2018年10月1日
2018年10月1日付 第2995号
1面
高水準続く「中途採用」 広がる「限定正社員」制
厚労省■「18年版労働経済の分析」から 育児・介護の両立が背景に
自民党厚生労働部会・雇用問題調査会合同会議は14日の会合で厚生労働省から「18年版労働経済の分析」からさまざまな統計データの提示による説明を受け、これとともに議員間での議論が広がりをみせた。「労働経済の分析案」は9月28日に閣議決定され公表された。本紙ではこの内容から、メガ3行のリストラ構想を背景に、金融界にいま急増している「中途採用」の実態を別表にまとめた。
2面(総合)
【KEYパーソンに聞く】 トラノテック ジャスティン・バロック 社長
手軽な投資のニーズに 「若い投資家の育成に貢献」
決済の端数を投資額として運用するおつり投資アプリ「トラノコ」を発売して1年。TORANOTEC(トラノテック、東京・港)は、銀行との連携を進めている。今年、夏には中国銀行、みずほ銀行と相次ぎ提携し、両行の口座保有者は新たにトラノコを利用し始める際、割引などの特典が受けられるようになった。両行と協力して地盤の堅い顧客層から、若年者を含む新規投資家を掘り起こすのが狙いだ。「銀行側の興味を強く感じる。さらに複数行からご興味いただいている」とジャスティン・バロック社長は語る。
3面(総合)
TSUNAGUプロジェクト始動 山口FG
地域の人材確保に「個」と「面」で取り組む
自治体や企業巻き込み地域を盛り上げる
劇的な人口の増加が望めない現代において、人材不足は避けられない問題だ。現に求人を出しても人が集まらない中小零細企業は少なくない。東京一極集中が叫ばれる中で、地方はどのように生き残っていくのか。九州、中国地方の地域銀行3行を傘下に持つ山口フィナンシャルグループ(FG)は「TSUNAGU(つなぐ)プロジェクト」を発足し、地方へ人材を呼び込み、地域を活性化することを目指している。プロジェクトは中小企業庁が進める「地域中小企業人材確保支援等事業」の一つで、金融機関として唯一採択された事業だ。今月末には3県で「副業・兼業」人材の活用セミナーが始まるなど活動が本格化する。地域に根付いた金融機関だからこそできる取り組みを追った。
4面(大手行・証券・保険)
100年人生で新研修を開発 三井住友海上プライマリー
金融機関代理店向け 超長寿時代の提案力強化
ゲームでリアルな体感
金融機関代理店を主力に商品を販売する三井住友海上プライマリ
ー生命は1日、開発した新たな研修の提供を開始した。超長寿時代
のセカンドライフを支援する提案力を向上してもらうのが狙い。オ
リジナルビジネスゲームで未経験の人生100年を体感する。
ー生命は1日、開発した新たな研修の提供を開始した。超長寿時代
のセカンドライフを支援する提案力を向上してもらうのが狙い。オ
リジナルビジネスゲームで未経験の人生100年を体感する。
5面(ノンバンク・ICT)
「新領域」拡大で動き 芙蓉総合リース
アクリーティブにTOB
BPO事業強化 資本効率向上へ
芙蓉総合リースが事業基盤の拡充を加速している。リース分野とのシナジーへの期待から、事務受託サービスであるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を強化しており、インボイス(東京・港)の買収に続き、9月下旬には子会社のアクリーティブの出資比率を引き上げると発表した。リース資産やその顧客を基盤にフィービジネスを強化するのが狙いだ。
6面(地域銀)
接点強化へセミナー 年100階 名古屋銀
ブランド向上に貢献 月8本の高頻度
【名古屋】名古屋銀行が主に個人顧客のすそ野拡大や取引の複合化につなげようとする取り組みの1つに、少人数でのセミナー開催がある。その数は法人向けも含め年間100回弱に上る。投資に関する基本編から健康に関するものまで、テーマ設定は実に幅広い。同じ内容でも曜日や時間を変え、足を運びやすい環境を整える。セミナーを媒介とした顧客との接点づくりが軌道に乗っていると言えそうだ。
7面(信金・信組)
業務拡大路線を転換 大阪信金
金融仲介機能を強化 業績評価、相談業務に比重
【大阪】大阪信用金庫(大阪市)が今までの業容拡大から「金融仲介機能の強化」路線に転換する。そのために業績評価制度を見直す。企業の相談業務の配点を引き上げ、継続的な支援への評価も厚くする。企業
との対話を深めることで金融仲介機能を高め、他の金融機関との違いを出す。
8面(文化)
【Runner】 信金中金
QRコードのオリガミと戦略提携 加盟店開拓の敷居低く
個人取引強化、絶好の機会に
信金中央金庫(信金中金)がスマートフォン上でQRコード決済を提供するOrigami(オリガミ)と資本業務提携を結んだが、これからの信用金庫の将来を占う上でエポック・メイキングな出来事となりそうだ。狭域・高密度・地域密着型の金融機関を標ぼうしてきた信金ではあるが、実は個人顧客に対して「決め手」となるチャネルを持っていなかった。QRコード決済の先頭を走るオリガミとの提携の持つ意味は傍目から見る以上に大きそうだ。