2月
【252】 2019年2月25日付 フィンテック最新事情(110)
米国を攻めるチャレンジャーバンク
「チャレンジャーバンクの猛攻撃は、金融サービス部門の競争環境を混乱させ続けている」新興バンクは「積極的で、アプリ主導の、顧客体験をとらえている。米国に少なくとも40のデジタルファースト・チャレンジャーバンクがある。英国はその2倍以上もある」。この書き出しで、注視すべきチャレンジャーバンク8行について、主要なサービス・商品を紹介し、米銀業界に奮起を求めた。(The Financial Brand、2月5日付)
この8行とは、①Bank Mobile(米) ②Chime(米)
この8行とは、①Bank Mobile(米) ②Chime(米)
③Finn(米、親銀行がJPモルガン) ④Marcus(米、同ゴールドマンサックス)⑤N26(独) ⑥Revolut(英)⑦Sofi
Money(米)⑧Varo Money(米)だとしている。
筆者は、この8行の中にオープンバンキング/オープンAPIの環境で育ってきた欧州のチャレンジャーバンク2行が含まれている事に強く興味を持つ。本稿でこれまで、米銀業界はオープンバンキング/オープンAPIでは、欧州に後れを取っていると再三紹介してきたからだ。
筆者は、この8行の中にオープンバンキング/オープンAPIの環境で育ってきた欧州のチャレンジャーバンク2行が含まれている事に強く興味を持つ。本稿でこれまで、米銀業界はオープンバンキング/オープンAPIでは、欧州に後れを取っていると再三紹介してきたからだ。
・・・続きは紙面に掲載
【251】 2019年2月18日付 フィンテック最新事情(109)
今年も世界に広がるフィンテック投資
昨年のフィンテックへの投資実績と今年の注目すべきフィンテックの動きをまとめた「注目すべきフィンテック動向2019」がCB Insight社から1月29日に発表された。その概要を紹介する。
昨年の投資実績には、目を見張るものがあった。過去5年間に、2014年の83.4億ドルから始まり163.0、192.2、180.0と続き、昨年は中国のアント・フィナンシャルの140.0億ドルが寄与し、395.7億ドルにまで急増した。
地域別の対前年度比でも、北米24%アジア265%、欧州24%、アフリカ376%、豪州396%、南米167%増と、フィンテックへの投資が世界中に広がり、それぞれの地域で大幅に増加した。投資件数では、英国のEU離脱問題が影響し、欧州だけが前年度比減の367件だった。しかし、北米717、アジア516、アフリカ27、豪州25、南米55件とそれぞれの地域で、伸びている。
まだ歴史の浅いフィンテック業界だが、企業価値の評価額で10億ドルを超すユニコーン企業が既に39社も存在し、その評価額の合計は1473.7億ドルにも達する。昨年だけで北米から9社、欧州2社、アジア4社、南米1社の合計16社が、ユニコーン企業に仲間入りしている。
昨年の投資実績には、目を見張るものがあった。過去5年間に、2014年の83.4億ドルから始まり163.0、192.2、180.0と続き、昨年は中国のアント・フィナンシャルの140.0億ドルが寄与し、395.7億ドルにまで急増した。
地域別の対前年度比でも、北米24%アジア265%、欧州24%、アフリカ376%、豪州396%、南米167%増と、フィンテックへの投資が世界中に広がり、それぞれの地域で大幅に増加した。投資件数では、英国のEU離脱問題が影響し、欧州だけが前年度比減の367件だった。しかし、北米717、アジア516、アフリカ27、豪州25、南米55件とそれぞれの地域で、伸びている。
まだ歴史の浅いフィンテック業界だが、企業価値の評価額で10億ドルを超すユニコーン企業が既に39社も存在し、その評価額の合計は1473.7億ドルにも達する。昨年だけで北米から9社、欧州2社、アジア4社、南米1社の合計16社が、ユニコーン企業に仲間入りしている。
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【250】 2019年2月11日付 フィンテック最新事情(108)
LINE、アジアへの戦略
