2019年4月15日
2019年4月15日付 第3019号
1面
金融政策の効果、地域実態と落差 地銀の経営統合
「競争原理」働かず 公取委「75%ありき」ではない
自民党競争政策調査会は4日、冨山和彦・経営共創基盤代表、佐々木達也・長崎商工会議所副会頭から金融イノベーションを、また公正取引委員会から前日に行われた未来投資会議の内容を聴取した。冨山氏は独禁法制定時から「競争」そのものは大きく変化、「総合的に競争政策を担う常設機関の設置」を急ぐべきと指摘。佐々木氏は十八銀と親和銀は両行とも本業赤字。そのまま消耗戦を展開、先行きが見えないので地域の大勢は「統合は正しい選択。地域の資金だけでなく文化も支えている」と考え始めていた。その矢先に「公正取引委員会から両行が統合し75%ものシェアとなるのは高すぎると待ったがかかり驚いた」と地元での反応を説明した。
2面(総合)
「顧客本位の業務運営」浸透せず 金融庁調査
63%が「全く知らない」
金融庁は9日、リスク性金融商品販売にかかる顧客の意識調査の中間報告を発表した。金融庁の金融事業者に対する取り組みが、顧客に対し適切に届いているかを検証するためのもの。インターネットによるアンケート調査では、約6割が、金融機関に対して金融庁が、「顧客本位の業務運営」を求めていることを知らないと回答していることが分かった。
3面(総合)
税公金スマホ払い 百五銀 バーコードPay
自治体で広がり 三重県は半数超え、愛知県も
【名古屋】百五銀行が取り扱う、キャッシュレスで税公金払いができる自治体が増加している。スマートフォン決済アプリ「バーコード
Pay」を使って納付できる自治体数は今月4日時点で三重県内では15市町に上り、全29市町のうち半数を超えた。新たに愛知県税も加わった。百五銀がこのサービスを始めてから今夏で丸2年。利用範囲は着実な広がりをみせている。
4面(大手行・証券・保険)
ETF、市場に浸透 日興アセットマネジメント
最優秀運用会社に選出
3倍3分法ファンド、地域銀に人気
日興アセットマネジメントによると、上場投資信託(ETF)が市場に浸透してきたという。第一人者の今井幸英・ETFセンター長がメディア向けに3月26日に解説した。東証も昨年7月からETF市場にマーケットメイク制度を導入、流動性が向上してきている。
5面(ノンバンク・ICT)
決済の多様化、変更迫られる 割賦販売法
クレジットの「枠」規制など
フィンテックに代表されるICT技術の進展やテクノロジーの進化を背景に、決済分野で広がる業態の垣根を超えた参入の動きが、金融規制とは別に発展した割賦販売法のあり方にも変更を迫っている。業者規制法の性格が強く、時代の要請とのずれが出ていることがその背景にある。
6面(地域銀)
遊休不動産に出融資 十六銀
民都機構と1億円ファンド 呼び水ねらう
【名古屋】十六銀行は「マネジメント型まちづくりファンド」への出資を通じた岐阜市中心市街地の価値向上に乗り出した。資金規模は、民間都市開発推進機構(東京・江東)との共同出資で組成した1億円。活用されていないビルや古民家など遊休不動産に対してリスクマネーを供給し、リノベーション投資を活発化させる呼び水にしたい考え。民都機構が地域金融機関と連携して組成する、まちづくりファンドへの出資は、東海地区の地銀では初めて。
7面(信金・信組)
公金収納 減免措置解除で合意 稚内信金
「指定金」契約10自治体と 事務合理化に協力
稚内信用金庫(北海道稚内市)が自治体との交渉で長年、懸案になっていた公金収納減免措置を見直すことで合意した。指定金融機関は地域銀や信用金庫にとってステータスだが、収益環境の悪化でむしろ重荷になっている。この稚内信金の例は、公金収納の有料化に向けた突破口になりそうだ。
8面(文化)
【Runner】 三井住友海上・駿河台緑地
「緑のもつ力」最大限に表現
生き物さがし自然塾「春の子ども俳句会」
地域のコミュニティーに一役
2008年に生物多様性基本法が施行、国や地方自治体にも生物多様性保全戦略策定の努力義務が課された。東京五輪を前に続々と竣工する都心のビルでも、そこに配慮した企業緑地がつくられている。三井住友海上は「生物多様性」という言葉すらなじみがない頃からこれを重視してきた先駆け。駿河台ビルや駿河台新館で形づくられる駿河台緑地には数多くの「いきもの」が生息しており、地域コミュニティーの活性化に一役を買っている。