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2013年9月9日

2013年9月9日付 第2766号

〈1面〉検討項目は「玉」不足? 自民、公明税調
 
 自民、公明両党は8月29日に相次ぎ税制調査会を開き、同日のその後に開いた与党協議会で産業競争力強化法案(成長戦略)の検討内容を確認、消費税引き上げ時の経済対策の方向を確認した。「ここ1週間で税制での検討項目を決めたい」(29日の総会での斉藤鉄夫・公明党税調会長の冒頭あいさつ)予定だ。 
産業競争力強化法案は日本再興戦略のうち、5年間の「緊急構造改革期間」を定め、政府全体で計画的取り組みを進めるもの。各省庁が提出した要望項目を整理すると別表の通りとなった。これらが実現すれば、来年夏以降からの経済効果につながるとされる。
 
産業競争力強化法案の検討を始めた公明党税制調査会総会 
 
〈2面〉持ち合い比率 過去最低更新
 
 株式持ち合い比率が過去最低を更新している。上場会社(保険会社を除く)が保有する、ほかの上場会社株式の保有割合(時価ベース)を示す持ち合い比率は2012年度末に10・8%に低下。同比率に保険会社が保有する上場会社の株式保有比率(同)を加えた広義の株式持ち合い比率も11年度末の値を下回った。13年度も金融機関による各種規制対応に伴う政策保有株の売却が続くとみられるうえ、株価水準の上昇により、遅れていた保有株の圧縮を進める事業法人も増えるとの見方から、持ち合い解消の動きはさらに進みそうだ。
 
〈3面〉「投資」5年半ぶり高水準 大和総研、アベノミクスと家計資産

 安倍政権の経済政策アベノミクスに対する期待から、家計の金融資産にも変化の兆しが表れている。2013年3月末の家計金融資産は、残高ベースで5年半ぶりの高水準となり、その中で「投資」(債券、株式、投資信託、対外証券投資)の金融資産に占める割合が14・9%と、12年12月末の13・3%から上昇した。とは言え、価格変動を除いたフローベースの残高の増加は小さい。投信は同ベースで2兆円を超える資金投入となったものの、株式・出資金は微増にとどまった。大和総研金融調査部はこれまで「貯蓄から投資へ」が進まなかった背景に所得環境の悪化といった経済環境と、社会構造の要因の一つに「マイホーム指向」があると指摘。若年層への資産継承を促進し、抱えてきた債務負担を軽減させ、高齢層の保有する不動産の資金化を容易にすることにより、過度の現金指向を緩和させる必要があるとの見解を示した。
 
〈4面〉横浜銀、物価連動国債ファンド開始
 
 国内の長期デフレからの脱却を目指す安倍政権の経済金融政策「アベノミクス」は今のところ奏功しているが、地銀業界でもその影響がじわりと浸透してきている。この10月から物価連動国債が約5年ぶりに発行されるが、これを受け、横浜銀行は5日から投資信託「日本物価連動国債ファンド」の販売を開始した。今後、物価上昇が見込まれるため、顧客からのニーズが高いと判断したためだ。また、株式市場の活況などを背景に、多くの地銀が資産運用セミナーを積極的に開催している。
 
〈4面〉池田泉州TT証券 営業スタート
 
 池田泉州ホールディングス(HD)と東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FH)が共同出資して設立した池田泉州TT証券が2日、営業を開始した。近畿地区で初めてとなる地方銀行系の証券会社で、店舗は大阪梅田の本店営業部と堺支店、神戸支店の3拠点に窓口を設けた。2日付で池田泉州TT証券が第三者割当増資(24億円)を引き受けたため、出資比率は、池田泉州HDが60%となり、新会社は組織の上では池田泉州HHDの連結子会社となった。
 
