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2020年5月4日

2020年5月4日 第3065号

1面

連続して緩和策を打ち出した日銀
新型コロナ対策「できること最大限に」 日銀政策決定会合
 国債、積極的買い入れ 社債・CP 購入枠拡大
  6月会合で新たな支援も
 
 日本銀行は4月27日の金融政策決定会合で、新型コロナの影響で悪化する経済を支えるための追加緩和策を決めた。国債買い入れの上限を撤廃し、社債やコマーシャルペーパー(CP)の購入枠を拡大する。会合後の会見で黒田東彦総裁は「中央銀行としてできることは最大限やるということに尽きる」と繰り返した各国中央銀行と同様に政府との協調姿勢も見せる。民間金融機関を通じて中小企業向けに新たな資金繰り支援を開始することも明らかにした。
関東財務局長・北村信氏はメディアに説明(4月24日、関財)
財務省 総括判断「きわめて厳しい状況」
 11地域すべて引き下げ
 
 財務省は4月27日に、4月の経済情勢報告を公表した。新型コロナの影響で全国財務局長会議は見送られた。通常は、各財務局長が一堂に集まる場で地域の景気動向などを報告するが資料提出にとどめた。
 全国の判断は11地域すべてで引き下げられた。新型コロナ感染拡大で経済活動が急速に縮小している状況を示している。総括判断も「極めて厳しい状況にある」と評価。この文言の使用は初めてのこと。すべての地域で下方修正したのはリーマン・ショック後の2009年1月以来の11年3ヵ月ぶりだという。

2面(総合)

帰宅混雑時でも都心の駅は閑散。行動制限は長引く可能性も
賃金・雇用の調整に懸念 金融系シンクタンク
 維持訴求 リーマン超の消失も
 
 新型コロナ感染の世界的拡大で「雇用」への懸念が広がる。政府、日銀が大規模な企業の資金繰り支援を打ち出すが、外出自粛や休業要請の環境下では多くの企業に倒産の可能性がある。金融系シンクタンクでも雇用危機に言及、終息後を見据えた雇用維持を訴求する。
【KEYパーソンに聞く】 
 日本生命 商品開発グループ課長 家田 恭介 氏
  認知症は身近、共生社会に 人生100年の課題解決
 
 生保最大手の日本生命が満を持して認知症保障商品を投入した。政府が認知症施策推進大綱をまとめるなど認知症が身近になりつつあり、長寿時代をより豊かにすることを目指す商品、サービスと位置付ける。商品開発グループの家田恭介課長は「認知症でもそうでない人も寄り添い共生できる社会に貢献する」と話す。

3面(総合)

白書では「新型コロナ」関連を取り上げた
宿泊飲食業 資金繰り難 深刻化 20年版 中小企業白書
 今後、半年間で可能性を指摘 固定費が手元資産を圧迫
 
 4月24日に閣議決定された2020年版「中小企業白書・小規模企業白書」。白書では中小企業・小規模事業者に期待される役割・機能や、それぞれが生み出す価値に着目。経済的な付加価値の増大や地域の安定・雇用維持に資する取り組みを調査・分析した。合わせて、今回は新型コロナウイルス感染症が事業者に及ぼす影響についても別建てで取り上げた。外出自粛の影響を受けている宿泊業・飲食サービス業では「今後半年間で資金繰り難が深刻化する可能性」を指摘した。
「NPO法人つなぐプロジェクト」は学校などに4000枚以上のマスクを配布している
地域貢献 主役はマスク 岐阜の地域金融
 銀行 医療機関に備蓄を供出  信金 クラウドFで調達支援
 
 【名古屋】岐阜県の地域金融機関がマスクを主役とした地域支援を強めている。新型コロナウイルス感染拡大を最前線で防いでいる医療機関に寄贈したほか、クラウドファンディングサービスを活用して多くの子どもたちにマスクを届けるために必要な活動資金調達のサポートに取り組み始めた。
 「子どもたちにマスクを届けるプロジェクト」支援に乗り出したのは岐阜信用金庫(岐阜市)。クラウドファンディングサービスを運営し、同信金と業務提携するREADYFOR(東京・千代田)と協働する。岐阜県羽島郡笠松町でマスクを届けるプロジェクトを企画する「NPO法人つなぐプロジェクト」に対して、資金調達額50万円を目標としたクラウドファンディング支援を4月24日から開始した。

4面(大手行・証券・保険)

在宅勤務へ移行し、人がいなくなったコールセンター
コールセンターのノウハウ公開 チューリッヒ保険
 問い合わせの声多く 在宅でも個人情報残さず
 
 政府の緊急事態宣言発令を受けて、在宅勤務を取り入れる企業が増えてきた。しかし、業務の性質から在宅だけでは対応できず、出社する人も多い。特に個人情報が集まるコールセンターなどは管理が難しく、大幅に態勢を縮小したり閉鎖したりする企業が少なくない。そのような中、チューリッヒ保険は4月24日にコールセンターシステムやノウハウを公開した。企業の担当者から多くの問い合わせを受けてのもので、自社での取り組みに役立ててもらうことが狙い。
SBIグループの本拠地は東京・六本木にある
高島屋グループと金融サービス SBI証券
 顧客基盤に投信販売
 
