2015年10月12日
2015年10月12日付 第2861号
〈2面〉「フェリカ2015」公開 国内初、次世代チップ ソニーとSTマイクロ 共同開発
2020年の東京五輪に向けて決済環境が大きく変革する。1チップ技術で複数の非接触アプリケーションを搭載した国内初の次世代クレジットカードが実用化されるのだ。これにより複数カードを持たなくても1枚だけで決済可能となる。ソニーと海外半導体メーカーが共同開発中で、2日に東京・渋谷で開かれた「フェリカ2015」では開発中の多機能カードが公開され注目を集めた。デュアル化が促進されることで、大きなビジネスにつながると期待も大きい。
〈3面〉手のひらで決済認証 JCB 静脈情報を活用、世界初 今月 海外で実証実験
〈4面〉米国企業の買収加速 大手生保 第一生命 初の案件 他社の動向にも注目
大手生保の活発な米国企業買収が続いている。1日には第一生命の子会社が米国保険会社の事業の一部を買収することが明らかになった。一時期、熱視線を送っていたアジアと比べ、米国は世界最大の保険大国ともいわれ、早期に利益への貢献が見込めることや少子高齢化で収益源の多様化を重要視していることが背景にある。三井生命を子会社化したばかりの日本生命をはじめ、中堅生保の動向にも注目が集まっている。
〈5面〉地銀株価、堅調を維持 上半期、5割超がプラス 下半期には不透明感も
2015年度上半期(15年4月〜9月)の地域銀行の株価は、前年度ほどの騰勢は見せなかったものの、比較的堅調な地合いは維持した。全体の過半が株価の上昇を示し、同期の日経平均株価の値動きと比べても、その水準を上回る地銀は8割を超えた。ただ、下半期については見方が分かれる。PERなどからみて割安感があり、年度末にかけて新たに高値を追うという楽観派がいる一方、中国経済の先行き懸念や米国の利上げ観測といった要因から波乱の展開になるという向きもあり、地銀株についても予断を許さない。
〈6面〉広がる無担保住宅ローン 岐阜県内信金 融資額や金利で知恵絞る 岐阜信金は「働く女性」に照準
【名古屋】岐阜県内の信用金庫が無担保住宅ローンの推進で競い合っている。リフォームしたいが住宅価値が目減りし、必要資金が借りられない場合などに効果を発揮する。金利は高めだが、登記事務のわずらわしさがないのが支持されている。関信用金庫は取引ぶりによって金利を引き下げる。東濃信用金庫は最大2000万円まで借りられる。今月から参入した岐阜信用金庫は女性をターゲットに金利を優遇する。地銀とも競合しており、各信金の知恵を絞り合いになっている。
〈7面〉経営支援が「好循環」 島田信金 理事長 市川 公氏に聞く
市の創業補助金に貢献
島田信用金庫(本店=静岡県島田市)が勢いづいている。6日に島田市と地方創生に関して連携協定を結び、県中部の信金としては初めて、市と単独での協定を実現した。2年半前に設置した専門部署を中心にした活動が評価された格好。6月に就任した市川公理事長は、次の展開を見据え次々と構想が湧き出てくる、といった様子だった。 (3面記事を参照)