2017年7月17日
2017年7月17日付 第2942号
1面
検証 カジノ規制
新たな「金融規制」へ ATM設置は貸付制限
依存症対策 総合的窓口を
自民党のIR実施に向けた制度・対策検討PT(座長=岩屋毅衆院議員)は5日の会合で政府の検討状況を聴取、その後に記者会見し内容を説明した。政府から「カジノ事業活動の規制」(6月13日の第4回会合)と「依存防止対策」(6月20日の第5回会合)の模様を資料とともに報告した。金融庁では、カジノ規制は今後の金融取引の規制のあり方に深くかかわる課題だと認識しており、まずこの夏に固まる「依存症対策」が大きな焦点だ。最終的には「クレジットカードの利用規制」「ATM設置の貸付規制」の議論につながるとみられ、本紙はこの論議への流れを2回に渡りまとめてみた。
2面(総合)
関東財務局 新旧局長会見
中小企業に出向者派遣 浅野氏多様性の受け入れ強調
関東財務局で10日、新旧局長が会見に臨んだ。浅野僚也・新局長は「できるだけ多くの地元視点を踏まえ、関東地域の人々、経済のために頑張りたい」と述べ、課題解決には「多様性の受け入れが重要」と強調した。
3面(地域総合)
距離縮まる 地域銀 日本郵政
地銀ファンドへ出資相次ぐ 6月には滋賀銀と
地域銀行とゆうちょ銀行の距離が確実に縮まってきた。2016年の熊本地震復興支援ファンドを皮切りに、ゆうちょ銀の地域銀ファンドへの出資が相次ぐ。今年6月末月には滋賀銀行の地域企業支援ファンドに参画した。ゆうちょ銀の池田憲人社長は「地域金融機関とはあらゆる観点で一層協力したい」とのスタンス。地方創生への取り組みやマイナス金利環境、フィデューシャリー・デュ―ティーへの対応など課題が山積する中、地域銀は「新たな手の結び方」を模索する。
4面(大手行・証券・保険)
ブロックチェーン本格活用 みずほFG・丸紅・損保ジャパン
実貿易取引に初適用 2時間で書類受け渡し
みずほフィナンシャルグループ(FG)、みずほ銀行、丸紅、損保ジャパン日本興亜が7日、ブロックチェーン/分散台帳技術(DLT)を活用した実貿易取引の完了を明らかにした。これまでテスト用データを使った実証実験はあったが、国内で初めて実際の貿易取引に適用した。多くの書面が必要で従来、数日かかっていた書類の受け渡しを2時間で実現。今後の貿易取引のあり方が変わる可能性もある。ただ、課題も見えてきた。
5面(ノンバンク・ICT)
事業モデル変革後押し 電通国際情報
個別の課題に対応 東京TYFGと初の提携
電通国際情報サービス(ISID)は、地域金融機関の人材育成や組織文化の変革支援に乗り出す。人口減やマイナス金利などを受けて金融機関を取り巻く事業環境が大きく変わる中、求められる組織や人材も変化を迫られている。個々の金融機関が抱える課題に応じた解決支援プログラムを設計・提供することで、地域金融のビジネスモデル変革を後押しする。
6面(地域銀)
百五銀 払込票アプリで決済
企業の収納にも初対応 全国の地銀に広がり
企業の収納にも初対応 全国の地銀に広がり
【名古屋】百五銀行は7日から、スマートフォンのアプリでコンビニ払込票のバーコードを読み取るだけで決済ができるサービスを開始した。中小企業が発行する払込票まで対応するのは全国の銀行で初めて。決済アプリを提供するビリングシステム(東京・千代田)は地銀ネットワークサービス(CNS)とも業務提携し、CNSのコンビニ収納サービスに同社の決済アプリが導入されることになった。
7面(信金・信組)
高齢者に振り込み制限
大阪7信組 全国初 還付金詐欺急増で対応
【大阪】大阪府内に本店を置く7信用組合が振り込め詐欺防止対策で、高齢者によるキャッシュカードの振り込みに一部制限を設けた。還付金詐欺の被害が増えているためだ。信用組合が単独の判断で行っているケースはあるが、都道府県単位で制限を掛けるのは全国で初めてになる。
8面(文化)
【Runner】 三菱アセット・ブレインズ
投信販売の高度化支援システム
「アセット・ダイレクション」快進撃
真に顧客本位の業務運営につなげる
預かり資産営業支援システム「ASSET・DIRECTION」(アセット・ダイレクション)の採用が地域銀行で進んでいる。
提供する三菱アセット・ブレインズ(MAB)は、1998年に三菱グループ金融4社が当時、銀行窓販が解禁されたばかりの投資信託を「個人の金融資産形成の担い手」として発展できるとして、それに値する投信か否か―を正しく評価しようと設立された。主席コンサルタントの内田一博氏は「『財閥系ベンチャー』だった当時の設立趣意書でも、中長期投資の重要性が謳われ、まさに現在のフィデューシャリー・デューティー(FD)を先取りした格好でした」と話す。短期的、投機的でない売り方への「仕組み自体」が求められる今、そのためのソリューションを積極的に投入する。
提供する三菱アセット・ブレインズ(MAB)は、1998年に三菱グループ金融4社が当時、銀行窓販が解禁されたばかりの投資信託を「個人の金融資産形成の担い手」として発展できるとして、それに値する投信か否か―を正しく評価しようと設立された。主席コンサルタントの内田一博氏は「『財閥系ベンチャー』だった当時の設立趣意書でも、中長期投資の重要性が謳われ、まさに現在のフィデューシャリー・デューティー(FD)を先取りした格好でした」と話す。短期的、投機的でない売り方への「仕組み自体」が求められる今、そのためのソリューションを積極的に投入する。