2015年4月13日
2015年4月13日 第2838号
〈1面〉20年に活用実現も 休眠口座 マイナンバー利用など難問山積 公明PT・部会では初会合
公明党は2日に「休眠口座活用検討プロジェクトチーム、内閣部会、財政・金融部会合同会議」を開き、同党として初の休眠預金口座の党内議論を平場で行った。休眠口座の検討は前通常国会から超党派の実務者協議が数回開かれ、「骨子案=未定稿」がすでに示されている。この法案が議員立法により国会で了承されれば「2020年のオリンピック前には制度がスタートできる」(衆院法制局)見込み。年間500億円のピッチで金融界に積み上がる休眠預金は、同時期に本格化してくるマイナンバー制度との関係が最も注目されてきている。すでにマイナンバー制度は、改正預金保険法で預金保険機構を使うと法定された。
〈2面〉被災地に〝動く営業店 東邦銀 復興を金融面で支援
窓口機能を備えた移動店舗車
〈3面〉地域金融と連携拡充 信託専業会社 相続対策のニーズに対応 提携先増、営業エリア拡大
信託会社が地域金融機関への連携を強めている。高齢化社会の進展に伴う相続対策への対応の高まりが背景にある。相続業務は煩雑なこともあり、外部に委託しようとするニーズが高まっている。こうした状況を商機とみて、提携先数を増やしたり、営業エリアを拡大するなどして、攻勢をかける会社が増えている。
〈4面〉女性役員、続々と誕生 ダイバーシティ推進 次世代育成のモデル示す
大手生損保で新女性役員が続々と誕生している。政府が「女性活躍推進」を成長戦略の柱、と明確に位置付けたことにくわえ、生保業界では営業担当者のほとんどを女性が占めていることも背景にある。「女性活躍の下地があり、反映できる経営目線も多い」(大手生保関係者)という。第一生命、明治安田生命、住友生命、あいおいニッセイ同和損保では初の女性役員就任。ひとつのモデルケースを示すことで、増えつつある管理職候補者といった次世代育成の一助となる期待もかかる。
〈5面〉地銀株価、堅調に推移 14年度実績 今後は金利リスク懸念も
2014年度(14年4月〜15年3月)の地域銀行の株価は堅調に推移した。前年度末に比べると、全体の95%が株価の上昇を示した。アベノミクスの失速懸念で年度前半は軟調だったが、昨年10月の日銀の追加緩和により市場が一気に活況を取り戻し、地銀株もその流れに乗った格好だ。市場では一段の株高を見込む声が支配的だが、今後の金利リスク発生への不安感も根強く、安易な楽観論を危険視する向きも少なくない。
〈6面〉周年迎え多彩な施策 全国28信金・信組 育英基金、健康体操
2015年度に信用金庫は18金庫、信用組合は10組合の28機関が周年(10年周期ベース)を迎える。信金では90周年、信組は60周年が多く、地域的には、信金・信組とも東日本以北での割合が比較的高い―などが特徴。各信金・信組では、地域、取引先への感謝として、趣向を凝らした記念事業やイベント、記念商品などを準備している。
〈7面〉「変革求めた決断だった」 名称変更から1年3カ月 業容、採用面で顕著な成果
かながわ信用金庫 平松廣司理事長に聞く
かながわ信用金庫 平松廣司理事長に聞く
1991年9月に合併して以降、23年間使い続けてきた「三浦藤沢信用金庫」の名称を、2014年1月に「かながわ信用金庫」に変更した。合併などを経ずに金融機関名を変える極めて異例な対応は注目を集めた。それから1年3カ月が経過した現在までに、名称を変更した効果はすでに出ているのか。改めて決断に至った背景、今後の経営方針などについて平松廣司理事長に聞いた。
〈8面〉『Runner』 尾西信用金庫 「ひつじプロジェクト」で再興
羊をキーワードに地域の元気を取り戻す 新作料理や海外との交流も
尾西信用金庫(本店=愛知県一宮市)が一味違ったスタイルで地域活性化に力を入れている。「138ひつじプロジェクト」がそれだ。かつては繊維の街として栄え、「毛織物工業・一宮」の名を全国に轟かせていたが、化繊の流行や海外との価格差で後退。「せんい団地」などの地名の端々から当時の隆盛を垣間見るだけで、繊維業者は数を減らしている。かと言って基幹産業にも乏しく一宮を印象付けるシンボルに欠ける。そこで立ち上がったのが同信金。ジンギスカンや新作料理など衣食住で羊をキーワードに地域の盛り上げに奮闘している。目標は「一宮市=羊の街」だ。
大いに盛り上がったオーストラリアの畜産業者との交流会