6月
【226】 2018年6月25日付 フィンテック最新事情(85)
デジタルバンカー賞にフィフス・サード銀 エリカ嬢の就業
昨年はバンカメのバーチャル・アシスタント“エリカ嬢”の生みの親であるミシェル・ムーア女史が受賞(183号17年6月19日参照)。受賞後、エリカ嬢の仕事始めはいつかいつかと気を揉んで待っていたが、ついに6月8日付けで全国展開の辞令が出て職場にデビュー、好評であると報道されている。バンカメの2,500万モバイルバンキング・ユーザを相手にするための教育の時間が掛かっていたことが推察される。
エリカ嬢の朗報の2日前に、アメリカンバンカー紙から今年の受賞者に、フィフス・サード銀行のペイメント、ストラテジー、デジタル・ソリューションの責任者であるティム・スペンス氏が選ばれたと発表された(6月6日付)。
この銀行のルーツは1858年にオハイオ州シンシナティに設立されたバンク・オブ・オハイオ・バレー。その後1863年にサード・ナショナルバンクがシンシナティ市内のサードストリートに設立され、1908年にフィフス・ナショナルバンクと合併してフィフス・サード・ナショナルバンク・シンシナティになり、1969年にフィフス・サード・バンクに名称を変更した。今では、オハイオ、ケンタッキー、インディアナ、イリノイ、ミシガン、テネシー、ウエスト・バージニア、フロリダ、ジョージア、ノース・カロライナの10州をカバーして、1,154営業拠点、行員18,840人を抱え資産1,400億ドルの全米15位のリージョナルバンク。
エリカ嬢の朗報の2日前に、アメリカンバンカー紙から今年の受賞者に、フィフス・サード銀行のペイメント、ストラテジー、デジタル・ソリューションの責任者であるティム・スペンス氏が選ばれたと発表された(6月6日付)。
この銀行のルーツは1858年にオハイオ州シンシナティに設立されたバンク・オブ・オハイオ・バレー。その後1863年にサード・ナショナルバンクがシンシナティ市内のサードストリートに設立され、1908年にフィフス・ナショナルバンクと合併してフィフス・サード・ナショナルバンク・シンシナティになり、1969年にフィフス・サード・バンクに名称を変更した。今では、オハイオ、ケンタッキー、インディアナ、イリノイ、ミシガン、テネシー、ウエスト・バージニア、フロリダ、ジョージア、ノース・カロライナの10州をカバーして、1,154営業拠点、行員18,840人を抱え資産1,400億ドルの全米15位のリージョナルバンク。
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【225】 2018年6月18日付 フィンテック最新事情(84)
米大手行は、デジタルにもっとお金を使う
当コラムでは四半期に発表されるフィンテック投資動向分析を出来るだけ採り上げてきた。前々号の223号(6月4日付)で昨年と今年の第一四半期実績を「過去最高の投資額、今年は上回る」と紹介した。毎回驚かされるのは、継続的に流れ込む巨額の投資に支えられているフィンテック「ディスラプター(破壊者)」であり「パートナー」でもある存在が、徐々に変容してきた実態を見てきた。
迎え撃つ側の銀行については、今まで主に投資額よりはデジタルトランスフォーメーションの流れを紹介してきた。今回採りあげた2つのニュースは銀行側のデジタル化投資の実態である。大手行としての投資「シティバンクでは、米国のフィンテック投資総額よりも多くの金額を自行のテクノロジー投資にかけている」(6月1日付、Finextra)とコミュニティバンクの課題「規制緩和のボーナス:多くの予算を、テクノロジーに注ぎ込めるようになった」(同日付、アメリカンバンカー紙)を紹介する。
迎え撃つ側の銀行については、今まで主に投資額よりはデジタルトランスフォーメーションの流れを紹介してきた。今回採りあげた2つのニュースは銀行側のデジタル化投資の実態である。大手行としての投資「シティバンクでは、米国のフィンテック投資総額よりも多くの金額を自行のテクノロジー投資にかけている」(6月1日付、Finextra)とコミュニティバンクの課題「規制緩和のボーナス:多くの予算を、テクノロジーに注ぎ込めるようになった」(同日付、アメリカンバンカー紙)を紹介する。
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【224】 2018年6月11日付 フィンテック最新事情(83)
もう「スケールアップ」の時期
前号では「2017年のフィンテック投資は過去最高を記録、今年も上回るペース」とCB Insights レポートの概要(本欄223号、4月27日付)を紹介した。今号は、スタートアップ専門のリサーチ会社のベンチャー・スキャナー(VS)社が持つデータから、2つのレポートの概要を紹介する。
最初に、VS社から報道された「フィンテックの資金調達がステージ後半にシフトしてきた。フィンテック業界が成熟してきた事を示している」(5月25日付)である。その理由に、投資総額が毎年増えているなかで、①「調達資金が早期のステージから後期のステージにシフトしてきている」ことと②「資金調達案件数がシード・ラウンドでは減少し、その他のラウンドで増え出している」―の2点を挙げている。
フィンテック・スタートアップの資金調達ステージングを簡単に説明する。①シード・ラウンド:創業間もない時期にエンジェル投資家から資金を得る。②シリーズA(アーリーステージ):業績が拡大し、ベンチャーキャピタルから資金を受ける最初の段階。③シリーズB、C等:さらなる成長のための資金調達。④Exit(投資回収):スタートアップからの企業価値が高まった時点でIPO、M&A等の方法で回収する。
最初に、VS社から報道された「フィンテックの資金調達がステージ後半にシフトしてきた。フィンテック業界が成熟してきた事を示している」(5月25日付)である。その理由に、投資総額が毎年増えているなかで、①「調達資金が早期のステージから後期のステージにシフトしてきている」ことと②「資金調達案件数がシード・ラウンドでは減少し、その他のラウンドで増え出している」―の2点を挙げている。
フィンテック・スタートアップの資金調達ステージングを簡単に説明する。①シード・ラウンド:創業間もない時期にエンジェル投資家から資金を得る。②シリーズA(アーリーステージ):業績が拡大し、ベンチャーキャピタルから資金を受ける最初の段階。③シリーズB、C等:さらなる成長のための資金調達。④Exit(投資回収):スタートアップからの企業価値が高まった時点でIPO、M&A等の方法で回収する。
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【223】 2018年6月4日付 フィンテック最新事情(82)
過去最高の投資額、今年は「上回る」
フィンテックへのグローバル投資総額を13年からの経緯で見ると、13年37億ドル、14年79億ドル、15年145億ドル、16年138億ドルそれに17年は156億ドル1165投資案件と過去最高を記録したと4月27日にCB-Insightsから「Global Fintech Report Q1 20 18」で報告された。しかも、今年第Ⅰ四半期の実績は既に54億ドル、323件であるので、昨年を上回るペースで投資が続くと予測している。
各国のフィンテック産業の育成政策をテコに世界中にフィンテックの津波が拡散していることが最近のニュースの多さから分かる。それと同時に、各国の金融行政に基づいた政策であろう。国が先導し、外国のフィンテック企業に門戸を広げ、このグローバル競争を背景に、国内市場を活性化したいとの期待を持っているようだ。
各国のフィンテック産業の育成政策をテコに世界中にフィンテックの津波が拡散していることが最近のニュースの多さから分かる。それと同時に、各国の金融行政に基づいた政策であろう。国が先導し、外国のフィンテック企業に門戸を広げ、このグローバル競争を背景に、国内市場を活性化したいとの期待を持っているようだ。
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