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6月

【267】 2019年6月24日付 フィンテック最新事情(125)

取引口座の閉鎖は突然のメール通知でやってきた
デジタルバンクFINNの撤退 前編
 
 JPモルガン・チェース銀行は、突然、昨年7月に全国展開を始めてまだ1年にも満たない若者向けのデジタル・オンリー・バンクFINNのユーザに対し、取引口座の引っ越しを始めるように、電子メールで通知した(6月6日)。まさに突然のことであった。「8月10日をもってFINNの全ての口座は、口座番号もPINナンバーもそのままチェース銀行の口座に移管する」ので、「チェース銀行のモバイルバンキング・アプリの方を、本日から使い始めてください。新しいチェース銀行のデビットカードが届くまでは、FINNのカードはそのままに使えます」とFINN銀行の口座閉鎖を伝えた。
 このFINNについて、当稿230号(2018年7月23日付)では、「支店に行かなくても全ての必要なサービスをアプリで対応できる。新市場の開拓、若者向けのデジタルバンク。開発チームは従来の組織に所属せず、外部からの人材を集めて取り組んだ、大手銀としては画期的な取り組み。従来型の銀行にとってこれからの手本となるケース」と指摘。また、シティグループの調査レポートが従来型の銀行の取り組むべき課題としてこのチェース銀行のように、「もう一つのデジタルバンク〝Bank-X〟を持つ必要があると指摘している」と紹介した。(当稿261号5月6日付)
・・・続きは紙面に掲載

【266】 2019年6月17日付 フィンテック最新事情(124)

〝特別待遇〟を感じさせるAIアシスト
「頼りになる」と評判のエリカ嬢 バンカメ
 
 初めてバンカメのバーチャルアシスタントのエリカ嬢が紹介されたのが2016年10月のMoney2020カンファレンス。その時に発表された着任スケジュールでは「年内に」であったが、エリカ嬢の姿はその時期が過ぎて顧客の前にいなかった。バンカメがその時にスケジュール延期の理由に挙げたのが「モバイルサービスにAI機能を組み込むために、顧客の複雑な使い方をよく理解する必要がある」であったと記憶している読者もいると思う(本稿163号2017年1月23日付)。
 衝撃的なデモでデビューしたエリカ嬢だったが、その後も不安視を煽るような情報を含めて一身にメディアの注目を背負っていた。このエリカ嬢が3か月の試行期間を経て職場についたのが昨年の3月。その後、6月からバーチャルアシスタント嬢として無事に全国の顧客の前にデビューしていた。バンカメはこの実績と成果を次のように発表した(2019年5月29日)。
 「バンカメは1年前に、パーソナル・バーチャル・ファイナンシャル・アシスタントを始めた。それは休日もなく毎日24時間対応できるモバイル・バンキング・アプリ。顧客が必要とする毎日の銀行取引にすべて対応し、しかも顧客がこれから想定される状況に備えるべき対応をアドバイスできる能力が、エリカ嬢のユニークな点である」。
・・・続きは紙面に掲載

【265】 2019年6月10日付 フィンテック最新事情(123)

投資グループが改革のカギを握って いる
投資果実を求めるユニコーン・ハンター
 
 フィンテックの話題は、どうしても現代のライフスタイルに合った新しい銀行サービス・商品を、若い最新のテクノロジーを熟知した起業家達によって開発され、時代の流れについていけない多くの経営者の居る銀行業界に変革をもたらす、との文脈で語られることが多い。
 銀行は、時代の変化、とくにテクノロジーとライフスタイルの変化に対応して、テクノロジーと行員教育に投資するイノベーションに取り組んできた。このことで顧客の要望に応えると共に、銀行も経営としてその果実を享受してきたと理解できる。
 しかし、銀行と顧客が共に享受できる「イノベーションの果実」となるはずだったのが、テクノロジーの進歩のスピードが速くなった現代では、その取り組みに遅れをとる銀行に代わって、最新技術を使いこなし、銀行サービスを理解する若い起業家たち、競争相手であり協業相手にもなるフィンテックが、イノベーションの推進役として出現した。果実を享受する仲間が増えたため、これまでの延長線上の経営方針では不透明となってきた。最近では「2025年迄に10行中の1行が消滅する」といった、イノベーションが銀行経営に果実を与えるよりは、この影響による存続の危機を煽る報道もみられる。
・・・続きは紙面に掲載

【264】 2019年6月3日付 フィンテック最新事情(122)

3年で倍増した欧州のスタートアップ投資
 
 「急成長するように設計された会社」といわれるスタートアップ、そのヨー
ロッパの現状(2016年~18年第2四半期まで)を分析した業績報告書が公表
されている。
 昨年11月の最初のレポート、創業間もない初期のスタートアップ編は「Seed  the  Future」のタイトルで発表された。これに続き、今回は成長期にあるスタートアップ編を「Life  is  Growing」として5月に発表した。
 この報告書に使われている「Life  is  Growing」(人生は成長だ。もし技術的
にも精神的にも成長をやめたら死んだも同然だ)は1969年に86歳で亡くなった
合気道の創始者である植芝盛平=写真=の言葉から引用している。
 このレポートはフィンテックに限定しておらず、ヨーロッパのスタートアップ
の全業種を対象にしている。この初期のスタートアップ編では、フィンテックと
メディテック(医療関係)を二大業種とし、フィンテックの方が「より多くの
投資を得た」と報告している。そして次の「成長期編」ではフィンテックが最大
の規模に成長した実態を報告しており、この概要を紹介する。
・・・続きは紙面に掲載
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