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2016年5月2日

2016年5月2日付 第2886号 【GW特集号】

1面

自社のガバナンス改革が求められる運用会社。投資先企業に対する責任も一段と重くなっている
地銀 相次ぎ参入 資産運用業に将来性
 カギ握る「顧客本位の業務運営」
 メガ銀、信託の動き契機に進む
 運用の高度化は「ライフワーク」
 
 資産運用会社を巡る動きが昨年来、にぎやかになっている。効率化を狙ったグループ内の再編はもとより、金融業態の垣根を超えて、複数の機関が手を組むケースも相次ぐ。資産運用業は「世界の金融業のなかで最も将来性のある業務」(金融庁幹部)であると見通しているからだ。新たな収益機会を創出する取り組みが熱を帯びる足もとの動きを追ってみた。

2・3面(特集)

「フィンテックの波」到来
 成長の起爆剤 動き加速 市場規模 急拡大へ 
 
 世界中でスマートフォンやビッグデータ、人口知能(AI)などの技術を駆使した金融サービスが生まれている。特集では注目技術や専門家インタビューを通して最新動向を紹介する。
 
市場規模 4年後 560億円へ
 ビッグデータ使い瞬時に融資審査
 注目技術「ブロックチェーン」
 
 国内フィンテック市場に関する調査結果によると、2015年度の市場規模は33億9400万円、20年度にはブロックチェーンの急速な拡大や官民による支援体制の整備で567億8700万円に急拡大すると予測されている。ITによるビジネスモデル変革の時代を迎え、フィンテック系サービスが普及することでユーザーメリットが拡大している。フィンテックの領域と取り組み事例を紹介する。
 
経産省 政策に反映
 ブロックチェーン 2陣営で協会設立
 
 ここに来てフィンテックを巡る動きが、加速度を増している。直接の当事者である金融界の頭上を素通りし、監督官庁や関連のシステムベンダーはもとより、スタートアップに場所を提供する大手不動産業者、はては政治家なども参戦するなど、各方面を巻き込んで盛り上がりを見せているのが実情だ。狙いや思惑はさまざまだが、日本経済の行き詰まりを打破する突破口にしたり、今後の成長の起爆剤にできないかといった考えでは共通している。

4面(特集)

【東海地区特集】ネット支店の可能性
 時代先取るネット支店
  忍び寄るゼロ金利政策の余波
 
 金融機関のインターネット支店が広がっている。従来のような有人による接客型の店とは異なるバーチャル店舗だ。来店の必要がなく通帳さえない。それでいてインターネットバンキング(IB)とも一線を画している。リアル店舗にはない高金利や、プレミアム感の高い宝くじを武器に富裕層の関心を集めている。急速に普及しているスマホ時代をとらえた非対面の次世代金融サービスのあり方にも結びつく可能性がある。愛知県でネット支店を展開する2つの大手信用金庫に話を聞いた。
 
瀬戸信金  「ゆめ紀行」顧客全国に宝くじが好きな富裕層狙う
豊田信金  高金利武器に新規参入 40~50代が資産運用に興味

5面(特集)

【関西地区特集】 医療と地域金融
 医療のすそ野拡大に期待
 
 【大阪】成長分野の一つ「医療」への注目度が高い。診療所開設のほか少子高齢化を受けた健康増進策や予防医学、先制医療などによる機器開発などすそ野は広い。近畿地域でも、滋賀県における健康創生特区や兵庫県神戸市の神戸医療産業都市など話題は多い。滋賀銀行、池田泉州銀行、みなと銀行の例を紹介する。
 
滋賀銀       滋賀に健康創生特区 医療開業・経営サポート
池田泉州銀     診療所開設に資金提供 15年度、府内の20%に融資
みなと銀      ポートアイランドへ 誘致を積極サポート
日本公庫近畿地区  介護報酬改定の影響 小規模企業ほど大

6面(総合・大手行・証券・保険)

当局の監督対応強化 銀行の金利リスク
 必要に応じて措置
 
 主要国の銀行監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会は、国債や公社債などの金利変動における銀行の耐久力を高める新規制を公表した。各国の規制当局による独自の監督対応を強化しており、従来から日本が求めていた主張が採用された格好。金融機関の抱える金利リスクの計測基準を厳格化する一方で、その基準を超えても機械的に資本の積み増しを求めず、各国当局の裁量に任せる。

7面(地域総合)

がっちり握手する常陽銀の寺門一義頭取(左)と足利HDの松下正直社長
社名は「めぶきFG」 常陽銀×足利HD
 経営統合で基本合意
  新規15店出店
 
 常陽銀行と足利銀行を傘下に持つ足利ホールディングス(HD)は4月25日、株式交換により今年10月に経営統合することで最終合意したと発表した。持ち株会社の社名は「めぶきフィナンシャルグループ(FG)」と決まった。「地域のリーディングバンク同士でしかなしえない、質の高い総合金融サービスを提供する」(常陽銀行の寺門一義頭取)。統合5年で150億円のシナジー効果を見込む。

8面(文化)

【Runner】 三井住友カード 法人ソリューション営業部
 企業「丸ごと」で課題を解決 主要4マーケットで銀行との協業強化
  プロダクト展開 多様に
 
 三井住友カードに大手企業を専門に手がける部署、「法人ソリューション営業部」がある。他営業部が提携カード推進や加盟店開拓といった「業務」単位で区切られているのに対し、同部は「企業」単位で担当するため「ひとつの企業にあらゆる切り口で提案できる」という特性がある。秋元健二副部長は「子会社や関連会社も含めて『丸ごと』担当するため比較的大きな案件が多い。法人取引が多い銀行との協業を深める意味でも、企業単位の担当制は効果が大きくなります」と話す。同部は約8年の歴史をもつが最近、主要マーケットを4つの柱にわけてチームをつくりノウハウや情報を集約している。カード事業を通じて、企業同士をつなぐ役割にも期待がかかる。
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