KVH・MarketPrizm
金融営業部部長 松本 大輔氏・ディレクター Jay 香川氏
2015年7月13日付 第2849号
1万分の5秒の勝負 電子化進む金融市場
ロンドン証券取引所COLT傘下で長期金融市場や資本市場いわゆるキャピタルマーケットのプレイヤーにサービスを提供するKVH。電子化が進むほどに取引はスピード勝負になり、0.0005秒の駆け引きの世界だという。グローバルでの公設、私設マーケットと投資家、その間に立つ証券会社、さらに情報ベンダーなどの関係者に向け優位性のあるITプラットフォームを構築する。金融営業部の松本大輔部長は「国内取引所も使い勝手の良さを追求し新しい投資家を呼び込んでいる」と説明。パートナーを組むMarketPrizmのJay香川ディレクターは「新サービスも構築中。英語でのサービス提供も強み」と重ねる。
―金融業界での狙いを。
松本 マーケットの好転もありHFTと呼ばれる高頻度取引の需要が非常に伸びている。スピード勝負になるほどネットワーク、プログラム、サーバーなどITへの依存度は大きい。「低遅延」と呼ぶ超高速のネットワーク回線の構築、それらを収容するデータセンターなどを含めたITプラットフォームをトータルサービスとして提供。高いサーバーの処理能力、いかに取引所との距離を短くして回線を引きネットワークをつくりあげるか、などより速く安全につなぐ電子トレーディングを実現する。
―MarketPrizm社の役割は。
香川 今年中に新サービスのPrizmNetを立ち上げる。航空業界のSITAの金融バージョン。SITAは航空データ通信の運用方式や技術基準を確立、関係先をグローバルネットワークで結び安全や定時性を確保する仕組みだ。これをマーケットプレーヤーのネットワークに置き換えるイメージ。金融専用の接続サービスPrizmNetは、取引参加者や投資家にコンテンツを低遅延で安全に提供し、市場を取り巻く事業者をプライベートネットワークで結んだファイナンシャルコミュニティーに取り込む。一つの通信基盤で複数の対抗先との接続が可能であり、フロントオフィスからバックオフィスまで幅広い用途に使用できる。Colt、KVH、MarketPrizm3社に蓄積されたノウハウを組み合わせて可能にした。
・・・続きは紙面に掲載