2019年7月22日
2019年7月22日付 第3031号
1面
外資の「国内売上げ課税」浮上か
競争環境の整備 海外PF規制 具体化へ 焦点は〝公取委〟
決済を独占、税制の不平等が際立つ
アップル、グーグルの外資2社のみでほぼ100%の寡占状態が続く「海外デジタルプラットフォーマー」の世界、「OS」「アプリ」「検索サービス」が外資に占有されている。このアプリストアではアップル66%、グーグル33%の占有状態となっており「アプリ内決済にかかる手数料が基本で30%と異常に高く決済の流れを独占。コンテンツの中身さえ審査できる立場にある」。安倍首相はG20大阪サミットで「電子商取引の国際ルール(大阪トラック)」の早期検討を主張したこの背景には税率の低い他国への租税回避が起きている実態があり、日本と外国勢とのタックスギャップの是正が課題となっている。
2面(総合)
連名で「政策金融のあり方」文書公表 金融業界5団体
6月の意見交換会受け 「これまで以上に建設的議論を」
金融業界5団体は10日、「政策金融のあり方に関する最近の取組みについて」と題する文書を公表した。6月に開催した意見交換会の内容を補強するもので「足元では民間金融機関と政策金融機関との望ましい関係構築に向けて前進しつつある」としながらも、民業補完の観点についての問題意識を改めて関係省庁や政策金融機関に問う内容だ。
3面(総合)
預金は堅調でも貸出金で明暗 大手信金 19年3月期
収益環境の悪化を懸念
預金残高で1兆円を超える大手信用金庫の2019年3月期決算が出そろった。預金量こそほとんどの信金がボリュームを増やした。一方で貸出金においては大幅ではないものの、前年比マイナスとなる金庫も散見された。大幅な政策変更による金利の上昇が望めない中で、トップ金庫にとっても正念場となりそうだ。
4面(大手行・証券・保険)
投資ファンド運営会社 NESを共同設立 三井住友信託 レジェンド・パートナーズと
新たなエコシステム形成
三井住友信託銀行は10日、レジェンド・パートナーズ(東京・港)と投資ファンド運営会社を共同で設立した。三井住友信託がもつ大学や機関投資家との結び付きとレジェンドの目利き力を融合させたファンド運営を目指す。「スタートアップ企業育成には資金供給だけでなく、新たなエコシステムの形成が必要」との考えだ。
5面(ノンバンク・ICT)
匿名加工情報 一般の認知度4%弱 データサイエンティスト協会
官民で取り組み活発化 データ利活用へ
データサイエンティスト協会(東京・港)は12日、特定の個人情報を識別・復元できないように加工した「匿名加工情報」に関し、その利用に関する意識調査を公表した。法改正に伴い個人データのビジネスへの活用が進む中、調査では匿名加工情報に関する認知度のほか、公共的利用についての一般の意識についても調べた。
7面(信金・信組)
「事業融資の予測モデル」構築 大阪シティ信金
NTTデータと組み 課題の目利き力を補う
【大阪】大阪シティ信用金庫(大阪市)がNTTデータを組んでAIを活用した事業融資の予測モデルの開発を進めている。すでに実験を終了し、有効性を確認した。今後は渉外現場で実際に活用する段階に踏み出す。渉外担当者の育成は金融機関の共通課題。資金需要先があらかじめ予測できれば効率的な営業につなげられる。
8面(文化)
【Runner】 順天堂大
認知症予防へ産学連携 表情の変化から兆候読み取るシステムも
金融機関は新サービスを提案
「人生100年時代」という言葉が一般的になってきた。しかしこれを実現するためには健康であることが不可欠だ。順天堂大は10日、パーキンソン病や認知症の予防・早期発見に向けた共同研究をスタートすると発表した。食品メーカや金融機関などを巻き込み、AIや顔認証システムといった最新技術を駆使した大型プロジェクトだ。実用的な診断システムの構築や有効な予防法などの確立へ、期待は大きい。