2018年10月8日
2018年10月8日付 第2996号
1面
金融行政 今後の方針示す 金融庁
地域金融機関に存在感求める マネロン対策を最優先
金融庁は2018事務年度(18年7月~19年6月)の金融行政方針を発表した。金融を取り巻く環境が変化を続けており、金融サービス向上に向けて「金融育成庁」として取り組み、安定的な資産形成や国民厚生の増大を目指す。
2面(総合)
「やさしさ、つなぐ」 三井住友海上プライマリー生命
生前贈与機能を強化 「より多く、確実に」のニーズに
信金市場にも期待
三井住友海上プライマリー生命が金融機関代理店向けロングセラー商品「やさしさ、つなぐ」に新機能を追加、8日から取り扱いを開始した。金融機関顧客の「より多く、確実に」という生前贈与ニーズに応える。3メガバンクや信託銀行、証券、地域銀行に加えて信用金庫でも扱いが増えており、期待が膨らむ。
3面(総合)
「効率化の余地大きい」 第四北越FG
組織スリム化並行 25年度まで 900人減計画
第四銀行と北越銀行は1日に経営統合し、持ち株会社となる「第四北越フィナンシャルグループ」(FG)が発足した。統合による地域シェアの大幅な上昇で、地域経済への責任は大幅に増した効率化を進め統合効果を実現させていくのと並行して地域経済の発展にいかに貢献していけるかその真価が問われそうだ。
4面(大手行・証券・保険)
取引先の経営状況、AIで分析 三井住友銀
他金融機関にも 変化、すばやく検知
三井住友銀行は来年1月をめどに取引先の業況変化を検知するシステムを導入する。取引先の経営状況情報を即時に把握、何らかの変調があれば迅速な改善への手立てがうてる。従来型の分析手法から脱却し、迅速な改善提案につなげていく。
5面(特集)
【静岡信金特集】 活性化の動き、多彩
「信金王国」として知られる静岡県。東西に長い独特の地形は県内12信金にも影響を与えているようだ。地域を盛り上げる取り組みをみてもバラエティに富んでいる。良い意味で地域のすみわけが進んでいることに加え、地域経済を支える主産業も環境、農業、製造業など地域ごとにそれぞれ異なる。それらを背景に、地域に密着した取り組みをしやすい土壌があることも、特徴的で多彩な取り組みの背景にありそうだ。静岡県の信用金庫による地域活性化の施策の現状について報告する。
三島信金 QRコード決済で観光振興 現場の士気向上に一役
静清信金 人で不足解消にマッチング 販路開拓計画を作成支援
島田信金 クラウドファンディンクで高校生を海外研修 流儀は「まずはやってみる」
沼津信金 地元がアニメの聖地化 ビジネスチャンスを後方支援
6面(地域銀)
「地酒振興」で新企画 十六銀・福井銀
ツアー客、岐阜の酒蔵めぐる 福井銀の個人客が参加
【名古屋】十六銀行は観光振興を図る取り組みで連携関係にある福井銀行らと組み、福井銀の個人取引先を招いた「ぎふ長良川地酒めぐりバスツアー」を9月29日に実施した。十六銀は本拠・岐阜県の地域資源である地酒を切り口にした観光振興支援に乗り出しており、蓄積したノウハウを新たな観光ツアーの造成に生かした。インバウンド(訪日外国人客)を含めた観光客の誘致増加は、地方創生の進展に大きく貢献する。今回の企画は、その試金石となりそうだ。
7面(信金・信組)
投融資両面から中小支援 豊橋・豊川・蒲郡3信金
複数信金出資ファンドは全国初
【名古屋】愛知県東部の東三河地域に本店を置く豊橋(豊橋市)、豊川(豊川市)、蒲郡(蒲郡市)の3信用金庫は協調して各地域の中小企業に対し、投資および融資・保証制度の両面から成長を支援するスキームを整備した。企業のライフサイクルに応じて、単独あるいはセットで資金を投入する。組成するファンドには3信金に加え、愛知県信用保証協会が出資と保証業務で協力する。複数の信金が共同で設立する全国初となる成長ファンドの運営は、信金キャピタルが担当。期間10~15年内の投融資による持続的な地域の発展を後押しする。
(写真=調印式に臨んだ(左から)信金キャピタルの山口和男社長、豊橋信金の山口進理事長、豊川信金の半田富男理事長、蒲郡信金の竹田知史理事長、愛知県信用保証協会の小川悦雄理事長)
8面(文化)
【Runner】 京都信金
新営業支援端末を導入 日本ユニシスと共同開発
無駄なくし、より深い訪問活動を実現
【大阪】京都信用金庫(京都市)が先月からタブレットPC型の営業店支援端末を有人の全89店舗に導入した。端末やシステムの作り込み費用を含めると約4億円に上る。決して安い買い物ではない。だが、やりたいことを成し遂げるのに必要な投資は惜しまない。そのやりたいこととは金庫内マッチング情報の収集と解決策の提示を通じた「より深い訪問活動」にあるという。果たしてどこに向かおうというのだろうか。