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1月

【248】 2019年1月28日付 フィンテック最新事情(106)

政府機関の〝雇用〟を訴える人びと
フィンテック小休止 米政府機関の閉鎖  
 シリコンバレーやウォールストリートの投資家たちにとって米国政府は常にイノベーションを牽引する立場だと信じられてきた。しかし今回のトランプ大統領による政府機関の閉鎖は大きなショックで、イノベーションを促進する立場の政府がこれに水を差したからだ。
 米国は「世界のフィンテック・ハブとして優れた環境と優位性を保っていた。しかし今やその立場さえも失いかねない」事態となっている。政府機関の閉鎖が始まり3週間過ぎた1月11日から、このような論調の報道が続いている。
 フィンテック産業に最も重要なのは、投資家からの資金。その流れが今回の閉鎖で止まった。
 証券取引委員会(SEC)の職員が自宅待機となり、Uberや
AirBnBなどが予定していたIPOが延期となる憂き目に。それに加え、数多くのスタートアップによるミニIPO(簡略化した登録で少額発行が認められている)にまで影響が及んでいる。
 自宅待機を命じられた職員の自宅では、仕事に関係するメールを見れない規定があるためまったくのお手上げ状態となった。
・・・続きは紙面に掲載

【247】 2019年1月21日付 フィンテック最新事情(105)

左がダイモン氏(JPM)、右がベブス氏(アマゾン創設者)
敵対する良き友人 Amazon VS JPMorgan  
 「銀行の脅威はフィンテックでなくテック巨人だ」(スペインの銀行経営者協会)と、アマゾンなどの「テック巨人」が金融サービスに参入すれば「銀行に大きな打撃を与える」(昨年12月10日の報道)。日本では昨年11月末、LINEがみずほ銀行と組み、銀行に参入するとの発表があった。
 米国では昨年3月、「アマゾンがJPモルガン銀行と話し合いを進めている」と各紙の報道があり、果たしてアマゾン銀行が誕生するのかと騒がれ、憶測が数々流れた。しかし具体的な姿は明らかになっていない。
 そのような中、「ジェフ・ベゾスとジェイミー・ダイモン:敵対する良き友人」(ウォールストリート紙1月5日付)と報道、20年前からの2人の関係と、アマゾンがJPM銀行の企業規模を追い越し立場が逆転してきた流れの中でアマゾンが企業信条とする「顧客中心主義」の観点から金融サービスをどのように考えているのかとの解説が報道されたその概要を紹介する。
 2人の関係を説明するものに「ダイモン氏がシティバンクから追い出された時にベゾス氏は、すぐにシアトルに飛び、CEOとしてダイモン氏を迎えようと誘った。しかしこれをダイモン氏は断った」話がある。しかもベゾス氏は最近インタビューに答えてダイモン氏を「複雑な企業をマネージする驚くべき経営者」だと称賛している。
・・・続きは紙面に掲載

【246】 2019年1月14日付 フィンテック最新事情(104)

中国では支払いに現金が使えず問題が生じている
寡占化するキャシュレス 中国政府が警鐘
 
 フィンテック投資で常にトップを走っているのがペイメント(決済)、次にはローンが挙げられる(本稿244号「最新のグローバル投資の動き」)。このペイメントについては、対価として支払う時に使う現金やカードと、今ではそれに加え、モバイルペイメントの支払い手段があり、それに伴う決済の仕組みが働く。この支払い手段について、すべての国民にとっては複数の手段が用意され選択できる事が求められるのは当然である。従って、フィンテックにとって新しいテクノロジーを駆使した新しいペイメント手段への挑戦が、永遠の課題となっている。
 このペイメント手段について、本来当然含まれていなければならない現金(キャッシュ)より、取り扱いに利便性があり、コストが安い、しかも付加価値の付けやすいのが電子的ペイメント、これが近年大きな注目を集め、キャッシュレス社会への議論が活発化している。そのような環境の中、2016年から急激にキャッシュレス社会に突入した中国から、このキャッシュレスの問題点を指摘するニュースを英フィナンシャル・タイムズ紙が今年元旦に報道した。
・・・続きは紙面に掲載
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