2016年3月21日
2016年3月21日付 第2880号
1面
【自民 日本再生本部】
消費税 見送りなら〝期限〞 英の時限減税を紹介
気鋭のエコノミスト 「景気じわり悪化」
自民党の日本経済再生本部(本部長=稲田朋美政調会長)は10日の会合で、上野泰也・みずほ証券金融市場調査部チーフマーケットエコノミストと永濱利廣・第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト、そして内閣府から「経済情勢と内外のリスク要因」を聴取した。2人のエコノミストは安倍晋三首相に近い。質問のトップに指名された山本幸三議員が「内閣府から景気は底堅いとの説明だが、既に景気は底割れしているのは明らか。消費税率の引き上げが景気を悪くしてデフレ脱却ができなかった」と主張、エコノミスト両氏も「来年度の名目賃金はマイナスの可能性」で「景気浮揚力は弱い」との見通しだ。
2面(地域総合)
廃業させない「板橋モデル」
区企業活性化支援センター 研修会で実績報告
中小企業の廃業ラッシュが続いているなかで、注目されている支援モデルがある。東京・板橋区立企業活性化センターの経営改善チームが実践する「板橋モデル」だ。チームの取り組みや実績を報告する研修会が開かれ、金融機関行職員が多数集まった。講師は同センター長の中嶋修氏。「経営者の合意と覚悟があれば、どんなに悪い状況の企業でも支援する」と、専門家、支援期間との見事な連携プレーで成果を上げている。
3面(地域総合)
【マスターカードシニア・バイス・プレジデント サラ・クインラン氏に聞く】
〝政府より早い分析〟提供 消費者動向レポート■専門家2000人が参画
日本展開 スタート 他国での経験生かす
マスターカードが国内消費者動向レポート「SpendingPulse」(スペンディング・パルス)の日本展開を開始した。自社決済網で売買された匿名データと現金支払いや他社カードデータを含め世界約2000人の専門家が関わり高精度のレポートにする。政府統計データよりも2週間早く、ほぼ合致するデータが入手できる。2月にローンチしたオーストラリアからニューヨークへの帰路でサラ・クインラン氏にダラスとの中継で話を聞いた。
4面(大手行・証券・保険)
不動産ノンリコースに傾斜配分 新生銀
利回り縮小なお魅力 地銀と協働 REITにも着目
新生銀行は2016年度から、無担保ローンと並んでストラクチャードファイナンス(不動産ファイナンスおよびプロジェクトファイナンス)を成長分野と位置づけ、経営資源を傾斜配分する。足もと約5000億円の残高がある不動産ノンリコース(非遡及型)ローンを含めた全体の営業性資産残高は、15年度末で約1兆2500億円となる見込み。今後も毎期2000億円前後の新規実行を視野に入れるとともに、比較的スプレッドが確保できるノンリコースローン分野に魅力を感じる地域金融機関との協働も進めていく方針。
5面(地銀)
新頭取に川村常務 横浜銀
初の生え抜きトップ
初の生え抜きトップ
横浜銀行は16日開催の取締役会で、川村健一取締役常務執行役員(56)が頭取に昇格する人事を内定し、横浜市の同行本店で会見を開催した。寺澤辰麿頭取(69)は退任し、同行と東日本銀行の経営統合で4月1日に発足する共同持ち株会社コンコルディア・フィナンシャルグループの社長に就任する。川村氏は6月の同行の定時株主総会開催後に就任する予定だ。同行としては初の生え抜き頭取の誕生となる。
6面(特集)
【東海地区信用金庫特集】
〝女性活躍推進〞へ準備着々
昨年8月末に「女性活躍推進法」が成立した。女性の活躍は成長戦略の柱と位置づけられ、1985年の男女雇用機会均等法以来の大改革となる。従業員301人以上の企業は数値目標を含む行動計画の策定や公表が求められるが、金融機関では「わずか半年の準備期間で女性行員をめぐる戦略を決めろというのは性急すぎる」、「前倒し就活への対応で手いっぱいだ」などと恨み節も聞こえてくる。ただ、女性の積極的な登用は学生への格好のアピールにもなる。東海地区信用金庫に様子を聞いた。
豊田信金 パパママ応援セミナーで子育ても後押し
豊川信金 まずは有給取得アップと残業削減
高山信金 「女性だけのプロジェクト」発足
三島信金 職域拡大 5年間で確実に前進
7面(信金・信組)
経営改善5テーマ提言 半年間の研究発表 高齢化ニーズなど
大阪シティ信金■諮問委
【大阪】大阪シティ信用金庫(本店=大阪市)は8日、本店で「諮問委員会答申発表会」を開いた。同信金が事前に示した融資推進戦略と商品開発、高齢化ニーズに応える新商品の開発といった5つのテーマについて6カ月間にわたって研究した内容を、登壇した幹部らが経営陣や職員に向けて発表した。今後は関係部署などと意見交換をしたうえで、具体化に向けた詰めの作業に入る。
8面(文化)
【Runner】 JCB地方創生支援室
銀行主体の地方創生 「面」で支援
インバウンド誘致へ永続的サービス提供
域内消費の循環モデルも
ジェーシービー(JCB)が昨年夏、業務推進部のもとで「地方創生支援室」を立ち上げた。現状のように国をあげての取り組みが叫ばれる以前から「地方」に着目してきたJCBだが、金融機関が主体となり地域活性化に関わるようになったことで、「パートナーとして支援ができる」との思いをさらに強めた。東京五輪決定後、政府もキャッシュレス化に本腰を入れたこともあり決済面でのソリューション提供なども武器のひとつだ。武井拓哉室長は「銀行が立体的に動ける『面』のサポートを」と話す。域内消費の循環を促すエリアカードにも力が入る。