3月
【256】 2019年3月25日付 フィンテック最新事情(114)
個人ローンのシェア、銀行追い抜く
最大手米銀CEOが会見で「SMBオンラインローンでフィンテックに負けた」と発言。この1週間後、今度は米国クレジット・ビューローのTransUnionが「引き続きフィンテックが個人ローンの伸びに拍車をかけている。2018年第4四半期は史上最高額を記録、ローンの残高は1380億ドル(2018年度)と年間で210億ドルも増えた。この増加の大部分はフィンテックのオンラインローンによるもの」との分析を発表した(2月21日付)。
アメリカンバンカー紙はこの報道を受け同日、「銀行は個人向け融資分野ではさらにフィンテックに遅れをとった」と次のように論評した。
銀行は多くのコストをかけて、個人ローンを獲得するための新しいデジタルサービスを開発、提供している。しかし彼らはフィンテックのスピードに追いついてはいない。フィンテックが個人ローン市場シェアで5%(2013年)から急激に伸び、2017年は35%と、初めて銀行の30%を追い越した。その差は広がり、2018年に
は38%と首位を占めている。2018年にフィンテックは前年度対比で3%増やしたが、銀行は2%減、信用組合1%減、従来の金融会社は13%のシェアと変動はなかったが、2013年の24%から比べて大幅減となった。
アメリカンバンカー紙はこの報道を受け同日、「銀行は個人向け融資分野ではさらにフィンテックに遅れをとった」と次のように論評した。
銀行は多くのコストをかけて、個人ローンを獲得するための新しいデジタルサービスを開発、提供している。しかし彼らはフィンテックのスピードに追いついてはいない。フィンテックが個人ローン市場シェアで5%(2013年)から急激に伸び、2017年は35%と、初めて銀行の30%を追い越した。その差は広がり、2018年に
は38%と首位を占めている。2018年にフィンテックは前年度対比で3%増やしたが、銀行は2%減、信用組合1%減、従来の金融会社は13%のシェアと変動はなかったが、2013年の24%から比べて大幅減となった。
・・・続きは紙面に掲載
【255】 2019年3月18日付 フィンテック最新事情(113)
銀行とフィンテックの新たな戦い POSファイナンス
最近のニュースに、「Buy Now, Pay Later」「Point of Sales 」の言葉が目につくようになった。実は、約1年前のアメリカンバンカー紙(2018年2月11日付)に「なぜPoint-of-Saleが今ホットな話題なのか」をタイトルに「アメリカのミレニアム世代の若者は、高いリボクレジット金利が課せられるクレジットカードに、残高を残しておくことを嫌っている。その理由は、両親が、金利の高いリボ払いの返済に苦しんでいたのを見ていたから、との調査結果がある」と報道していた。
クレジットカードを持つといつの間にかその便利さ故に使いすぎてしまう。アメリカ社会で長くよくいわれる問題点とされてきた。
昨年のクレジットカード残高は8000億ドルを超えて史上最高額となっている(FDICの発表)。しかし、金融恐慌を経験した今のアメリカの若者の間では、「倹約志向が強くなっており、今の若者にはクレジットカードを持っていない人が多い」と報道される。
そこで、デジタル化社会、ライフスタイルの変化、それに対応した金融サービスの技術的な進歩によって、今まで以上に高度なPOSペイメントサービスが登場してきた。
クレジットカードを持つといつの間にかその便利さ故に使いすぎてしまう。アメリカ社会で長くよくいわれる問題点とされてきた。
昨年のクレジットカード残高は8000億ドルを超えて史上最高額となっている(FDICの発表)。しかし、金融恐慌を経験した今のアメリカの若者の間では、「倹約志向が強くなっており、今の若者にはクレジットカードを持っていない人が多い」と報道される。
そこで、デジタル化社会、ライフスタイルの変化、それに対応した金融サービスの技術的な進歩によって、今まで以上に高度なPOSペイメントサービスが登場してきた。
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【254】 2019年3月11日付 フィンテック最新事情(112)
