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2015年3月9日

2015年3月9日付 第2834号

〈1面〉「小泉郵政」の轍は踏まず 安倍「農協改革」 税恩典 新体制に温存
 
 「農協法改正」で、全国農業協同組合中央会(全中)は、全国銀行協会(全銀協)と同様に今までの「公益法人」から「一般社団法人」に衣替えすることになり、この結果、課税団体となった。しかし、傘下の都道府県農業協同組合中央会(県中、厚生連)などは公益法人のまま残ることになった。安倍内閣の「抜本改革」は、政治的に後を引いた「小泉郵政改革」の経験を踏まえ、同じ轍は踏まなかった。事実上の非課税団体をほとんど残す「実」をとり、全中が「名」を捨てた、高度な妥協というのが実態だ。

〈2面〉「被災地の未来を考える」日本財団 東北5信用金庫 シンポ、討論会、支援事業経過報告も
 
 日本財団は3日、同財団ビルで東北の5信用金庫(宮古・石巻・気仙沼・ひまわり・あぶくま)と共催しシンポジウム「東北復興のカギを握る地域金融機関と被災地の未来を考える」を開催した。同財団は復興支援の一環として5信金と連携し「わがまち基金」プロジェクトを展開している。今回のシンポはその成果発表と今後の被災地の復興に関する課題を議論するために行った。
 
復興支援について熱く語ったパネルディスカッション(左から熊崎貴之・復興庁統括官付参事官補佐、吉川直孝・宮古信用金庫総合企画部業務推進課課長代理、藤村栄治・気仙沼信用金庫復興支援課課長、榊原正多・ひまわり信用金庫経営支援室室長、荻上健太郎・日本財団「わがまち基金」推進チームチームリーダー

〈3面〉地方創生、積極的参画を 内閣府「まち・ひと・しごと創生本部」
 
 地方創生の取り組みが動き出した。政府の「まち・ひと・しごと創生本部」は2月に、各地の財務局・財務支局で説明会を開き、金融機関に地方創生に向けた積極的な参画を要請した。ただ、金融機関からは「どういうスタンスで臨めばいいのか測りかねる」との声もある。金融機関が地方創生にどう臨めばいいのか検討した。

〈4面〉公的資金完済 3年前倒し りそなHD中計 総返済額3.4兆円注入額上回る
 
 りそなホールディングス(HD)が2003年に実質国有化されてから約12年を経て公的資金を完済する道筋をつけた。同社は2月27日、残存する公的資金を6月の株主総会後に前倒しで完済する計画および今後の資本政策を含む2015年度から3カ年の中期経営計画(健全化計画)を発表した。足元の業績が堅調に推移していることから、従来の計画より3年前倒しで残額1280億円を返済する。完済を踏まえ、資本の実質的交換を通じ、既存の自己資本構成を見直すとともに、普通株等Tier1比率で8%を安定的に上回る水準を目指す。株主還元にも動く。

〈5面〉地銀に持続可能性向上求める 金融庁 リスク管理態勢強化も
 
 金融庁は地域銀行に対し、経営のサステナビリティー(持続可能性)を高める方策を真剣に検討することを求めている。特に、貸出が伸び悩む中、各行は債券や株式の運用などで収益を上げているが、現在の金利環境が今後激変することも予想され、リスク管理態勢の強化が重要な課題と指摘している。また、規模の小さな地銀には、他行との差別化戦略により生き残りを図るよう要請している。

〈6面〉地方創生を応援 京都北都信金 京都信金
 
 【大阪】京都北都信用金庫(本店=京都府宮津市)と京都信用金庫(本店=京都市)は地方自治体が推進する地方創生を応援することを目的に、地方自治体との協働関係を強化する。京都北都信金は地方創生支援室を設置。京都信金は本部内に「京信・地方創生サポートデスク」を設けた。昨年末に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を受け、自治体では生き残りをかけた独自の戦略が求められている。金融機関が果たす役割は大きく、両信金では、今まで培ってきたサポート機能を生かしていく。

〈7面〉女性管理職登用へ新制度 さがみ信金 コース廃止、4年目で選択 挑戦できる環境整え
 
 さがみ信用金庫(本店=神奈川県小田原市)は2015年度から8年ぶりに人事制度を見直す。現行制度は入庫時に総合職か事務職かを選択するコース制を敷いており、女性職員の多くが選ぶ事務職では管理職にはなれない。来年度からは「入り口」時点での職種選択はなくし、ある程度の業務経験を積んだ入庫後4年目をめどに選択時期を設けるようにする。幅広い業務に女性職員を積極的に配置し、さらには管理職への登用を進めていく狙いだ。新制度の策定にかかわり、2月に新設部の部長に転身した飯野勇治・前人事部長は「意欲ある女性職員に(新制度によって管理職への道が開かれる)チャンスが広がるようにしていきたい」との考えを示した。

〈8面〉Runner 大阪彩都総合研究所 
  新企画で顧客ニーズに対応 弁理士や不動産鑑定など対応強化へ 相談は法律や労務がメイン

 2002年7月1日、大阪彩都総合研究所(OSRI)は旧摂津水都信用金庫の関連会社として発足した。会員に対するコンサルティング業務、景気動向調査、産学官連携事業、事業承継(M&A)や各種支援業務など事業内容は幅広い。
 14年2月の北おおさか信用金庫の誕生を前に100%出資の子会社として生まれ変わった。同研究所に話を聞いた。
 
 
万博記念公園のお祭り広場で開催した「うまいもん市」
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