2018年5月21日
2018年5月21日付 第2978号
1面
「金融環境の変化」 対応できない可能性も
各業法規制のままは危うい 山積する金融行政「次の方向」
金融庁は8日、自民党金融調査会に政府の骨太方針に盛り込む予定の「目指すべき施策の方向性」をまとめた。①フィンテックによる経済・金融の発展②金融仲介を始めとする金融機関による一層の機能発揮が二本柱。別表に【業態別の金融規制から機能別・横断的な金融規制への見直しの検討】として「各業法に、環境変化に対応していない規制が存在する可能性があるなど現行法に課題がある」として「例えば、金融機能を『決済』『資金供与』『資産運用』『リスク移転』」に分類し、リスクに応じたルールの適用を検討すべき」と指摘(本紙4月2日号1面トップ記事に「対応関係」を図解)している。
2面(総合)
【KEYパーソンに聞く】 MDRT会長
James D.Pittman(ジェイムス・ピットマン) 氏
日本市場、数年で大きな成長遂げる
卓越した専門知識を提供
グローバルな生保・金融サービス専門職のトップクラスのメンバーで構成される「MDRT」の第92代会長のジェイムス・ピットマン氏が4月に来日、日本会員に向けMDRTが人生と仕事に与えてきた影響を話した。「意欲的な会員には最高水準の実績を示せる努力を、既存会員には、毎年会員資格を満たして『MDRTの一部』になって欲しい」とコメントする。
3面(地域総合)
〈地域銀 2018年3月期決算〉
有価証券運用で課題
含み益減少 運用高度化待ったなし
地域銀行104行の決算を個別にみると、各行の置かれた環境などの違いが浮かび上がりそうだ。焦点の有価証券運用では、米金利が上昇局面に入ったことで、債券運用で損失を出した地域銀が続出。業務粗利益が資金利益を下回った地域銀行も少なからず出た。中小企業融資を強化する中で、本業の稼ぎを示すコア業務純益は増加行が減少行を上回ったが、人口減や経済規模で劣る地域銀行ではマイナスに転落するところも出現。マイナス金利政策は当面続きそう。地域銀を取り巻く環境は引き続き予断を許さない。
4面(大手行・証券・保険)
系列系資産運用会社を合併 三井住友FG 大和証券グループ本社
三井住友FG子会社に 来年4月運用資産約20兆円
三井住友フィナンシャルグループ(FG)と大和証券グループ本社が、来年4月をめどに系列の資産運用会社を合併する。11日に明らかにした。合併後の運用資産は約20兆円。今後、急成長が見込める資産運用ビジネスに対し、双方の強みで規模を拡大。トップクラスの業務基盤、運用力をもつ新会社を目指す。
5面(ノンバンク・ICT)
ストライプとグローバル連携 JCB
キャッシュレス化推進
JCBは16日、米Stripe(ストライプ)とグローバル提携で覚書を交わした。まずは、国内のストライプ加盟店でJCBカードでの決済が可能になった。今後は全世界のストライプ加盟店でJCBカードを使えるようにする。国内外の顧客利便性を高め、キャッシュレス市場の拡大を目指す。
6面(地域銀)
ミドルリスク先 貸出5.5%増やす 愛知銀 18年3月期
年商1億未満は年2.6%増
【名古屋】愛知銀行がミドルリスク先および年商の少ない零細企業向け貸出を増やしている。2018年3月末時点(平残ベース)で1年前の残高と比べ、ミドルリスク先は5%台、年商1億円未満の先は2%台のともに増加を示す実績を残した。ただ「ミドルリスク先は他行との競争が激しい」(矢澤勝幸頭取)だけに、量的なメーン化が図られた企業には決済機能の提供などを推進して、利ざや確保に注力する。
7面(信金・信組)
一味違った「ロビーマッチング」 枚方信金
リニューアル店舗で試行 ビデオで小規模企業をPR
【大阪】枚方信用金庫(大阪府枚方市)がリニューアル店舗で一味違った企業支援の取り組みを始めた。ロビーの一角に事業所が扱う製品を紹介する特設コーナーを設けた。店内のデジタルサイネージとリンクさせた紹介ビデオの放映も計画している。「ロビーマッチング」と称し、来店客に地元企業をPRする一方、身近な支店内が商売をつなぐきっかけの場に変身する。
8面(文化)
【Runner】 大阪商工信金
ハウスドゥ子会社と提携し、7月にも
ライフステージの資金の悩みを解決
【大阪】大阪商工金庫(大阪市)が7月にリバースモーゲージに参入する。リースバックを中心に不動産金融で成長し、全国展開するハウスドゥの関連子会社と組む。高齢化社会を踏まえメガバンクや地銀など都市型金融機関が先行する格好でリバースモーゲージが始まった。だが爆発的人気を呼んでいるわけではない。ハードルが高いからだ。そんな中で大阪商工信金があえて手を挙げた。