 SBI証券は高島屋グループと業務提携契約を結んだ。4月13日付。高島屋の顧客層に向けて投資信託を販売することをはじめ、多岐にわたる金融サービスを展開していく考えだ。
 個人投資家のすそ野拡大を狙って高島屋、高島屋ファイナンシャル・パートナーズ(東京・中央)と金融業で手を携えることにした。
 同社によると、商品ラインナップや金融サービスを提供するうえでのノウハウと、高島屋グループの優良な顧客基盤をはじめ、百貨店ならではのきめ細やかなサービスを実践する手法を組み合わせる。

5面(ノンバンク・ICT)

回答に合わせてオリジナルキャラクター「はるかさん」の表情が変化
自動応答サービス導入 トヨタファイナンス
 ウェブ接客の品質向上
 
 トヨタファイナンスはクレジットカード会員向けウェブサイトに、
自動チャットで顧客からの問い合わせに対応する機能を導入、運用を
開始した。常時、問題解決する体制を整えてカード保有者の満足度を高める。
出所:NECPF
スマホ給油実装 NECプラットフォームズ
 来店客が事前にオーダー
 
 全国に広がるコロナ禍で、人との接触時間短縮や現金授受を控える動きが高まっている。NECプラットフォームズ(PF)は、来店客がスマートフォンのアプリを操作して簡単・便利に給油が注文できる新サービスを4月16日から提供している。
 通常、来店客はサービスステーション(SS)に到着後に機器を操作するが、「スマホ給油」では、事前にスマホアプリでSS店舗を選び内容をオーダー、SSに到着したら給油機コードを読み取れば給油ができる。決済も迅速に完了する。洗車など各種サービスも予約できる。

6面(地域金融)

財務的措置で地元支援の体制を整えた
コロナ禍の資金供給で攻勢 ふくおかFG
 将来予測、見積もりに反映
 
 ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は、地域への資金供給で攻勢に出る。4月28日に貸倒引当金の見積もり方法の変更などを主因に、2020年3月期の業績予想を修正したが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う企業の信用状況の悪化を引当金の算定に織り込むことで、財務的な措置を実施。今後地域により資金を出しやすい状況を整えた格好だ。新型コロナで企業の資金繰り支援で地域金融に対する期待が高まっている。5月に発表が始まる他行決算への影響も大きそうだ。
中小向けに独自融資
 コロナ対策 伊予銀は返済負担軽減
 
 【大阪】伊予銀行は新型コロナウイルス対策で中小事業者向けに新型の融資商品を投入した。借り入れ当初は利払いのみで借り手企業の負担を軽減。その後は状況に応じて、一括返済か元利金の分割返済へと融資スタイルを選択することができる。政府の実質無利子融資も始まるものの不確定要素が多い中、資金繰りに苦しむ中小企業を支援することにした。

7面(信金・新組)

贈呈式に臨む(左から)東京東信金の中田理事長、墨田区医師会の鈴木会長、墨田区の山本区長
品薄のマスクを無償提供 信金業界
 最前線の病院や自治体に
 
 医療装備の不足が叫ばれるなか、信用金庫が支援に乗り出した。
取引先企業などを通じ調達したマスクを医療機関や地元自治体に届けている。政府の優先供給も行き渡ってはいないようだ。最前線で新型コロナウイルスと闘う医療現場や自治体への援助は地域経済の支えにもつながる。
城南信金の川本恭治理事長(左)とMST財団の志太勤代表
よい仕事おこし実行委
 訪日外国人を起爆剤に 終息後のV字回復狙う
 
 全国信用金庫で組織するよい仕事おこしフェア実行委員会が新型コロナ終息後のV字回復を狙い、新たな連携に乗り出した。訪日外国人向け多言語情報サイトのプラットフォーム事業を信金のネットワークを使って自治体や中小の事業者に提供し、勢いを失った地域経済活性化の起爆剤にする。

8面(文化)

個別信金への研修や支援プログラムの策定など裏方として支える(写真は信金中金本店)
【Runner】 信金中金
 社会問題の解決に一役 事業承継・M&Aを「身近な選択肢に」
  信金の顧客基盤の拡大にも
 
 
 信金中央金庫(信金中金)が昨年から構築を進めてきた業界専用M&Aプラットフォームが4月に入り、本格的に動きだした。資本業務提携先でM&Aマッチングサイトを運営する大手のトランビ(東京・港)とのマッチングサイトを入り口に、信金が伴走型で取引先の事業承継を行える仕組みを用意した。最終的には信金の事業基盤の拡大にもつなげたい考えだ。
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