2020年1月27日
2020年1月27日 第3052号
政府系4機関で設立 地域金融機関にも
全国中小企業強靭化支援協議会
中小企業に事業継続力を 中企庁協力
阪神淡路大震災から四半世紀が経過した17日、政府系4機関が手を携えて「全国中小企業強靱化支援協議会」を設立した。防災、減災、事業継続といった中小企業の自然災害対策を支援する。同日に中小企業庁長官室で前田泰宏長官を立会人に調印式が開かれた。
中小、小規模事業者にとっては自然災害にとどまらず経営環境の急激な変化もリスクになっている。このような事業者が経営基盤を強固にしていくことや意識改革など「事業を継続するための能力、体力」の強化につなげていく。
2面(総合)
30年ぶりのモデルチェンジ 三井住友カード
裏面に情報集約で安心感 Visaタッチ決済も導入
キャッシュレス決済の普及に伴い、これまで以上にクレジットカードへの注目度が高まっている。使う機会が増えているからこそ、安全性や使いやすさが求められてくる。三井住友カードは15日、提携カードを除く自社発行のカードを30年ぶりにフルモデルチェンジすると発表した。カード情報が裏面に集約されたもので、利用時の盗み見などのリスク軽減が期待される。キャンペーンの開催や新機能を追加する。キャッシュレス化が一層加速しそうだ。
3面(総合)
<知多信金 榊原 康弘 会長に聞く>
3棟完成 地域創生に意義あり 指定金の受託契約に一石
再編「名を捨て実を取る覚悟」を問う
【名古屋】知多信用金庫(愛知県半田市)の新本部棟が昨年12月に竣工し、今月14日から運用を開始した。これで、先行開業した本店営業部棟、その後の事務センター棟に続く「3棟構成」の新本部・本店ビルの完結をみた。2017年9月に迎えた創立90周年の中核事業。理事長時代に3棟建設を決めた榊原康弘会長は「ビル建設自体に意義があるわけではない。5~10年後を見据え、地域創生につなぐ『地産地消』を構築することが最終的な目的だ」との考えを強調した。
4面(大手行・証券・保険)
富裕層向け新会社 UBS■三井住友トラスト
相談業務やセミナー開催 互いの強みを生かしたサービスも
スイスの金融大手UBSと三井住友トラスト・ホールディングスのウェルネス・マネジメント事業における協業が7日、スタートした。富裕層向けにセミナーなどを行う「UBS SuMi TRUST ウェルネス・アドバイザリー」が営業を開始。第2ステージも動き始めている。世界有数の総合金融サービスグループであるUBSの知見と三井住友トラストが国内で培ってきた信頼性や専門性を生かしたソリューションを提供する。
5面(ノンバンク・ICT)
共同プロジェクト始動 JCB 富士通
「デジタルバリュー」有効活用 新たなエコシステム形成を
ジェーシービー(JCB)と富士通は17日に、新たな決済連携プラットフォームを創出するための共同プロジェクトを始動した。個人がもつデジタルバリューを有効活用するために、連携プラットフォームを立ち上げることを目指す。
政府のキャッシュレス推進の後押しもあり、クレジットカードや交通系・流通系のICカード、独自ポイントの利用が着実に増えた。各機関がデジタルで管理している価値、いわば「デジタルバリュー」が多種多様に普及しているということだ。
両者はこのデジタルバリューを、支払い方式に応じて適切な通貨やポイントに変換して有効活用できるようにすることを考えた。
6面(地域銀)
「攻めの提携」地銀連合と一線 筑邦銀
SBIが3%取得 連携範囲は拡大
筑邦銀行は17日、SBIホールディングス(HD)と戦略的提携を結んだと発表した。実績を踏まえ、地域活性化など業務連携の範囲を大幅に拡大させているのが特徴だ。提携に伴いSBIHDが取得する同行株式は最大でも発行済み株式の3%。救済色が色濃く出ていた島根、福島2行のケースと比べて、性格がかなり異なる。
7面(信金・信組)
36信金・信組が周年 「百年企業」も3つ誕生
取引先支援に展開も
協同組織金融機関は地元との絆が深い。それは周年事業にも表れ、節目の一大イベントと位置付けている。ただ単なる祝い事だけでなく地域や取引先とともに発展しようと販路拡大・開拓につなげる取り組みに発展させたり、時代に合った行動指針を策定する金融機関もある。一味違った周年へと様変わりしつつあるようだ。
8面(文化)
【Runner】 東海財務局
M&Aは「深い対話」で成立 経営者の本音、どう引き出すか
独自セミナー、地域金融に提供
【名古屋】東海財務局は管轄する4県(愛知、岐阜、三重、静岡)の地域金融機関向けに、旬なテーマを設定したセミナーを定期開催している。独自企画として2012年から開始した。今年度3回目、通算24目となる今回の題材は「中小企業M&A」と「経営者との対話術」。第三者承継をはじめ経営支援ニーズが増加しており、その対応は急務だが、金融機関の役職員と中小企業の経営者との深い対話があってこそ成立する。専門家が課題解決に迫る手法を紹介した。