2016年2月22日
2016年2月22日付 第2877号
1面
フィンテックどう対応 自民金融調査会が論点整理骨子案
金融サービスに劇的変革 根本会長「銀行法、都度に見直す」
自民党金融調査会(会長=根本匠衆院議員)は12日の会合で、「フィンテックの論点整理骨子案」を①現状の評価②「影響」への見通し③海外の動き④利用者保護や安全性―の4点にまとめた。この部会の冒頭あいさつで根本氏は「フィンテックの金融に及ぼす影響は大きく、(新分野が出る)都度に銀行法を見直す」と述べ、積極的にかかわる方向を示した。
2面(地域総合)
ソーシャル事業者を全面サポ―ト 日本公庫 巣鴨信金 東京信金
都内初、総合戦略で豊島区と包括協定
日本政策金融公庫、東京都豊島区に本店を構える巣鴨信用金庫と東京信用金庫は4日、豊島区と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で業務連携・協力に関する包括協定を締結した。総合戦略において都内23区で金融機関と連携するのは豊島区が初めてとなる。地域社会の課題解決や人口維持・地域活性化をめざすソーシャルサービス事業者を全面的にサポートするのが狙いだ。人口急減・超高齢化という大きな課題に本腰を入れて取り組んでいく。
3面(地域総合)
マイナス金利に対抗 遠賀信金 〝引き上げ定期〞販売
店頭表示金利の6倍顧客に広がる不安払しょく
遠賀信用金庫(本店=福岡県水巻町)は日銀が金融機関の当座預金金利をマイナス0.1%に引き下げた16日に合わせて、通常より金利を引き上げた定期預金の募集を始めた。日銀の「マイナス金利政策」の影響で、メガバンクや地方銀行などで預金金利の引き下げの動きが広がる中、異例の取り組み。岡部憲昭理事長は「マイナス金利で顧客に不安感が広がっている。この商品を販売することで、安心してもらいたい」と話す。
4面(大手行・証券・保険)
「変動証拠金管理」一手に 三菱UFJ信託「コラテラルマネジメント」
店頭デリバ規制に対応 1年後に適用迫る
三菱UFJ信託銀行は店頭デリバティブ取引にかかる国際金融規制に対応した新サービスの提供を15日から開始した。同社が筆頭株主で資産管理業務を専門に取り扱う日本マスタートラスト信託銀行とともに、非清算集中取引の変動証拠金(VM)管理に関する一連の事務をアウトソースサービスとして提供する「コラテラルマネジメントサービス」を構築。その第1号に日本生命が採用した。VMにかかる規制の導入が17年3月に迫っていることに加え、規制の対象取引はさらに拡大される見込み。同社のサービスはフルパッケージで提供されるため、自行対応の負担軽減につながる地域銀行においても関心が高まりそうだ。
5面(地銀)
【紀陽銀 頭取 松岡 靖之氏インタビュー】
本部機能の一部を大阪へ
みずほ銀との提携後はPFI事業などに着手
【大阪】2015年6月に就任した紀陽銀行頭取の松岡靖之氏。少子高齢化を受けてマーケットが縮小すると予想される和歌山県で、「活性化は最大のミッションである」と熱く語る。昨年10月にはみずほ銀行と「和歌山県の地方創生に関する協定」を締結するなど、メガバンクと地方銀行が一体となった地域活性化にも動き出した。松岡氏に話を聞いた。
6面(信金・信組)
成長分野融資に知財活用 岐阜信金
三菱総研のレポートで客観的判断
【名古屋】岐阜信用金庫(本店=岐阜市)は今月から、成長分野融資に企業が保有する知的財産権を活用する仕組みを新たに導入した。三菱総合研究所と連携し、三菱総研の企業特許レポートを融資判断の参考資料に利用する。全国の信用金庫では初めての試みだという。
7面(信金・信組)
女性活躍 「対外宣言」 川崎信金
連続休暇なども制定
女性の活躍推進を宣言する信用金庫が徐々に増えている。厚生労働省のポジティブ・アクション普及促進に賛同する企業として、経営トップが自社の女性活躍推進について宣言する情報ポータルサイトには、今月1日時点で計47信用金庫が「宣言」済みで、直近では川崎信用金庫(本店=川崎市)が同サイトに名を連ねた。同信金は、女性職員の▽就業継続支援▽職域拡大▽管理職登用―といった核となる目標を打ち出し、今後3年間で幹部管理職の予備軍となる職員を2ケタで増やす方針を示した。
8面(文化)
【Runner】 日立製作所
フィンテック分野第一弾始動 モバイル型キャッシュカードサービス
金融機関のユーザー目線重視
日立製作所(日立)は、スマートフォンを用いてキャッシュカードを使わずにさまざまな金融取引を実現する新たな金融機関向けのソリューションサービスの提案を昨年12月から本格的に始めた。このサービスは金融機関のキャッシュカードの情報をスマホに格納することで、高度なセキュリティを実現した。最大の強みは手続きの迅速性や利便性で、仮にカードを持ち忘れてもATMなどの利用が可能だ。