6月
【140】2016年6月27日付 フィンテック最新事情㉓
100万㍀を96秒で集めたフィンテック銀行 Mondo
スタートアップ企業情報データベースのCB Insightsが6月8日からニューヨークで主催したコンファレンス「The Futureof FinTech」で発表した同名レポートに、フィンテック「今年の9のトレンド」がある。そのなかに英国での「デジタル・チャレンジャー・バンクへの投資上昇」が取り上げられた。
チャレンジャー・バンクは英国政府の施策で、大手4行の寡占(個人決済口座の
チャレンジャー・バンクは英国政府の施策で、大手4行の寡占(個人決済口座の
77%を占める)とサービス品質の悪さに国民からの不満が高まり、それを解消する目的で新規参入障壁を低くして、顧客の受け皿のために設立された新しい銀行である。
2013年からライセンスが発行され、すでに17行が名乗り上げている。
今回、特に投資の面で注目されたデジタル・チャレンジヤー・バンクは、Atombankが1億6,720万㌦を調達。以下、SARLINGが7,000万㌦、TANDEMが3,510万㌦、Mondoが1,180万㌦、fidorが500万㌦を調達している。これらデジタルバンクは、アプリ銀行やスマホ銀行と言われ、営業店もPCサイトもないスマホだけが窓口の完全なスマホバンクだ。今後の展開が注目を浴びている。
今回、特に投資の面で注目されたデジタル・チャレンジヤー・バンクは、Atombankが1億6,720万㌦を調達。以下、SARLINGが7,000万㌦、TANDEMが3,510万㌦、Mondoが1,180万㌦、fidorが500万㌦を調達している。これらデジタルバンクは、アプリ銀行やスマホ銀行と言われ、営業店もPCサイトもないスマホだけが窓口の完全なスマホバンクだ。今後の展開が注目を浴びている。
・・・続きは紙面に掲載
【139】2016年6月20日付 フィンテック最新事情㉒
ブライス女史はウォール街の風雲児
「元ウォール街の巨人たち、ウォール街の破壊者に」と、元シティバンクCEOのビクラム・パンディット、元モルガン・スタンレーCEOのジョン・マック、元VISA CEOのジョー・サンダース、元シティバンクCFOのハンス・モリス、それに、ウォール街の風雲児といわれていた元JPモルガン・チェースのブライス・マスターズ女史の5人をフィナンシャル・タイムズ紙が昨年12月に紹介した。
マスターズ女史を除く人たちは、投資ファンドを創りフィンテック・スタートアップを支援、もしくはフィンテックの役員に入る形をとる。
しかし彼女は、27年間務めた銀行を2014年4月に辞め、その1年後の2015年3月にデジタル・アセット・ホールディングス(DAH)」のCEOに就任。今度は「ブロックチェーンに福音をもたらしたウォール・ストリートの異端児」、フィンテックの女傑経営者として注目を浴びている。
マスターズ女史を除く人たちは、投資ファンドを創りフィンテック・スタートアップを支援、もしくはフィンテックの役員に入る形をとる。
しかし彼女は、27年間務めた銀行を2014年4月に辞め、その1年後の2015年3月にデジタル・アセット・ホールディングス(DAH)」のCEOに就任。今度は「ブロックチェーンに福音をもたらしたウォール・ストリートの異端児」、フィンテックの女傑経営者として注目を浴びている。
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【138】2016年6月13日付 フィンテック最新事情㉑
「さようなら、銀行手数料」TransferWise
北ヨーロッパのエストニア共和国(EU加盟、通貨はユーロ)からロンドンに働きにきて、住宅ローン返済のために毎月外国為替送金をしていた若者がいた。この送金がいかに不透明で高い手数料かに怒り、同郷友人と2人でクロスボーダーの「P2P送金」を始めた。お互いがロンドンとエストニアの両方に銀行口座を持ち、ロンドンでは友人の口座に公定外為レートでポンド換算したローン返済額をポンドで入金し、エストニアでは住宅ローンを返済する友人口座にユーロで入金する。そうすれば銀行に支払う手数料がいらない― この手段を考え出した。友人たちもそこに参加してできた仕組みが、TransferWiseの基本形である。
エストニア出身のターベット・ヒンリンカスとクリスト・カールマンは、2010年に共同創設者としてTransferWiseをロンドンで立ち上げた。英国とエストニアに加え、すでにウクライナと米国にオフィスを持つ。600人もの社員数となり、50カ国で30もの通貨を扱い、毎月7億3,500万㌦を送金する実績を持つ。これによる銀行手数料の節約分は3,234万㌦だと公言する。
エストニア出身のターベット・ヒンリンカスとクリスト・カールマンは、2010年に共同創設者としてTransferWiseをロンドンで立ち上げた。英国とエストニアに加え、すでにウクライナと米国にオフィスを持つ。600人もの社員数となり、50カ国で30もの通貨を扱い、毎月7億3,500万㌦を送金する実績を持つ。これによる銀行手数料の節約分は3,234万㌦だと公言する。
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【137】2016年6月6日付 フィンテック最新事情⑳
世銀、独「個人ローン」に創業投資
フィンテックのカテゴリーでは、「個人向けオンライン融資」に分類されている
Kreditechはドイツのハンブルグ市で2012年に創業したITテクノロジー会社。ビッグデータを分析して信用調査を担っていたが、その技術力は、従来の銀行では評価されなかった。
会社のミッションに〝信用情報を持っていない世界中の40億の人達のためのデジタルバンク〟を掲げ、良い銀行(Kredi)と良いクレジットビューロー(Tech)を意味するKreditechを企業名にした。信用情報を持っていない誰にでも、ビッグデータを活用して審査を行い、自己資金で50~2,500㌦のオンライン融資を実施した。最初にポーランドに進出、スペイン、ロシア、チェコ、オーストラリア、メキシコ、それにドイツを含め6カ国に展開している。
発足直後の13年から2年間で、業績を5倍以上に伸ばし、欧州で注目のフィンテックに浮上した。急成長で注目されていた同社を、フォーブス誌は昨年に「企業価値10億㌦になるスタートアップ(ユニコーン)、今やどこまで近づいたのか」の特集で取りあげた。
会社のミッションに〝信用情報を持っていない世界中の40億の人達のためのデジタルバンク〟を掲げ、良い銀行(Kredi)と良いクレジットビューロー(Tech)を意味するKreditechを企業名にした。信用情報を持っていない誰にでも、ビッグデータを活用して審査を行い、自己資金で50~2,500㌦のオンライン融資を実施した。最初にポーランドに進出、スペイン、ロシア、チェコ、オーストラリア、メキシコ、それにドイツを含め6カ国に展開している。
発足直後の13年から2年間で、業績を5倍以上に伸ばし、欧州で注目のフィンテックに浮上した。急成長で注目されていた同社を、フォーブス誌は昨年に「企業価値10億㌦になるスタートアップ(ユニコーン)、今やどこまで近づいたのか」の特集で取りあげた。
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