2014年4月14日
2014年4月14日付 第2793号
〈1面〉道州制 新法で「先送り」
自民党道州制推進本部は2日に1年ぶりに総会を開き、執行部が新しい「道州制基本法案修正案(新法)」を説明した。新法は名称に「推進」を入れ、一方で前基本法の「道州制国民会議の答申後2年目途の法整備」を「速やかに、法整備その他の必要な措置を講ずる」に修文。会合後の会見で立案者の礒崎陽輔参院議員は「その他『の』必要な措置」に変更したため「措置をしてもいいし、しなくてもいいとなった」と説明、法案名の通り「議論は進める」が、実現可能性まで踏み込んだものとしない内容にした。道州制の議論は、数年前の離島行政のあり方で盛り上がった印象から一変、後退した。10日の2回目会合を前に、法案の検討さえも反対する市町村議会の動きが目立った。
〈2面〉日興アセット 配分比率 中立的に転換
日興アセットマネジメントは同社グループの各国拠点の運用担当者による「グローバル投資委員会」(GIC)が2年半にわたり維持してきたグローバル株式に対し資産配分の比率を高くするオーバーウエートのスタンスを中立的に転換した。3月初旬にこのスタンスを暫定的に決定したが、同月末のGICで確定させた。一部の市場においては株価上昇が予想されているが、市場を覆う不透明感が長引く様相を見せている。債券と株式の予想リターンにあまり差がないことを考慮し、債券に対しグローバル株式のスタンスを中立的にすることが妥当と判断した。
〈3面〉デビット利用拡大に余地 ジャパンネット銀調べ
2000年代に登場したデビットカード。「Visaデビット」と「J―Debit」がある。クレジットカードと比べ認知度は低いものの、銀行口座から即時払いができる機能を評価する声が多いことが、ジャパンネット銀行の調べで分かった。大手行の中には対象店でデビットカードを利用すると現金を還元するサービスを導入するなど、利用促進に向けたテコ入れを図っている。ジャパンネット銀では「決済手段が多様化し、利用シーンや収入形態など、それぞれのライフスタイルに合わせた支払い方法を選択しやすくなった現在、クレジットカード、現金のよさを兼ね備えるVisaデビットは今後の認知度の向上により、ますますの利用拡大が見込まれる」と指摘している。
〈4面〉13年度地域銀行株価 アベノミクス効果息切れ
2013年度(13年4月~14年3月)の地域銀行の株価は低調に推移した。前年度末に比べると、全体の約3分の2で株価が下落した。アベノミクスの恩恵で9割が上昇した前年度とは好対照を示した。アベノミクスの失速懸念や消費増税などの向かい風の中、今年度も厳しい状況が予想される。
〈5面〉ベトナム工業団地に出資 西武信金
西武信用金庫(本店=東京都中野区)はユニカホールディングス(本社=東京都千代田区、安見義矩社長)がベトナムホーチミン市に建設中の日系中小企業専用工業団地「ビーパン・テクノパーク」に500万円を出資した。同テクノパークはマネ―ジメント機能付のレンタル工場で、人事・会計・物流などの業務代行サービスをワンストップで提供できるのが特徴だ。西武信金は取引先企業の海外進出の候補先として紹介し、進出に必要な資金を融資するなど支援していく。信金業界での海外工業団地への出資は珍しく注目を集めそうだ。
〈6面〉アメリカンホーム医療・損害保険 日本法人で再始動
旧アメリカンホーム保険が1日、日本法人として「アメリカンホーム医療・損害保険」の名称で再スタートした。AIGグループの日本での通販型損保、AIGジャパン・ホールディングス傘下子会社という位置付けだ。これに伴い、大規模事業所の契約社員を正社員化、顧客接点を強化してサービスの品質向上を狙う。特徴の「専任制」も充実、ホスピタリティを重視する。
橋谷社長
〈7面〉公共のカード払い拡大
公金をインターネットで収納するサービスが広がりを見せている。今年3月には京都市が動物愛護センターの整備に向けた寄付を、インターネットを通じてできる仕組みを取り入れた。納付書での寄付だけでなく、クレジットカード利用を加えたことで時間や場所を問わず手軽に寄付行為ができる。通常の買い物と同様にポイントも貯まるというユーザーメリットもあり、収納側の業務効率化にもつながる。公金分野のカード払い拡大はCSRの側面も見せ始めている。
〈8面〉Runner 蒲郡信用金庫
昨年5月に1兆円信金の仲間入りを果たした蒲郡信用金庫が、満を持して18年ぶりとなる新規出店を果たしたのが、ここ湖西支店だ。地図上は静岡県。初の越境支店であり、同信金の店舗戦略に周辺金融機関も熱い視線を送っている。竹田知史理事長は「大型信金となり、さらに基盤を拡大していくには営業エリアを広げていく必要がある。個人を中心に足繁く通い懐に飛び込むことでファンを作りたい」と話す。
テープカットで船出を祝う関係者(中央が竹田理事長)