2015年8月10日
2015年8月10日付 第2853号
〈4・5面〉【デジタル化時代の金融】
競争かフィンテック協働か 高利便・低コスト売りに台頭 向き合う邦銀、次の手は
FinTech(フィンテック)が台頭している。情報通信技術(ICT)の発展で、モバイル決済やオンライン送金といった決済分野を中心に、新しいソフトウエアやソリューションを開発したベンチャー企業などが、高い利便性と低コストを売りに金融サービスを提供している。既存の金融機関にとって、フィンテックは競争相手か、それとも手を組むベストなパートナーなのか。米国の先行事例などを合せて紹介する。
〈6面〉総力戦で金融機関支援 保険の「製販分離」有効モデルに
第一フロンティア生命 金井洋社長
金融機関の保険窓販専門会社としても、第一生命グループ内でも確固たる存在感を示す第一フロンティア生命。今年4月に新トップに就いた金井洋社長は「保険の製販分離の有効なビジネスモデルになった」と自負する。保険料収入、いわゆる売り上げはもとより、今年度は単年度黒字を実現し、グループ利益にも貢献する見込みだ。積極的に金融機関を回るトップセールスにも余念がなく、顧客、金融機関代理店、自社の「三方良し」への思いを強くしている。
〈7面〉ダイバーシティ推進支援 千葉銀 日本公庫と連携 新融資設け拡大目指す
千葉銀行は7月29日から、日本政策金融公庫の千葉県内4支店(千葉・館山・松戸・船橋)と連携し、ダイバーシティの推進に積極的な事業者を金融面で支援する取り組みを開始した。千葉銀が新たな融資制度を設け、日本公庫も既存制度の要件を拡大し、ダイバーシティの推進を千葉県全域に広げることを目指す。千葉銀は独自の行動宣言を策定するなど、ダイバーシティ経営を鮮明に打ち出しているが、事業者に対するサポートも強化していく。
〈8面〉【世界遺産で地域支援】
地域で始まる活性化 「世界遺産」登録契機に
信用金庫など地域金融機関の間で、地域の文化的施設などが世界文化遺産の登録認定を受けたことを機に、営業エリアの活性化につなげようとする試みが活発になっている。今年7月5日に登録が決まった「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」は8エリア、23施設で構成され広い範囲にまたがっていることから、施設がある地域の信金では共同での企画が浮上するなど、新たな取り組みも出ている。2016年にも世界遺産の登録が行われる見通しにあり、登録認定が期待される施設のある地域の金融機関では定期預金の発売などで地域の盛り上げに一役買っている。