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2016年6月20日

2016年6月20日付 第2892号

1面

公取委、統合2行を審査 肥後銀 鹿児島銀
シェア変動は「僅少」
 十八銀・親和銀合併に影響も
 
 公正取引委員会は10日、肥後銀行と鹿児島銀行による共同株式移転(経営統合)の審査結果を公表した。「(この経営統合は)一定の取引分野における競争を実質的に制限することにならない」―が結論。熊本県と鹿児島県それぞれに最も高い貸出取引の占有率を持つ両行だけに公取委の判断が注目されていた。2018年4月には、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の十八銀行と親和銀行の合併が予定されており、この合併後の長崎県では圧倒的な貸出取引の占有率になるとみられ、今回の審査結果をこの前哨戦とみる見方がある。

2面(地域総合)

中小機構 越境EC勉強会
  海外販路開拓を応援
 
 中小企業基盤整備機構は全国主要都市10カ所で「越境EC勉強会」を展開している。中小企業の海外販路開拓を応援するのが狙いで初めての試み。初歩的な知識から実際の運用におけるノウハウまで事業者が包括的に学べるプログラム構成が特徴だ。

3面(地域総合)

成長余地求め広域化 地域銀行
 出店戦略に異変 営業戦線が拡大
 
 地域銀行において、出店戦略に異変が起きている。取引先の事業展開や成長が期待できる地域などを検討した結果、営業エリアが以前と比べて広域化しており、隣県への進出だけに収まらなくなっている。将来の人口減を踏まえ、経済成長が期待できる地域に進出し、地域分散していこうという狙いもありそうだ。

4面(大手行・証券・保険)

自車転保険、百花繚乱
 大阪府でも加入義務化
  コンビニ・ネットで気軽に加入
 
 大阪府が6日、自転車保険の加入を義務化する条例を制定した。府内では2015年の自転車事故の死者数が50人と大幅に増加、死者の約半数は高齢者で死因の約8割が頭部損傷によるものだった。すでに兵庫県も15年10月に自転車保険の加入を義務付ける条例を施行している。少子高齢化で自動車保険が伸び悩んでいる半面、「(自転車保険は)月々数百円単位と金額は少額だが好調」(大手損保関係者)と話す。大手損保だけでなく、ネット保険や少額短期保険会社も参入、コンビニエンスストアの端末でも気軽に加入できるなど広がりを見せている。

5面(地銀)

観光プロジェクトで息を合わせる6行頭取
広域で観光活性化 東海・北陸6行
 「六ツ星観光プロジェクト」結成
   老舗巡り、B級グルメでPR
 
 【名古屋】東海・北陸地区の地域銀行が観光活性化で広域連携を結んだ。「六ツ星観光プロジェクト」と題し、情報交換や観光業者への融資強化など他県の観光客を呼び込む戦略だ。フィンテックやマイナス金利対策の資産運用業といった業務直結型の地銀連携が広がっているが、観光という〝変化球〞で横の連携を深める。

6面(信金・信組)

岐阜信金が日本公庫と連携強化
 協調融資3年で4倍
  創業やソーシャルビジネス開拓
 
 【名古屋】岐阜信用金庫(本店=岐阜市)が日本政策金融公庫との連携を深めている。創業支援やソーシャルビジネス分野での協調融資が急増、この3年で4倍にまで増やしている。研修で営業店職員への理解を深めたり、セミナーによるニーズの掘り起こしが成果につながっているようだ。

7面(信金・信組)

石渡卓理事長(前列左から2人目)と写真に収まるLA制度第1期生
投信販売へ女性専担
 湘南信金 個人強化狙い制度化
  第1期生に中堅7人
 
 湘南信用金庫(本店=神奈川県横須賀市)は今年度から、女性職員が投資信託の販売を中心に個人向け金融商品の推進を専門に受け持つ「ライフプランアドバイザー」(LA)制度を導入した。その第1期生としてまず7人を任命、年度内に18人まで増員する。金融商品の販売で成果を収める女性職員を専担者に任命することで、収益に貢献する個人取引層の厚みを増したい考え。女性職員が活躍する場を整備する狙いもありそうだ。

8面(文化)

【Runner】 クレディセゾン
 「インストラクター」が奔走
   支社メンバーの視野を内から外へ
   情報の組織内共有を推進
 
 デパート店内や大型ショッピングモールでよく見かける「セゾンカウンター」。来店客にクレジットカードや各種サービスをご案内したり、カードホルダーの属性変更など保全業務に対応する現場の最前線だ。クレディセゾンに入社すると、多くの社員がカウンター業務を経験するという。北海道から九州まで10支社で全国のセゾンカウンターをカバーする。その支社内において取りまとめ役でもあり、実際に現場に人材を出す際に教育を担うのが、11人の「インストラクター」たちだ。クレディセゾンでは新卒だけでなく、毎月のように中途入社の社員も受け入れており、実務だけでなくメンタル面でのフォローにも心を砕く。かつてインストラクターを経験し、現在はインストラクターも在籍する支社の統括部門である営業推進部の堀内裕子課長は、「近年の企業環境の変化からインストラクターは支社内での教育の役割が少し変わってきました」と話す。
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