2016年5月16日
2016年5月16日付 第2887号
1面
「金融の関与」に期待感 経済同友会まとめ 「地域創生」多彩なビジョン
「ご意見番」以上の連携事例
富山市の再開発 資金調達に工夫
経済同友会は3月までに「若者を惹きつける魅力ある仕事を地方に数多く創り出すにはどうすればよいか」の提言をまとめ、4月から国会議員に配布をはじめた。政府の「まち・ひと・しごと創生本部」は、地方の人口減少による衰退に歯止めをかけるため、各自治体に「人口ビジョン」と「地方版総合戦略」の策定を働きかけ、今までの手法是正に取り組んできていた。「魅力ある仕事・雇用機会」を提供できることが地域社会の基盤で、大きく変わってきた若者の価値観や行動に応えること。同友会ではワーキンググループを設置、全国52自治体から聴取したものをまとめた。
2面(地域総合)
バ国農村福祉援助財団にクラウドファンディングを講義
埼玉県信金 深谷ねぎファンドも紹介
埼玉県信用金庫(本店=埼玉県熊谷市)は10日、研修のために来日したバングラデシュ農村福祉援助財団の実務者、NPO幹部に地域連携への取り組みとしてクラウドファンディングの取り組み事例を講義した。貸付の新たな手法、高く生産物を市場に出す仕組みを理解してもらうのが狙いだ。現地視察を含めた研修はワイナリーやぶどう畑も見学した。
3面(地域総合)
ブティック型金融に勢い 地域金融機関に照準
潜在ニーズ掘り起こし
金融機関に取引先や利用者が求める金融サービスの要求基準は年々上がる一方だ。ただ、メガバンクや一部の大手地銀を除いて、主要な金融サービスをすべて自前で提供しようとするとノウハウやコストの面で合理的でない。そうした地域金融機関の抱える事情を踏まえ、特定分野に特化したブティック型の金融会社が攻勢をかけている。
4面(大手行・証券・保険)
預かり資産 微減にとどまる
証券業界前期 導入額は流入続く
減益を余儀なくされたグループが目立った証券業界の2016年3月期決算。中国経済の減速や原油価格の急落などを要因に、特に昨年8月以降の株式市況の悪化を受けた投資家の様子見姿勢もあり、株式や投資信託の販売が減速したためだ。これまで右肩上がりで推移してきた預かり資産残高の鈍化にも波及したが微減にとどめ、証券大手では投資一任(ラップ)残高の堅調さを維持している。リテール分野においては、市況の変動に業績が大きく左右されないストックビジネス構築の成否が、より重視されるようになっている。
5面(地銀)
相次ぐフィンテック強化 地銀大手
専門新会社を設立 国内大手ベンダーも参画
地方銀行がフィンテック分野の強化に相次いで乗り出す。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)が投資専門子会社経由でフィンテック関連企業を4月にグループ化。5月に入り、システム共同化でタッグを組む千葉銀など主要6行がフィンテックを活用した金融サービスの開発などを手がける新会社を設立した。国内の大手システムベンダーも参画する。銀行法の改正もにらみ、同様の動きが活発化しそうだ。
6面(信金・信組)
【大阪商工信金 多賀 隆一理事長に聞く】
職員に「一騎当千」求め
組織力向上へ団結
【大阪】4月1日付で新理事長に就任した大阪商工信用金庫(本店=大阪市)の多賀隆一氏。三井住友銀行の出身で大阪は勝手知ったるエリア。経営方針を中心に具体的な戦略について話を聞いた。
7面(信金・信組)
【碧海信金 石川 澄夫理事長に聞く】
金利競争打ち勝つ人材育成
名古屋戦略強化 来年7月に御園支店オープン
4月1日付で碧海信用金庫(本店=愛知県安城市)の新理事長に就任した石川澄夫氏。福田雅美会長とは同期入庫であり、良きパートナーでもある。二人三脚で同信金を引っ張っていく。愛知県西三河地区には周辺金融機関だけでなく遠く離れた地銀までもが進出。これに地元信用金庫が加わり、さながら戦国時代の下剋上の様相だ。金利競争の激化も避けられない。石川新理事長は「最後は人がものを言う」と営業現場の接点強化を打ち出す。これからのかじ取りを聞いた。
8面(文化)
【Runner】 十六銀行
東海地区初の企業内保育所
「じゅうろくスマイルルーム」開設
働くママさん行員を応援
十六銀行が企業内保育施設を開設した。先月オープニングセレモニーが開かれ、ママに抱っこされた子どもたちの声が響いた。銀行業界がこういった託児所を設ける例は少なく、東海3県の地方銀行では初めて。女性の活躍推進が叫ばれるなか、新たな後押し策として注目されている。