スモールビジネスローンで負けた ダイモンCEO
ジェイミー・ダイモンCEOがJPM Coinを発表した約2週間後の2月26日、投資家及び投資家候補に自社を売り込むインベスター・デイでの会見で質問に答えた2つの発言が報道された(2月26日付のCNBCとアメリカン・バンカー紙)。
最初に、CNBCはダイモン氏の返答「JPMorganのコインは自行内で、もしくは法人向けに使われるだろう。それに、いつかは個人向けにも使われるだろう」を採りあげた。これは銀行のWebサイトにも、個人向けの計画はないと記載されているので、彼の推論であろうと解説している。ダイモンCEOは「ビットコインは詐欺である」とまで、いったんは仮想通貨に警鐘を鳴らした米国トップバンクのリーダーである。ただ彼個人の推論としても、この発言には、近い将来に個人向けにまで拡大する可能性を示唆するものであると筆者は受け止める。
アメリカン・バンカー紙は、「金融サービスを破壊すると浮上してきていたフィンテックの中で、銀行としてどうしても対抗して勝たなければならないフィンテックはどこですか?」との質問に、ダイモンCEOは、直接的な返答を避けつつ「自分の銀行がやりたかったことを実現させたフィンテックSquareを挙げ、これを賞賛した」。
最初に、CNBCはダイモン氏の返答「JPMorganのコインは自行内で、もしくは法人向けに使われるだろう。それに、いつかは個人向けにも使われるだろう」を採りあげた。これは銀行のWebサイトにも、個人向けの計画はないと記載されているので、彼の推論であろうと解説している。ダイモンCEOは「ビットコインは詐欺である」とまで、いったんは仮想通貨に警鐘を鳴らした米国トップバンクのリーダーである。ただ彼個人の推論としても、この発言には、近い将来に個人向けにまで拡大する可能性を示唆するものであると筆者は受け止める。
アメリカン・バンカー紙は、「金融サービスを破壊すると浮上してきていたフィンテックの中で、銀行としてどうしても対抗して勝たなければならないフィンテックはどこですか?」との質問に、ダイモンCEOは、直接的な返答を避けつつ「自分の銀行がやりたかったことを実現させたフィンテックSquareを挙げ、これを賞賛した」。
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【253】 2019年3月4日付 フィンテック最新事情(111)
世界トップバンクの ❝JPM Coin❞
2017年にJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOが「ビットコインは詐欺。もし行員にビットコインの取引をしている者がいればクビだ」と発言。その一方、ブロックチェーンについては銀行ネットワークへの可能性を示唆していた。そのモルガン銀行が「自行の暗号通貨を使う米国では最大の銀行として動き出した」とJPM Coinの発表が報道された。(NYタイムズ紙 2月14日付)。
筆者は、暗号通貨の状況が示すように、ダイモンCEOの指摘した「ビットコインは17世紀のオランダのチューリップバブルよりひどい」と世間に警告を発した事は世界のトップ銀行のリーダーとしての責任ある発言と当時から高く評価していた。
一方、ブロックチェーンへの業界の取り組みは、最新テクノロジーのリーディングバンクやグループで数々のトライアルが行われている。しかし、バンキングビジネスで実用化には動いているがまだ高い評価を受けた事例がない。このため最近では投資家からの評判が下がってきたとの議論がでていた。
筆者は、暗号通貨の状況が示すように、ダイモンCEOの指摘した「ビットコインは17世紀のオランダのチューリップバブルよりひどい」と世間に警告を発した事は世界のトップ銀行のリーダーとしての責任ある発言と当時から高く評価していた。
一方、ブロックチェーンへの業界の取り組みは、最新テクノロジーのリーディングバンクやグループで数々のトライアルが行われている。しかし、バンキングビジネスで実用化には動いているがまだ高い評価を受けた事例がない。このため最近では投資家からの評判が下がってきたとの議論がでていた。
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