6月
【309】 2020年6月22日付 フィンテック最新事情(167)
米国の個人向け緊急支援給付金デビットカードで
最初に4月10日から始まった一人当たり1200㌦の給付金配布の状況についてIRSから6月3日付けで次のように報道された。「過去2週間で1億5900万の人々に総額2兆6700億㌦を配布した。その中、銀行口座振込は1億2000万人で、小切手郵送は3500万人になる。それに、約400万人にはプリペイド・デビットカードが郵送される」。
前号で紹介したように、小切手郵送の場合は20週間かかると想定されていたが、5月19日のアメリカンバンカー紙ではトランプ政権の強い希望でより早く1200㌦を届ける為に小切手の替りにデビッドカードを郵送する事になったと説明している。
米国で国民一人一人にお金を配布するには、単にソーシャルセキュリティ番号に紐付けられた銀行口座に振り込む事では対応できない階層の人たちが多く居て、ある意味でその人たちこそすぐに給付金を政府は届けたいと知恵を絞った結論がプリペイド・デビットカードのようだ。
米国で国民一人一人にお金を配布するには、単にソーシャルセキュリティ番号に紐付けられた銀行口座に振り込む事では対応できない階層の人たちが多く居て、ある意味でその人たちこそすぐに給付金を政府は届けたいと知恵を絞った結論がプリペイド・デビットカードのようだ。
元々国会の議論の中では、国民に国の発行するデジタル通貨の受け皿にデジタルウォレットを持たる案や、郵便局の活用、その他パブリックVenmoなどの仕組み議論が出ていたのは事実であるが、それらの対応には時間が掛り間に合わないので銀行振り込みと小切手郵送の2方式になっていた。
・・・続きは紙面に掲載
【308】 2020年6月15日付 フィンテック最新事情(166)
米国の個人向け緊急支援給付金 (Stimulus Check)
これまで、3月13日にトランプ大統領が国家非常事態宣言に署名し、続く3月27日に2兆2000億㌦の米国史上最大規模となる新型コロナウイルス対策の救済法案に署名した事によって各種救済措置が発動された中で、SBA(中小企業庁)が主管して4月3日からローン申請が始まったスモールビジネス向けPPP(Paycheck Protection Program)の実態について紹介してきた。当稿ではIRS(内国歳入庁)が主管する同10日から銀行振り込みが始まった個人・世帯向けの現金給付支援策Economic Impact Payment(EIP:通称Stimulus Checkと報道関係では使われている)の現状について紹介する。
・・・続きは紙面に掲載
【307】 2020年6月8日付 フィンテック最新事情(165)
PPPローン承認実績報告書 5月23日現在
前号では、総額6600億㌦のPPPローン実績の一端として、米銀最大手行のJPモルガン・チェース銀行の例を紹介したが、SBA(中小企業庁)から、5月23日現在のPPPローン承認実績概要報告が発表されたので、改めて全体像を紹介する。
全体概要は、5511の金融機関を通して申請されたローン総件数が442万件、総額5112億㌦がSBAによって承認された。まだ23日現在1380億㌦の資金が未消化であるが、今後も申請が増え資金不足になるとも言われている。
金額規模による分布は、5万㌦以下では285万件で件数割合は64.3%、金額割合が10.4%。次に続く5~10万㌦では65万件で同147%と同9.0%。10万~15万ドルでは28万件で6.4%と6.8%。15~35万ドルでは37万件で8.3%と16.2%。35万~100万ドルでは20 万件で4.5 % と21.9%。100万~500万ドルでは8.3万件で1.9%と35.7%と分類され、平均ローン金額は11万6000㌦になる。
全体概要は、5511の金融機関を通して申請されたローン総件数が442万件、総額5112億㌦がSBAによって承認された。まだ23日現在1380億㌦の資金が未消化であるが、今後も申請が増え資金不足になるとも言われている。
金額規模による分布は、5万㌦以下では285万件で件数割合は64.3%、金額割合が10.4%。次に続く5~10万㌦では65万件で同147%と同9.0%。10万~15万ドルでは28万件で6.4%と6.8%。15~35万ドルでは37万件で8.3%と16.2%。35万~100万ドルでは20 万件で4.5 % と21.9%。100万~500万ドルでは8.3万件で1.9%と35.7%と分類され、平均ローン金額は11万6000㌦になる。
・・・続きは紙面に掲載
【306】 2020年6月1日付 フィンテック最新事情(164)
各国のパンデミック対策緊急支援金 米国と欧州の違い
さて、前号までは、米政府が銀行に巨額救済資金を届ける中心的役割を与えた事で起きた様々な混乱と問題点について紹介してきた。ウォールストリートジャーナル紙(5月21日付)は巨額な政府資金を届ける欧州の銀行について、米国とは全く事なる問題点を報道した「ヨーロッパの回復は、貸す事に躊躇する銀行に阻まれている」の見出しで、欧州中央銀行が何兆ユーロもの超低額の資金を銀行に提供し、政府はさらに条件を緩和している。融資をすれば単に負債を背負い込むだけ、と銀行の苦しい立場を指摘している。
・・・続きは紙面に掲載