2015年8月3日
2015年8月3日付 第2852号
自民党関係者によると、今国会に上程する見込みのあった「休眠預金法案」の提出は、見送られた。同法案は超党派で検討が進み、民主党など野党も巻き込み与党内での議論も進んできていた。しかし、参院での安保法案への野党の追及は厳しく、同法のような「与野党合意法案」を審議する余裕はなくなった。賛成の中心だった野田毅税制調査会長が否定的な立場に転じるなど、絶望的な情勢となった。法案はそのまま廃案となる。
〈3面〉大手地銀で商品強化 投資用不動産融資 中小企業経営者など 富裕層向けに推進 将来の資産形成
投資用不動産など収益物件に投資資金を貸し出すローン商品を強化する金融機関が増えている。地銀大手は主に富裕層を中心に推進しているが、年金不安や景気回復などを背景に、給与所得者でも将来の資産形成を目的にした利用意向には根強いものがある。低金利環境にあって、通常の住宅ローンに比べてぶ厚い利幅は魅力的。ネット専業や新興系銀行も取り扱いに前向きだ。
〈4面〉ロボット関連株に投資 日興アセット 公募国内初 25~40銘柄選定 成長産業、市場に活気
日興アセットマネジメントは、世界各国の株式のなかから今後の成長が期待されるロボティクス関連企業の株式を中心に投資する「グローバル・ロボティクス株式ファンド」を31日に設定、運用を開始する。日本をはじめ各国政府はロボットを活用して国際競争力を高める政策を打ち出しており、ロボット業界は長期にわたって魅力的な投資対象になると判断した。同社の調べによれば、投資先産業をロボット業界に絞った公募投資信託の組成は国内初という。
〈5面〉大規模災害で防災協定 愛知県地銀3行と名古屋市 店舗で被災者受け入れ
【名古屋】愛知県が地盤の名古屋銀行、愛知銀行、中京銀行の地域銀行3行は、名古屋市と大規模災害発生時の防災協力協定を結んだ。各行の幹部と名古屋市の吉川開二・防災危機管理局長が7月24日、協定書に調印した。南海トラフ巨大地震を想定、銀行店舗や駐車場を被災者に開放、避難場所で出前方式の金融相談にも応じる。営業店に海抜表示シールを貼り、市民に防災意識を高めてもらう。
海抜表示シールを持つ名古屋市の吉川開二・防災危機管理局長(左端)と3行幹部
〈6面〉三位一体で地域活性 さがみ信金 公庫・保証協会と包括的に
さがみ信用金庫(本店=神奈川県小田原市)は7月27日、日本政策金融公庫および神奈川県信用保証協会との間で、「業務連携・協力に関する覚書」を同信金本店で締結した。これにより、日本公庫の全3事業に保証協会の機能が加わり、地域経済の活性化を図る、より実効性の高いスキームを整えた。同信金
は4月に「地域元気創造部」を新設するなど、活性化に向けた態勢を強化している。包括的な連携・協力を機に、その取り組みのテンポを加速していく考えだ。
〈7面〉見守りサービス開始 東濃信金 年金受給者の不安軽減 綜合警備保障と提携 10月には遺言代用信託も
【名古屋】東濃信用金庫(本店=岐阜県多治見市)は綜合警備保障と提携し、月内にも年金受給者向けに見守りサービスを始める。体調が悪いなどの際に通報するだけでなく、徘徊や転倒事故など高齢者の異常事態を察知し、駆け付ける。東濃信金は機器の設置費用などを負担する。高齢者の不安を軽減することで年金口座の獲得に結びつける。
奈良の魅力を海外へ発信 外国人観光客の変化こそがチャンス インバウンド推進で地域活性化
【大阪】南都銀行は7月13日、奈良商工会議所で「第4回観光力創造塾」を開催した(協力南都経済研究所)。120人の観光関連業者などが参加した。外国人観光客が増える中でいかにインバウンドを推進するか―のポイントを聞くとともに、旅館の女将には外国人客との実際の接し方などを学んだ。中南友也・公務・地域活力創造部長は「奈良県ではインバウンドは最大の課題。講演を契機に地域活性化につなげてほしい」と語った。
約120人の観光関連業者が参加