2016年7月4日
2016年7月4日付 第2894号
1面
メガ銀vs信金シンジケート団 熾烈な争い
低金利、耐える「経営」
低金利、耐える「経営」
国交省■「民間都市再生事業計画」3件一括認定
「数百億円規模」も採算見えず 都内信金、ついに0.18%で落札
国土交通省は6月24日、別表の「民間都市再生事業計画」3件を一括認定したと発表した。いずれも地上21階建てから31階建ての高層ビルを中心にした東京都心の「大規模地域開発」。東京五輪の2020年前後に竣工を目指す。この都心の「開発ラッシュ」を支えているのが金融や税制の支援で、背景に日銀のマイナス金利政策の恩恵を全面に受けた「低金利攻勢」がある。いずれも数百億円単位の事業規模案件だが、融資する金融機関にとっては「ほとんどが公開入札で採算がとりづらい」(信用金庫理事長)との悲鳴が上がる。
2面(地域総合)
ゆうちょ限度額見直しに注文 全国信金大会
佐藤会長「肥大化は絶対回避」
佐藤会長「肥大化は絶対回避」
全国信用金庫大会が6月24日、東京・大手町の経団連会館で盛大に開催された。大会には麻生太郎・金融担当相、中曽宏・日銀副総裁、三村明夫・日本商工会議所会頭らが出席し全国の信金理事長や関係者など約800人が集結し実りある大会となった。
大会で佐藤浩二・全信協会長は信金業界が取り組むべき課題について言及した。地方創生、地域活性化への取り組みにおいては「地方公共団体、商工会議所などと連携し全国の信用金庫が一致協力して情報やノウハウの共有を図り地方創生に積極的に貢献していく」と語った。
3面(地域総合)
「付加価値で利ざや確保」 長谷川靖・東海財務局長が就任会見
金利競争に注文
金融再編 「数は問題にならない」
金融再編 「数は問題にならない」
東海財務局長に就任した長谷川靖氏が6月27日、名古屋市内で共同会見に応じた。着任直前には英国のEU離脱が現実となり、市場は大混乱。東海地区はものづくり企業の結集地だけに業績への影響が懸念される中、「市場の動向や企業への影響を注視していく」と話した。激しい金利競争で金融再編も注視されているが、「再編そのものが目的にはならない」と指摘した。
4面(大手行・証券・保険)
共栄火災 杉中 洋文社長「新中計を語る」
未来へのナビゲーション
特色ある「協同組織」の事業基盤生かす
共栄火災が今年度から新たな中期経営計画の実行に取り組んでいる。1年間の議論の集大成と位置付ける中計は「未来へのナビゲーション」と名付けられた。杉中洋文社長は「新たなフェーズの表われ」と明かす。トップ就任から2年、「2014年度の『過去最高益の達成』はとても印象深い」と語る。「3年間でなすべきことは多岐に渡るが、ひとつひとつをきちんと実行していく」と強調する。
5面(地銀)
異彩放つビジネスモデル スルガ銀
根底に高い収益性
1990年代後半から始まったスルガ銀行の変革をけん引した岡野光喜社長が退任した。高収益が期待できるリテール分野に特化し、事業性貸し出し中心の伝統的な銀行モデルから完全に離脱。他行が個人ローンなどリテールに活路を見出そうとする中、大きくリードする(3面参照)。
6面(信金・信組)
新潟県内11信組が包括的連携
共同で販路拡大・商品開発
地域社会発展に一段と貢献
新潟県内に本拠を置く11の信用組合は、取引先の利用促進や販路拡大といった共通する課題に共同して対処する。地域への貢献や地域の活性化を目的に、6月22日に「包括的連携協力に関する協定」を結んだ。県内の全信組が参加することで、取り組みの効果を最大限に高める狙いがある。
7面(信金・信組)
総代会で合併承認 愛知県中央信組 三河信組
来年1月23日にスタート
【名古屋】今年1月に合併で基本合意を結んだ愛知県中央信用組合(本店=愛知県碧南市)と三河信用組合(同=愛知県蒲郡市)は6月23日、それぞれ総代会を開き、合併を承認した。合併期日は年明けの来年1月に決まった。今月中にも東海財務局に認可を申請する計画で、合併に向け大きな山場を越えた。
8面(文化)
【Runner】 みずほFG・みずほ銀
ペッパーと進化する銀行店舗 八重洲口支店 実験的拠点として新装
バーチャルとリアルの結節点
5月の連休明け、みずほ銀行は東京駅・八重洲口側にある新装ビル内に「オムニチャネル時代への対応を目指す次世代型店舗」として、八重洲口支店を移転オープンさせた。「スマートフォンやインターネットバンキングといったバーチャルからリアルへの結節点」(林信秀頭取)となる拠点がコンセプト。証券取引ニーズに応えるため、設置した邦銀初のビデオカンファレンスやFinTech(フィンテック)を体験できるコーナーの充実など、生まれ変わった「実験店舗」とは―。