2月
【124】2016年2月22日付 フィンテック最新事情⑦
英・米の「国家間競争」オープンAPI
前号(2月8日版)でフィンテックは、「フィナンシャルイノベーションを銀行の外から実現させる使命を持つ」と紹介した。どのように革新的な金融サービスや商品をフィンテックは開発できるのか、2つのシナリオがある。
その1は、銀行が全く手を付けていない金融商品・サービスを開発する。銀行に代わる第三者の金融サービスプロバイダーとして金融マーケットにイノベーションを起こす。
その2は、既存の銀行商品・サービスを、より改革して、便利で、使いやすく、簡単な操作で、顧客に好まれるイノベイティブな商品サービスにする。
このようなシナリオを実現させるフィンテックへの支援が、民間金融機関や各国の政府から実施されるようになった。
とくに英国では、フィンテックの立ち上げ支援のためのプロジェクト・イノベーション、銀行のデータ/プロセスに第三者がアクセスできるようにするためのオープンAPIを標準化する、オープンバンキング・ワーキンググループ(OBWG)が14年から始まっている。
・・・続きは紙面に掲載
【123】2016年2月15日付 フィンテック最新事情⑥
再認識される「特許」価値
アメリカン・バンカー紙(昨年7月)は「銀行特許の急激な増加の背景には何があるのか」の見出しで、2014年に米銀大手行のバンク・オブ・アメリカが232件、JPモルガンは95件と積極的にビジネスモデル特許を取得していると報道した。その記事は、2014年レポート「大手銀行とビジネスモデル特許」(カトリック大学コロンバス・ロースクール)を参照にしたものだ。
フィンテックの議論をする際、必ず出る言葉「イノベーション(改革)」を、同レポートの中ではフィナンシャルイノベーション」と説明する。この概要を紹介する事で「フィンテックの位置付け」と「ビジネスモデル特許」戦略の重要性を、理解してもらいたい。
フィナンシャルイノベーションは、次のように定義する。
「コストやリスクを削減する何か新しいもの、もしくは参加者の要望をより満足させることのできる、改良し、強化された商品。サービス/ツールを提供すること」。
フィンテックの議論をする際、必ず出る言葉「イノベーション(改革)」を、同レポートの中ではフィナンシャルイノベーション」と説明する。この概要を紹介する事で「フィンテックの位置付け」と「ビジネスモデル特許」戦略の重要性を、理解してもらいたい。
フィナンシャルイノベーションは、次のように定義する。
「コストやリスクを削減する何か新しいもの、もしくは参加者の要望をより満足させることのできる、改良し、強化された商品。サービス/ツールを提供すること」。
・・・続きは紙面に掲載
【122】2016年2月8日付 フィンテック最新事情⑤
ダボス会議でも話題の中心に
毎年1月に世界を代表する企業や各国の政治家、学者、非政府組織(NGO)を招き開催する年次総会(ダボス会議)、世界経済フォーラムが1月20~23日に開催された。
金融のパネルディスカッションで必ず出てきた言葉は、昨年のレギュレーションから、今年はフィンテックに変わった。
今年初めてTransferwiseやPaypalなどの少数のフィンテックが参加した。
報道された発言の多くは世界を代表する大手金融機関からの参加者の意見である。これらを代表してロイズ銀行のインガ・ビールCEOが寄稿した意見(概要)を紹介する。
「fintech革命に生き残り、成功するには…」フィンテックは「我々の救世主、我々の考えを覆す革命の力。 また我々を破壊する、もしくはのけ者にするとの脅威を与えるイノベーション」だとする。
では世界経済のエンジンであるグローバル金融機関は、これにどのように対応するのか?それは、次の①参戦②買収③展開がキーワードである。
金融のパネルディスカッションで必ず出てきた言葉は、昨年のレギュレーションから、今年はフィンテックに変わった。
今年初めてTransferwiseやPaypalなどの少数のフィンテックが参加した。
報道された発言の多くは世界を代表する大手金融機関からの参加者の意見である。これらを代表してロイズ銀行のインガ・ビールCEOが寄稿した意見(概要)を紹介する。
「fintech革命に生き残り、成功するには…」フィンテックは「我々の救世主、我々の考えを覆す革命の力。 また我々を破壊する、もしくはのけ者にするとの脅威を与えるイノベーション」だとする。
では世界経済のエンジンであるグローバル金融機関は、これにどのように対応するのか?それは、次の①参戦②買収③展開がキーワードである。
・・・続きは紙面に掲載
【121】2016年2月1日付 フィンテック最新事情④
どう使われるのか、新サービス
「米国にはドルが、英国にはポンドがある。米国に大統領が、英国には女王がいる」「今それにもうひとつの違い、フィンテックで脚光を浴びるP-to-Pレンディングの世界、が加わった」。アメリカン・バンカー紙(昨年6月5日付)は、P-to-Pレンディングの世界での「お国柄」の違いをこのように解説した。
05年に英国で生まれたP-to-Pレンディングは、国民が有利な投資先(お金を貸す)を選択できる仕組みに使われている。これに対し、13年後半に急拡大していく米国では、機関投資家にとって有利な投資に活用されている。融資と投資の規制の違いで、英国の最大手ZOPAが一時期米国に進出したが撤退したことでよく知られている。
このように、フィンテックのサービスは、それぞれの国によって評価が違うようで、受け入れられるとは限らない。
フィンテックについては数多くの調査分析レポートが出ている。しかしそれは、マーケットで言えば「供給サイド」の話でしかなく、フィンテックのサービスを「需要サイド」、実際に使っているのかを分析した調査レポート(FinTech Adoption
05年に英国で生まれたP-to-Pレンディングは、国民が有利な投資先(お金を貸す)を選択できる仕組みに使われている。これに対し、13年後半に急拡大していく米国では、機関投資家にとって有利な投資に活用されている。融資と投資の規制の違いで、英国の最大手ZOPAが一時期米国に進出したが撤退したことでよく知られている。
このように、フィンテックのサービスは、それぞれの国によって評価が違うようで、受け入れられるとは限らない。
フィンテックについては数多くの調査分析レポートが出ている。しかしそれは、マーケットで言えば「供給サイド」の話でしかなく、フィンテックのサービスを「需要サイド」、実際に使っているのかを分析した調査レポート(FinTech Adoption
Index)がアーンスト・アンド・ヤング(E&Y)から公表されている。
・・・続きは紙面に掲載