3月
【298】 2020年3月23日付 フィンテック最新事情(156)
フィンテック、コロナウイルスは大丈夫か?
中国の武漢市が発生源と広く認識されている新型コロナウイルスの感染拡大について先日、遂にWHOはパンデミックと認定した。
筆者が理解する人類永遠の戦いの中に、①地球環境の変化に伴う気候の変化、つまり自然災害。この事が起きるたびに気象庁は「これまでに経験のない想定外の出来事」と説明している。②ウイルスによる感染症。これまでも各種感染症と戦っている歴史がある。自然災害と違い目に見えない敵と戦う大変困難な戦争であり世界中の国々の協力が必須となる。③同様に目に見えないコンピュータウイルス、つまりハッカーとの戦いであり、デジタル化社会が進み金融業界もハッカーとの戦争を回避する事は出来ない。何れにしても、これらの戦争には莫大な予算が必要となり銀行経営者を悩ます課題でもある。
思い返すと、2014年に米国最大のJPモルガン銀行がハッキングされ、7600万顧客の個人情報が漏洩した事件に対してダイモンCEOは「もうこれはサイバー戦争だ」と宣言し、1000人の専門家を集め2億5000万ドルの予算を付けて自衛軍を組織化した。
筆者が理解する人類永遠の戦いの中に、①地球環境の変化に伴う気候の変化、つまり自然災害。この事が起きるたびに気象庁は「これまでに経験のない想定外の出来事」と説明している。②ウイルスによる感染症。これまでも各種感染症と戦っている歴史がある。自然災害と違い目に見えない敵と戦う大変困難な戦争であり世界中の国々の協力が必須となる。③同様に目に見えないコンピュータウイルス、つまりハッカーとの戦いであり、デジタル化社会が進み金融業界もハッカーとの戦争を回避する事は出来ない。何れにしても、これらの戦争には莫大な予算が必要となり銀行経営者を悩ます課題でもある。
思い返すと、2014年に米国最大のJPモルガン銀行がハッキングされ、7600万顧客の個人情報が漏洩した事件に対してダイモンCEOは「もうこれはサイバー戦争だ」と宣言し、1000人の専門家を集め2億5000万ドルの予算を付けて自衛軍を組織化した。
・・・続きは紙面に掲載
【297】 2020年3月16日付 フィンテック最新事情(155)
昨年フィンテック・ユニコーンが24社も誕生
フィンテックを語る時に常に忘れてはならない視点にフィンテックの創業者の夢と投資家の夢があると思う。前号で米国市場の事例ではあるがフィンテック創業者の夢の1つである〝銀行免許を取得する夢〟が実現したことを紹介したので、当稿では、フィンテック創業者とフィンテク投資家の双方で共有するビジネスの大成功を表す〝ユニコーンになる夢〟についての実績を紹介する。但し、成功したフィンテックが全てユニコーンのカテゴリーに含まれているわけではないが、引用できる公表データとしてユニコーンを参考にする。
フィンテックニュース香港(2月27日付)が昨年1年間の四半期毎に誕生したフィンテック・ユニコーン各社を〝2019年度に24のフィンテック・ユニコーンが誕生〟の見出しで報道したので、その概要を紹介するが、ただ主要データはCB Insights社〝The State of Global Fintech Investment & Sector Trends To Watch 4Q 2019 Global Fintech〟(2月20日付)から引用されたものである。
フィンテック投資とユニコーン誕生の関係を、大雑把ではあるがこれまでのフィンテック投資の総額とフィンテック誕生の実績数とその評価額総額で見ると次のようになる。
フィンテックニュース香港(2月27日付)が昨年1年間の四半期毎に誕生したフィンテック・ユニコーン各社を〝2019年度に24のフィンテック・ユニコーンが誕生〟の見出しで報道したので、その概要を紹介するが、ただ主要データはCB Insights社〝The State of Global Fintech Investment & Sector Trends To Watch 4Q 2019 Global Fintech〟(2月20日付)から引用されたものである。
フィンテック投資とユニコーン誕生の関係を、大雑把ではあるがこれまでのフィンテック投資の総額とフィンテック誕生の実績数とその評価額総額で見ると次のようになる。