アジア各国の消費者のフィンテックに対する評価を、フィンテック・サイドから見たフィンテック市場の現状として捉えた調査レポート(フィンテックLINE 18年12月5日)が公表された。
LINEの主要マーケットは現在、日本、タイ、台湾、インドネシアの4カ国だが、韓国、英国、米国を含めた5,000人のスマホ・ユーザを対象に調査したもの。
LINEが「日本でみずほ銀行と組み、銀行を展開する」(18年11月27日)に発表した直後であり、どのような背景があるのか筆者にとっても興味深く、発表前後の新聞報道(英語版)から、筆者の独断ながらまとめてみた。
日本での銀行設立発表の約2週間前の11月14日、Line Finance 台湾から「インターネット・オンリー銀行の申請コンソーシアムに、地元の台北富邦銀行など4行が参加した」と、銀行の設立計画を発表していた。台北富邦銀行は、台湾2位の総合金融グループである。その後の20日に、「通信業者2社がインターネット・オンリー銀行設立コンソーシアムに参加した」との発表。
LINEの主要マーケットは現在、日本、タイ、台湾、インドネシアの4カ国だが、韓国、英国、米国を含めた5,000人のスマホ・ユーザを対象に調査したもの。
LINEが「日本でみずほ銀行と組み、銀行を展開する」(18年11月27日)に発表した直後であり、どのような背景があるのか筆者にとっても興味深く、発表前後の新聞報道(英語版)から、筆者の独断ながらまとめてみた。
日本での銀行設立発表の約2週間前の11月14日、Line Finance 台湾から「インターネット・オンリー銀行の申請コンソーシアムに、地元の台北富邦銀行など4行が参加した」と、銀行の設立計画を発表していた。台北富邦銀行は、台湾2位の総合金融グループである。その後の20日に、「通信業者2社がインターネット・オンリー銀行設立コンソーシアムに参加した」との発表。
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【249】 2019年2月4日付 フィンテック最新事情(107)
チャレンジャーバンクの挑戦が始まった
意欲ある若者たちにより「銀行を破壊する」ために旗を掲げたフィンテックにとって、最大の難関は正面から攻撃を仕掛けるための資格、銀行ライセンスを取得することである。
最新テクノロジーは人々のライフスタイルを変えるが、各国ではこのためのチャレンジャーバンクへ多くの投資が行われていると報道されている。しかし、そのほとんどで、正式な銀行ライセンスを取得できるまでには至っていないのが実態でもある。
この評価で典型的な報道が「学資ローンの借り換え」サービスを売りにスタートしたフィンテックSoFiの新商品。これに対して「SoFiは銀行のようなサービスを提供している。しかしこれはまだ銀行ではない」(CrowdFundingInsider、1月15日付)というものだ。
このような環境なのだが、今年はチャレンジャーバンクの年とも言われるように、フィンテックの地道な努力が徐々に実を結び始めてきたようだ。1月に入って、各国からフィンテックが銀行ライセンスを取得したとのニュースが、相次いで飛び込んできた。
最新テクノロジーは人々のライフスタイルを変えるが、各国ではこのためのチャレンジャーバンクへ多くの投資が行われていると報道されている。しかし、そのほとんどで、正式な銀行ライセンスを取得できるまでには至っていないのが実態でもある。
この評価で典型的な報道が「学資ローンの借り換え」サービスを売りにスタートしたフィンテックSoFiの新商品。これに対して「SoFiは銀行のようなサービスを提供している。しかしこれはまだ銀行ではない」(CrowdFundingInsider、1月15日付)というものだ。
このような環境なのだが、今年はチャレンジャーバンクの年とも言われるように、フィンテックの地道な努力が徐々に実を結び始めてきたようだ。1月に入って、各国からフィンテックが銀行ライセンスを取得したとのニュースが、相次いで飛び込んできた。
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