2019年2月11日
2019年2月11日付 第3010号
1面
ひた走る「選挙の年」 自民、地方選挙は善戦
統計不正 政治の責任ではない
第198回国会は1月28日に招集された。会期は6月26日までの160日間。1月24日には厚生労働省による統計不正問題を審議する閉会中審査が開かれ、今もこの問題を引きずったままに各党からの代表質問、4日から衆院予算委員会が審議入りした。一連の統計不正問題は「政治家の責任ではない」。本来は「(罰則権限を持つ)総務省が厚生労働省を告発すべきもの」との声が漏れる。自民党内では、7月の参院選で「大幅に議席が減るのは必至」との見通しだ。
2面(総合)
住宅ローンの審査偽装2件 日本郵政
不正関与なし 体制強化へ
日本郵政の長門正貢社長は1日、定例記者会見で、スルガ銀行のシェアハウス関連融資問題を受けて実施した社内調査において、審査資料の偽装が2件あったと公表した。
長門社長は「社員の関与はなかったものの、不適切な事案があったことは重く受け止め、さらなる体制強化に取り組みたい」と話した。
3面(総合)
全信協と提携 業務効率化や経営支援 253信金 ✖ freee
城南信金、会見に
中小・中堅企業向けにクラウド会計サービスを提供するfreee(東京・品川)が1月30日に全国信用金庫協会とAPI連携での契約を結んだ。260の信用金庫のうち253信金で4日から順次、システム連携が始まっている。信金に口座をもつ企業や個人事業主は、支払いや入金といった取引先とのデータをそのままfreee会計ソフトに取り込める。これでfreeeの連携先は14金融機関から一気に拡大したことになる。
4面(大手行・証券・保険)
AIなど活用し業務効率化 みずほFG
他社にも提供 変革進める
みずほフィナンシャルグループ(FG)は、AI、OCR(文字認識技術)、RPA(ロボットによる自動化)を活用した事業に取り組む。手書きの非定型帳票のデータ入力を自動化するもので、業務効率化を図る地域金融機関への提供を目指す。金融分野ではなく、多くの組織が課題とする「非競争領域」で金融業界全体の変革を進めていきたい考えだ。
5面(ノンバンク・ICT)
インドネシアで教育ローン Jトラスト
日本語学学生向けに 広島銀 取引先を紹介
日本やアジアで金融事業を手がけるJトラスト(東京・港)は傘下のインドネシアの銀行を通じて、日本語を学ぶ現地の学生向けに教育ローンを始めた。広島銀行とインドネシアで語学学校を経営する福岡県の介護事業会社と共同で開発した。Jトラストにとっては国内の有力地域銀行と組んで商品開発をするのは初めて。これを呼び水に、銀行との連携に弾みをつけたい考えだ。
6面(地域銀)
証券子会社 6月開業 十六銀
「十六TT証券」一部は銀証店 出向含め100人規模
【名古屋】十六銀行が設立する証券子会社「十六TT証券」(仮称)の開業日が6月3日に決まった。東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FH)との共同出資で誕生。本社所在地や岐阜県内に置く4カ店の場所も確定させた。証券子会社は両社からの出向者などを合わせた100人程度の陣容で発足する。
7面(信金・信組)
離職者防止へ幹部研修 東京東信金
「逆ホウレンソウ」有効
金融機関で人材の流出が相次いでいる。人手不足の売り手市場のもとで、若手職員が数年で職場を後にするケースは業態を超えて共通する。東京東信用金庫(東京・墨田)が2日に開いた幹部職員を対象にした土曜研修では、若手職員の離職者を防ぐのに現場の支店長はどう対応すればよいかを検討した。
8面(文化)
【Runner】 埼玉県信金、さいしんコラボ産学官
アイデア創出事業、商品化も 産学官・金の連携育む
柔軟な発想 地域の活力に
埼玉県信用金庫(埼玉県熊谷市)と関連団体の「さいしんコラボ産学官」は昨年12月7日、「中小企業のための『知財を活用した商品アイデア創出事業』」の最終発表会を開催した。県内の大学生などを中心に、特許を生かした新事業のアイデアを競い合うもので、一昨年に第1回が開催され、実際に商品化にもつながっている。商品化には取引先企業が携わっていて、事業を通じて地域を盛り上げるのに一役買っている。