8月
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【59】2014年8月25日付 サイバーリスク最新事情
ハッカー攻撃にさらされる中央銀
欧州中央銀行(ECB)は欧州連合加盟27カ国の中央銀行として1998年6月にユーロ圏最大の金融センター、フランクフルトに設立された。そのECBは7月24日に「公共向けのウェブサイトから個人の電子メールアドレスやコンタクト情報が盗まれた」と発表した。盗難データはECB内部のシステムとは隔離されていたデータベースからのもので、金融市場のセンシティブなデータまでは盗まれていないと確認されたが、中央銀行からでさえ、個人情報がハッキングされた初のケースとなった。
中央銀行へのサイバーアタックの最近の事例では、昨年12月に中国の中央銀行People’s Bank of Chinaがビットコインの取り扱い禁止を発表した直後、ウェブサイトがサイバー攻撃を受け、一時サービスを停止する被害を受けた。
今年3月にはロシアの中央銀行Bank of Russiaが金利決定会議の結果をウェブサイトに発表する予定だったその2時間前に、ウェブサイトがサイバー攻撃を受けて混乱した。この背景にはウクライナ問題があり、クレムリンのウェブサイトも同時にアタックされている。
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【58】2014年8月4日付 サイバーリスク最新事情
データ漏えい事件 その後
昨年11月27日から12月15日のクリスマスのショッピングシーズンに流通業界のTargetストアで起きたデータ漏えい事件(当欄32号、38号参照)。POSシステムから4,000万件、データベースから7,000万、合計1億1,000万件のペイメントデータおよび住所・氏名の個人情報漏えいであったが、間接的に銀行業界に与えたインパクトは大きかった。
銀行業界ではカードの再発行などで約200億円規模の損害であると言われている。今年に入っても同様の被害が全国チェーンストアをターゲットに、サリー・ビューティ(3月)、マイケルズ(4月)、ドミノピザ(フランスとベルギーの顧客データ、6月)、P.F.チャン(中華レストラン、6月)、グッドウィル・インダストリー(7月18日現在被害状況調査中)と5件も発生しているとアメリカンバンカー紙で報道している。
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