営業スタートを前にテープカットを行う関係者たち
 
〈4面〉大垣共立銀 ドライブスルーキャンペーン
 
 「ドライブじゃんけん、最初はグー」。独特の掛け声で来店客と真剣にじゃんけん勝負をする窓口担当者。大垣共立銀行が今年4月に全国初のドライブスルー店舗として愛知県長久手市にオープンした「ドライブスルーながくて出張所」の利用促進キャンペーンが、2日から始まった。新規で普通預金口座を開設し、残高1万5000円以上で窓口行員とじゃんけん勝負ができる。勝てばその場で500円分のクオカードがもらえるとあって、客側も熱が入る。
 
女性行員とじゃんけんで真剣勝負
 
〈5面〉多摩信金、都の新規事業に採択
 
 多摩信用金庫(本店=東京都立川市)は東京都の新規事業「インキュベーションHUB推進プロジェクト事業」に採択された。この事業は高い支援能力、ノウハウを持つ創業支援機関が連携体を構築し創業予定者の発掘・育成・成長促進まで支援し総合的な創業支援環境を整備することが狙い。同信金は「創業支援センターTAMA」を11月にオープンしてさまざまな事業に取り組み、多摩地域における創業支援ネットワーク化を推進していく方針だ。
 
〈5面〉「あすなろ祭」盛況 大東京信組
 
 大東京信用組合(本店=東京都港区)が設立した一般財団法人あすなろ会は8月31日、創立51周年「あすなろ祭」を本店で開催し盛況だった。あすなろ会は、同信組の創立10周年の1962年に設立し各種イベントの開催を通して働く若者の会員に交流の場を提供しており、「あすなろ祭」もその一つだ。
 式典であすなろ会の安田眞次会長(大東京信組理事長)は「少子高齢化が進み、若者が働く、女性が社会に進出することが極めて重要になってくる。あすなろ会は働くことでは希望と期待を持っている。『青少年の育成』は大きなタイトル。賛助会員の経済的、社会的事業を成功するための応援も定款に盛り込まれたので、しっかり努力していきたい」とあいさつした。
 
懇親会
 
〈6面〉チューリッヒ保険 静岡銀と傷害保険で提携
 
 チューリッヒ保険は静岡銀行と提携、10日から同行の顧客にダイレクトメール(DM)での傷害保険案内を開始した。銀行顧客の基盤を活用し新たなマーケットを開拓する一方、銀行側は手数料収入や本体発行するクレジットカードの付加価値向上が見込める。これまで、銀行やカード会社とも同様のビジネスモデルを展開しており、大手地銀と組んだことで一層の弾みがつきそうだ。
 
〈7面〉プリカ事業に本腰 カード大手
 
 大手クレジットカード会社がプリペイドカード事業を相次いで強化している。国際ブランドのスキームを活用することで基本的に加盟店ならどこでも利用できる使い勝手の良さを備えているのが特徴だ。ネット専用のヴァーチャルプリカにも複数社が参入するなど裾野は広がっている。今年はカード会社にとって「プリカ元年」になりそうだ。
 
稼働を上げるため、店頭入金でデポジットがもらえる販促策を実施
 
〈8面〉Runner 信金中央金庫 「海外業務支援部」でサポート強化
 
 アセアン地区を中心として、中小企業の海外進出が加速している。こうした中、信金中央金庫は、現地における情報提供や専門家の紹介など、信金取引先の海外進出を幅広く支援している。2012年4月には海外業務支援部を設立し、同10月にはアジアで3カ所目の拠点として、タイの首都バンコクに駐在員事務所を開設した。これによって、香港、上海、バンコクの「アジア3拠点体制」を構築するとともに、ベトナム、インドネシアを加えた現地の提携銀行とのネットワークを活用し、信金取引先の海外進出支援に努めている。信金中金は信金の海外業務をどのように支援しているのか。新設した海外業務支援部の活動を追ってみた。
 
海外業務支援部の朝日真部長(左)と同部企画グループの荻野和之審議役 
 
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