10月
【240】 2018年10月22日付 フィンテック最新事情(98)
加速する銀行界のデジタル 「情緒」どう残すか
今やフィンテック/デジタルバンクについて世界中の調査会社が、数多くの報告書を出している。ただ残念だが国際比較の中で日本が取り上げられるケースはほとんどない。そこでデロイト社から17ヶ国、17,100人が回答している「デジタル・トランスフォーメーションが加速されてきた銀行業界」(10月9日付)を紹介
する。
報告書は冒頭に、バンカメのモイニハンCEOの発言「デジタルバンキングへの投資はコストを下げ、しかも顧客満足度を高めている」を引用、バンカメではすでに支店からの預金よりモバイルバンキングからの方が多くなった現実を紹介している。しかも、世界中の銀行がデジタル・テクノロジーに投資する。このことが「顧客の獲得や満足度の向上に役立つと認識している」とまで言い切った。
報告書は冒頭に、バンカメのモイニハンCEOの発言「デジタルバンキングへの投資はコストを下げ、しかも顧客満足度を高めている」を引用、バンカメではすでに支店からの預金よりモバイルバンキングからの方が多くなった現実を紹介している。しかも、世界中の銀行がデジタル・テクノロジーに投資する。このことが「顧客の獲得や満足度の向上に役立つと認識している」とまで言い切った。
ただしこの顧客満足度では、まだまだアップル、グーグル、アマゾンのテック巨人のようにブランド力が浸透し、顧客との情緒的な関係(emotionalconnection)とまでに至ってはいないと指摘する。
では、この「顧客との情緒的な関係」はいったい何を意味するのか。
では、この「顧客との情緒的な関係」はいったい何を意味するのか。
・・・続きは紙面に掲載
【239】 2018年10月15日付 フィンテック最新事情(97)
注目すべき今年のトレンド トップ5
フォーブス誌(9月25日付)が「今年のフィンテック トップ5 あなたの知りたいトレンドのすべて」と題しRubyGarage社(ウクライナ所在、Webアプリケーション・プラットフォームで有名)のレポートを引用した。原題は「2018年及びそれ以降もフィンテックに影響を与える上位5つのトレンド」で、その概要を紹介する。
すでに米国での調査で明らかになったが、「従来型の銀行では顧客ニーズに対応できていない。だからそのまま変わらないのなら消滅する」と57%の米国人は考えている。しかも、70%の人は「フィンテックは、我々のフィナンシャルを向上させるのに役立っている」。この認識を前提に、フィンテックが対応しないといけない5つの項目を示した。
①モバイル・フィナンシャル・サービス
②デジタル・オンリー・バンク
③プライバシーとセキュリティ
④ブロックチェーン
⑤AI(人工知能)
すでに米国での調査で明らかになったが、「従来型の銀行では顧客ニーズに対応できていない。だからそのまま変わらないのなら消滅する」と57%の米国人は考えている。しかも、70%の人は「フィンテックは、我々のフィナンシャルを向上させるのに役立っている」。この認識を前提に、フィンテックが対応しないといけない5つの項目を示した。
①モバイル・フィナンシャル・サービス
②デジタル・オンリー・バンク
③プライバシーとセキュリティ
④ブロックチェーン
⑤AI(人工知能)
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【238】 2018年10月8日付 フィンテック最新事情(96)
ヒューマン・デジタル・バンキング 米アンプク銀行
「アンプク銀行は革新的なGo-Toプラットフォームを導入してヒューマン・デジタル戦略をより前進させる」との新聞発表(9月13日付)があった。この聞きなれない「ヒューマン・デジタル」戦略を理解するため、これまでにアンプク銀行が取ってきた戦略の中で代表的な例を紹介する。
12年前にインターネットバンキングが普及して、その便利さのため、顧客の店舗離れ、行員と顧客との関係が疎遠化するなどの問題点が現出、アンプク銀行では店舗を〝ブランチからストア〟に転換して、一躍注目を浴びた。
小売業のストアと同じコンセプト。「これだけの売り場面積でどれだけ売り上げをあげるのか」、そのためには顧客にストアに来てもらえる場所にしなければならない。ホテルや高級小売店で取り入れている雰囲気を創り出し、ゆったりとしたスペースの中で顧客はコーヒーを飲む。
店内のWi-Fiでのショッピングを楽しみ、また本を読み時間を過ごすと共に、ストア内で企画された催し、ヨガ教室やファイナンシャルプラニング教室に参加するなど、人々が憩う場所を演出。一方で銀行サービスでは、徹底したデジタルサービスやATMを装備し、顧客が自由に使える環境を整えている。
12年前にインターネットバンキングが普及して、その便利さのため、顧客の店舗離れ、行員と顧客との関係が疎遠化するなどの問題点が現出、アンプク銀行では店舗を〝ブランチからストア〟に転換して、一躍注目を浴びた。
小売業のストアと同じコンセプト。「これだけの売り場面積でどれだけ売り上げをあげるのか」、そのためには顧客にストアに来てもらえる場所にしなければならない。ホテルや高級小売店で取り入れている雰囲気を創り出し、ゆったりとしたスペースの中で顧客はコーヒーを飲む。
店内のWi-Fiでのショッピングを楽しみ、また本を読み時間を過ごすと共に、ストア内で企画された催し、ヨガ教室やファイナンシャルプラニング教室に参加するなど、人々が憩う場所を演出。一方で銀行サービスでは、徹底したデジタルサービスやATMを装備し、顧客が自由に使える環境を整えている。
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【237】 2018年10月1日付 フィンテック最新事情(95)
Amazonの「バンキングサービス」次の一手は?
すでに報道されたものだが「Amazonの次の戦略は、決済口座(チェッキング・アカウント)。オンライン小売業が、顧客に決済口座のようなバンキング商品を提供する。この商品企画のためにJPモルガン・チェース銀行を含めた米銀大手行と話し合いを始めた」(ウォールストリート紙、3月5日付)との報道に注目が集まった。そのときに「Amazon銀行は5年以内に7,000万顧客を抱える全米第3位の銀行になる」と予測していたマネージメント・コンサルティングBain社から、「忠誠心の高いAmazonの顧客に、銀行サービスを提供できるのか」の表題で調査結果が公表された(9月18日)。
6,000人の消費者を調査対象にしたもの。次のような端的な質問「もし、Amazonがすべてのショップの購買に2%のキャッシュバックをつけ、しかも手数料は無料のオンライン・バンキング口座サービスを始めたとすると、あなたは申し込みますか」。これに、①Amazonプライム顧客の65%が、②Amazonプライムにはなっていない顧客の43%が、③Amazonで買い物をしていない人の37%が、「このサービスをぜひ申し込みたい」と答えている。
・・・続きは紙面に掲載