2013年10月28日
2013年10月28日付 第2772号
〈1面〉第3の矢は「PFI事業」 自民で部会スタート
自民党のPFI調査会(会長=佐田玄一郎衆院議員)は22日の会合に日本政策投資銀行出身の根本裕二・東洋大教授を呼び、アベノミクスの第3の矢「経済成長」の柱となるPFI事業について聴取した。会合には冒頭の佐田会長のあいさつに加え、7日に設立したばかりの民間資金等活用事業推進機構から半田容章専務(COO)が出席、「地銀25行などからの資本参加が決まり、大車輪でなんとか10月に7日に機構が立ち上がった」とあいさつした。
根本裕二・東洋大教授からPFI事業について聴取した自民党のPFI調査会
〈2面〉中堅企業は「銀行離れ」 グループ内で財務戦略 経産省調査
経済産業省が15日に発表した「設備投資臨時アンケート」によると、政府の景気対策を受け「設備投資を積極化させる」と回答した企業数は、回答を得た912社中で370社となった。一方で「先行きが不透明」「需要増までは見込めない」との消極回答もこれを上回る382社あった。企業はまだアベノミクスによる景気回復に「半信半疑の結果」となったもののこれを前向きにとらえれば「設備投資への予備軍は多い」との判断ができそうだ。
〈3面〉国債偏重改善に有効 新生銀・米バンクローン
新生銀行は、米独立系運用会社・インベスコ・リミテッドの日本法人であるインベスコ投信投資顧問と連携し、主として米国バンクローンに投資を行う追加型私募投資信託の金融機関向け販売を9月から開始している。同行が金融機関向けに私募投信を販売するのは、1月から米ラッセル・インベストメントグループの日本法人と組み、当初40億円のファンドで外国国債を対象に運用している商品に続く第2弾。バンクローンは一般に投資適格未満だが、実際の損失率は0.2~0.3%と僅少な一方、リスク分散により3%台の利回りが確保できるのが最大の特徴。同行は地域金融機関や保険会社、年金基金などに、国債偏重を改善する投資・運用商品として推進している。
〈4面〉IPO発掘で連携強化 愛知県内の第二地銀3行と名証
【名古屋】愛知県内に本店を置く愛知銀行、名古屋銀行、中京銀行の第二地銀3行と名古屋証券取引所は21日、地元企業の上場支援で協力協定を結んだ。取引所と地域企業を熟知する地域銀行が連携することで、将来の株式公開(IPO)の可能性のある卵を発掘するのが狙い。銀行側は上場を通じて業容が拡大、地域経済が活性化すると判断し、一方の名証にとっては、上場数の減少に歯止めをかけ、アベノミクス効果を追い風に公開企業数を増やしたい思惑がある。
〈5面〉タイ経済団体と産学連携 東京東信金
東京東信用金庫(本店=東京都墨田区)は18日、タイの経済協力団体「泰日経済技術振興協会(TPA)」と産学官連携に関する協定を締結した。信金が海外経済団体と提携するのは初めて。タイへの進出が相次ぐ中小企業の販路開拓などを支援するほか、現地企業から日系企業への技術相談、留学生のインターンシップや日本企業への就職も支援する。当日は東京東信金の澁谷哲一理事長とTPAのスチャリット・クーンタナ・クンウォン会長による調印式が同信金両国本部で行われた。
署名式で握手を交わす澁谷理事長(左)とスチャリット会長
〈6面〉メットライフアリコ ブランド構築、前面に
メットライフアリコは15日、都内で報道関係者やファイナンシャルプランナーなどに向けたセミナーを開き、自社のブランド戦略について解説した。2010年11月にAIGからメットライフに冠が変わり、「社風も大きく変わった」(谷貝淳専務)と話す。外資系金融機関が持つイメージを払しょく、身近さや温かさ、誠実さをピーナッツキャラクターで表現する。さらに、日本でのブランド構築には認知率と深い理解度の掛け算の積み上げが必要で、キャラクターだけに頼るのでなく、愚直な取り組みが会社への信頼感につながるという。
「認知度と理解度の掛け算の積み上げがブランドに」と話す谷貝専務
〈7面〉電子マネー、前払い式2兆円突破
個人消費の現場で電子マネーの利用が拡大している。けん引するのは大手流通やJRなど鉄道会社のプリペイド型電子マネー。端末にタッチするだけで支払いが終わる利便性をはじめ利用時のポイント付与や割り引きの特典が受け、大都市圏を中心に利用が広がっている。ITやゲーム、カード会社でも相次ぎ独自の電子マネー販売に乗り出し、活況を呈している。
佐賀県伊万里市の飲食店
〈8面〉Runner 日本M&Aセンター 友好的M&A支援で実績顕著
日本M&Aセンターは企業の「存続と発展」のための友好的M&Aを支援する、国内最大級の独立系M&Aコンサルティング会社だ。2007年12月に東京証券取引所一部上場を果たし、13年3月期の年間成約件数は200件を超えた。業績も堅調で、13年9月中間連結業績予想を上方修正し、中間期では過去最高益となる見込みとなった。同社を率いる三宅卓社長は、13年を「中小企業存亡元年」と指摘する。この数年間で経営判断を迫られる企業が多いとの認識からだ。その背景にあるものは。三宅社長に語ってもらった。
近著「会社・社員・お客様みんなを幸せにするM&A」を手にする三宅卓社長