5月
【222】 2018年5月28日付 フィンテック最新事情(81)
英HSBC銀の〝逆襲〟オープンバンキング
今年の英国銀行業界は、行政当局が推進するオープンバンキングとEU推進するPSD2(データの共有)の波が一挙に押し寄せた。5大銀行の寡占に対してフィンテックのチャレンジャーバンクとしての挑戦と顧客争奪戦に激しさが増している。前号ではTSB銀行の勘定系システムの移行トラブルを紹介したが、あるチャレンジャー・バンクには今までに比べて4倍もの顧客が口座を移管し始めたと報告されている。
この2つの流れは、フィンテックにとって、得意とするオープンバンキングで求められるAPIを駆使して新しいサービスを開発できる好機である。またそれは英国の規制当局が金融危機の経験から、求めていた銀行業界の公平な競争原理を実現し、国民に選択肢を与えることでもある。
これまでは、チャレンジャー・バンクの開発したサービスが話題になっていたが、ロイターが5月15日に「英国のHSBC銀行がマルチアカウント・アプリで、フィンテックと争う」の見出しで、HSBCの"Connected Moneyアプリ‟のサービス開始を報道した。
この2つの流れは、フィンテックにとって、得意とするオープンバンキングで求められるAPIを駆使して新しいサービスを開発できる好機である。またそれは英国の規制当局が金融危機の経験から、求めていた銀行業界の公平な競争原理を実現し、国民に選択肢を与えることでもある。
これまでは、チャレンジャー・バンクの開発したサービスが話題になっていたが、ロイターが5月15日に「英国のHSBC銀行がマルチアカウント・アプリで、フィンテックと争う」の見出しで、HSBCの"Connected Moneyアプリ‟のサービス開始を報道した。
・・・続きは紙面に掲載
【221】 2018年5月21日付 バンクビジネス最新事情(19)
「5%程度の客」失言 頭取ボーナス吹き飛ぶ
米銀大手行の巨額なCEO報酬は、本稿216号(4月2日)で紹介したばかり。フィナンシャルタイムズ紙(5月1日付)は「TSB銀行のCEOはITプロジェクトの失敗で約2億円ものボーナスを飛ばしてしまった」と報道。最初にこの見出しを見た時は「意外にボーナスが少ない」との印象ぐらいだった。
が、その原因が「システムの失敗」とあったので「そのような理
由でボーナスが飛ぶのはあまり聞かない」と思いニュースを拾い集
めてみた。すると4月20日から始まった勘定系システムの移行で、
トラブルが発生。この原稿を書いている現在(5月8日)も何と、約3週間もたっているのに移行は完了せず、一部の顧客は依然としてモバイルバンキングのアクセスができない障害が続いている。しかも顧客に、いつ解決するのかさえも知らせられない、事態にある。
が、その原因が「システムの失敗」とあったので「そのような理
由でボーナスが飛ぶのはあまり聞かない」と思いニュースを拾い集
めてみた。すると4月20日から始まった勘定系システムの移行で、
トラブルが発生。この原稿を書いている現在(5月8日)も何と、約3週間もたっているのに移行は完了せず、一部の顧客は依然としてモバイルバンキングのアクセスができない障害が続いている。しかも顧客に、いつ解決するのかさえも知らせられない、事態にある。
・・・続きは紙面に掲載
【220】 2018年5月14日付 バンクビジネス最新事情(18)
セクハラ被害 女性31% 男性も 米紙が報道
米国では昨年から、ハリウッドを舞台にした「#MeToo」セクハラ告発運動が全国的に展開され、国民の注目を浴びている。今年3月に入って、アメリカンバンカー紙が金融業界のセクハラに関する記事を3回にわたって報道した。
日本の事情とは背景が違い、このセクハラ問題を人事制度、職場環境、ビジネス環境を考えると、安易な比較はできない。参考情報として、米国の銀行業界を代表するアメリカンバンカー紙からの報道概要を紹介する。
最初の記事(3月12日付)は①「プロフェッショナルな職場におけるセクシャルハラスメント主要な調査10項目」、3月27日には②「バンキング業界には、#MeTooへの反動が醸成されつつある」、翌28日に③「ストリップクラブからマッサージ:顧客が性的に不適切な状況の時には」との見出しで、生々しい報道となった。
①の記事では、調査結果の主要10項目を挙げ、注目すべきは「全業種でセクハラ被害率が一番高いのがウエルスマネージメント(資産運用)業種で22%、次に保険業種で15%、一般的な銀行業は11%」だったと指摘した。
日本の事情とは背景が違い、このセクハラ問題を人事制度、職場環境、ビジネス環境を考えると、安易な比較はできない。参考情報として、米国の銀行業界を代表するアメリカンバンカー紙からの報道概要を紹介する。
最初の記事(3月12日付)は①「プロフェッショナルな職場におけるセクシャルハラスメント主要な調査10項目」、3月27日には②「バンキング業界には、#MeTooへの反動が醸成されつつある」、翌28日に③「ストリップクラブからマッサージ:顧客が性的に不適切な状況の時には」との見出しで、生々しい報道となった。
①の記事では、調査結果の主要10項目を挙げ、注目すべきは「全業種でセクハラ被害率が一番高いのがウエルスマネージメント(資産運用)業種で22%、次に保険業種で15%、一般的な銀行業は11%」だったと指摘した。
・・・続きは紙面に掲載