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【296】 2020年3月9日付 フィンテック最新事情(154)
フィンテックが銀行免許を取得出来る時が来た! 米国の事例
フィンテックの創設者の夢でもある米国の銀行免許を取得する事には多くの障害が横たわっており、なかなか実現できていない旨を、今年の
1月30日付本稿288号「米フィンテックにまだ残る障壁」で楽天の例を採りあげ、ユタ州で産業銀行の認可申請をしているが、種々の事情で認可されていない事を紹介したばかりの筆者にとって、驚きの3つのニュースが2月に入って続けざまに米国から送られてきたので紹介する。
①Varo Moneyが銀行免許取得に不可欠なFDICの認可を得た(2月10日アメリカンバンカー紙)。
②Lending Clubが米国初の銀行を買収するフィンテックになる(2月19日Fintech Futuresサイト)。
③Lending Clubのディールによりフィンテックの銀行買収が促進される可能性がある(2月19日アメリカンバンカー紙)。
①のケースは、2015年に創設されたフィンテックVaroは徹底的に手数料を安く預金保険の付いた口座を他の銀行からアウトソースしてモバイルバンキングを提供してきた。18年9月に通貨監督局から銀行認可の事前承認を受けるまでに至っていたが、何らかの事情でFDIC認可については滞っていたものである。
①Varo Moneyが銀行免許取得に不可欠なFDICの認可を得た(2月10日アメリカンバンカー紙)。
②Lending Clubが米国初の銀行を買収するフィンテックになる(2月19日Fintech Futuresサイト)。
③Lending Clubのディールによりフィンテックの銀行買収が促進される可能性がある(2月19日アメリカンバンカー紙)。
①のケースは、2015年に創設されたフィンテックVaroは徹底的に手数料を安く預金保険の付いた口座を他の銀行からアウトソースしてモバイルバンキングを提供してきた。18年9月に通貨監督局から銀行認可の事前承認を受けるまでに至っていたが、何らかの事情でFDIC認可については滞っていたものである。
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【295】 2020年3月2日付 フィンテック最新事情(153)
オープンバンキングへの取り組み 米銀の逆襲
サイバー空間で銀行業を営む銀行がデジタル金融サービスをAPIコールの窓口を通じて生成している米銀大手行と英国の実態を前294号で紹介した。どうも4年前の本稿124号「英・米の国家競争オープンAPI」でアメリカンバンカー紙が「英国はオープンバンクAPIを推進している。これに比べると米国の銀行はまるで一世紀前の古い銀行のように見える」と警鐘を鳴らした事を紹介した時とは違って、米国の約5600行の銀行全てではないものの、大手行及び先進的な地方銀行レベルでは積極的な取り組みがなされているように見える。
これまでデジタルトランスフォーメーション、オープンバンキング、オープンAPIのキーワードでその時々の話題を本稿で紹介してきたが、それぞれのキーワードには次のような意味を持つと考えられる。
〝デジタルトランスフォーメーション〟はデジタル空間で銀行業を営む銀行としての体質改善を意味するもので独自の経営判断が反映され、取り組みについては自由である。グローバルに見ても国内市場で見てもまだら模様を示している。それに対して“オープンバンキング”はデジタル空間で営む銀行業界の仕組みであるために英国のように、国の政策として業界を指導するレベルによって各国の現状はそれぞれ異なる。
これまでデジタルトランスフォーメーション、オープンバンキング、オープンAPIのキーワードでその時々の話題を本稿で紹介してきたが、それぞれのキーワードには次のような意味を持つと考えられる。
〝デジタルトランスフォーメーション〟はデジタル空間で銀行業を営む銀行としての体質改善を意味するもので独自の経営判断が反映され、取り組みについては自由である。グローバルに見ても国内市場で見てもまだら模様を示している。それに対して“オープンバンキング”はデジタル空間で営む銀行業界の仕組みであるために英国のように、国の政策として業界を指導するレベルによって各国の現状はそれぞれ異なる。
・・・続きは紙面に掲載