資運用を入り口に、今では証券、生損保へと連携の間口を広げている。視線は地域金融そのものから、取引先へとすそ野を広げている。今後は事業承継ファンドの立ち上げへと向かう方向だ。
6面(地域銀)
実質業純 計画上回り着地 八十二銀
地域銀18年4月~9月期
八十二銀行を皮切りに地域銀行の2018年4~9月期の決算発表が始まった。来週にかけての本格開示を前に、ここに来て投資有価証券の売却益や貸割引当金の戻り入れなどを理由に業績の上方修正が相次いでいる。中小企業向け融資の強化によりボリュームを伸ばすなか、利回り低下も底が見えており、生き残りに向けた環境は整いつつある。
7面(信金・信組)
「創業支援スクール」特別講演 城南信用
ネットで参加者募集 オープンイノベーションを体現
城南信用金庫(東京・品川)と日本政策金融公庫が共催する創業支援スクールが10月27日に特別講演を実施。スクール生だけでなくインターネットで参加申込者を募った。スタートアップ企業の誘致で活気づく城南信金本拠地の五反田では交流団体が発足、品川区と協定を結ぶなど「起業家支援」の機運が高まってる。組織の枠組みを越え、知識や技術を結集するオープンイノベーション精神を体現した格好だ。
8面(文化)
【Runner】 瀬戸信金
若手陶芸作家の仕事づくり支援 市街地活性化につなぐ
「陶都」技術、承継へ
【名古屋】陶磁器の総称「せともの」は全国にその名が知られる。産地として1000年超の歴史を有する愛知県瀬戸市には、全国各地から陶芸やガラス工芸を学びに将来のものづくり作家が多く訪れる。ただ、学んだ後の受け皿が乏しいなど課題を抱えていた。そこで、おひざ元の瀬戸信用金庫は若手作家への支援と中心市街地の活性化に向けて動き出す。若手作家が活動できる場の創出と伝統技術の承継の実現によって、地域全体の活力を取り戻そうと考えている。