2018年8月20日
2018年8月20日付 第2989号
1面
◆実現するか◆ 「川下」共通会社 信金業界
「名を残したい」根強いニーズ
信用金庫や信用組合の業界で、政府の規制緩和に対応し、業界レベルで共通子会社の設立を検討する動きが進められている。経営効率化から拡散してきている店舗機能の再配置や営業時間の多様化に対応した店舗人員の配置など営業店網の見直しが喫緊の課題に浮上しており業界ではこれは避けて通れない課題と認識しているまた協同組織金融機関は地域密着型経営のために規模格差が大きくなるのは避けられない。しかし小規模であっても地域で名前を残したいとのニーズに応えるには、川下共通会社として残すことでこの存続を、地域や職域に期待するとの見方もあるとされる。
2面(総合)
マネロン対策など「高度化研」 全銀協
本人確認の一部共有化へ 多重の〝手間〟除けるか
全国銀行協会は「AML/CFT態勢高度化研究会」を設置銀行間の事務共有化やコンプライアンス部門(AML)・事務部門をまたがる検討課題の共同研究を始めた。2019年には各国政府間の金融活動作業部会(FATF)の対日審査が控える中で視界にマネーロンダリング対策の強化もある。
3面(地域総合)
〈信金 夏の風景〉
神奈川東京三重…各地に子どもの笑顔
休止の昆虫展惜しむ声も
全国の信用金庫で子どもたちを対象にした夏休み企画が相次いでいる。子どもたちに事業を紹介し、親しみを持ってもらおうと心をくだいている。長年、変わらずに支持されている取り組みがある一方、惜しまれながらも休止するイベントも。各地で夏休みならではの光景が見られた。
4面(大手行・証券・保険)
汐留に戦略的店舗 三井住友銀
オフィス街でビジネスパーソン狙う 現役世代の接点に
三井住友銀行が東京・汐留のオフィス街に次世代型の戦略的店舗を開設した。「銀行に行く」という機会が減少する中、とりわけ資産形成層にあたるビジネスパーソンとの接点が課題となっている。現金を扱う窓口の代わりに無料Wi―Fiが使えるフリースペースを設けるなど「現役世代」の来訪を促す。
5面(ノンバンク・ICT)
マネーフォワード 法人カード利用明細を自動取得
カード4社と連携 第1弾
マネーフォワード(東京・港)がクレジットカード4社と連携した。クラウド型経費精算システムで法人カードの利用明細を自動で取得する機能を提供、急務の企業生産性向上に貢献する。
6面(地域銀)
「1000人体制」で攻めの営業 中京銀行
14地域に店舗配分 「エリア制」導入分類は3形態
【名古屋】中京銀行は営業力の強化を狙い、全営業店の運営のあり方などを明確にした「エリア制」を導入した。2020年度まで展開する3カ年の中期経営計画の中核施策に盛り込んだ。同行は5年後に行員1000人体制を想定している。永井涼頭取は「エリア制は1000人体制になっても攻めの営業ができることを目指すものだ」と説明しており、生産性向上との相乗で早期定着を図る。
7面(信金・信組)
取引先の新商品作り後押し 埼玉県信金
開放特許と学生のアイデア生かす
埼玉県信用金庫(埼玉県熊谷市)が立ち上げた一般社団法人さいしんコラボ産学官は、知財活用支援や産学連携などに取り組んでいる。主催したコンクールで学生のアイデアを募り、今回商品化が決まった。商品を製作したのも埼玉県信金の取引先企業だ。多くの人が関係し作られた商品は、地域を盛り上げる一助になりそうだ。
8面(文化)
【Runner】 日本公庫さいたま支店
「働き方多様化」加速 きちんと使える土壌で
周囲の協力・本人の努力で効果
日本公庫さいたま支店は公庫の中でも大規模店だが、「働き方の多様化」が特に進んでいる支店のひとつである。職員133人を束ねる石井敏雄支店長は「各職員がいろいろな事情を背負いながらうまく制度を利用してやり繰りしているというのが現状です」と話す。公庫がワークライフ・マネジメントを支援するために設けた制度は、育児休業、フレックスタイム制、配偶者転勤同行制度など数十種類あるが、さいたま支店はほとんどの制度を利用している。多岐に渡る働き方の「サンプル」が揃っているということ。「いくら制度が整っていても周囲の協力や本人の努力がなければ効果がありません。きちんと使える土壌があるのだと思います」(石井氏)という。