2018年6月25日
2018年6月25日付 第2983号
1面
フィンテックへの対応 〝共同事業〟を選択へ
業務を「細分」評点化 信金業界 報告書
信用金庫業界は昨年から検討を進めてきた「フィンテックへの対応」方針を報告書にまとめ会員信用金庫に配布した。業界は2016年11月の第1回IT戦略研究会から18年2月2日まで6回検討を進めていた。
昨年4月の3回研究会ではこの委員金庫へのアンケートで①業界で検討すべき事案②個別金庫で検討すべきものを振り分け、それぞれを優先順位ごとに12項目にまとめ検討に入っていた。その後、これらをアプリバンキングなどの27取組事例にまとめ、それぞれ7段階評価を行った。その結果は別表の通りで、そこからは「フィンテックの事業化は優先事業項目を選択する」方向を鮮明にした。
2面(総合)
【KEYパーソンに聞く】 セブン銀行・舟竹 泰昭 新社長
デジタルシフトへの過渡期
2万4000台のインフラ高評価 新たなビジネスチャンスに
実績好調なセブン銀行だが、デジタル機器による電子決済の波が押し寄せるなかで、ATM中心のビジネスモデルは持続できるのか。創業時からのメンバーで19日に就任した舟竹泰昭新社長に、デジタル決済時代のATM戦略を聞いた。
3面(地域総合)
地域銀 都内に活路
法人営業に特化 顧客情報を収集
進出先で「土着化」 面展開へ越境店舗
関東の地域銀行が都内で存在感を増している。都内へ営業所や支店を増やし、顧客へのアプローチを続けている。店舗は従来の銀行とは異なる空中店舗で、その多くが法人営業に特化し、ATMなどは設置していない。競争が激化する中、各行は体制を強化し顧客獲得に向けてひた走る。
大阪北部地震 金融機関にも影響
交通が麻痺 開店間に合わず
18日、朝に発生した大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震は、関西エリアの金融機関にも影響を与えた。地震発生直後にJR、私鉄、地下鉄を含め鉄道網が麻痺、通勤時間帯と重なったため職員がたどり着けず開店に間に合わない営業店が少なくなかった。揺れが大きかった地域の店ではガラスが割れるなどの被害も出た。
今回の大阪北部地震は大阪のベッドタウンを震源とした都市型地震。首都直下型地震が懸念される中、生活インフラを提供する金融機関にとってどうサービスを維持するか課題を投げかけた。災害対策マニュアルの練り直しも求められそうだ。
被災地では住宅などへの被害が明らかになってきた。金融機関は相談窓口を開設し、事業者への低利融資を投入するなど、支援を始めた。
被災地では住宅などへの被害が明らかになってきた。金融機関は相談窓口を開設し、事業者への低利融資を投入するなど、支援を始めた。
4面(大手行・証券・保険)
アプリで新たな営業の形 りそなグループ
狙うは「会えていない1200万人の顧客」
りそなグループがスマートフォンアプリを活用した顧客の利便性強化に取り組んでいる。一人ひとりが持つニーズを人工知能(AI)の活用などで解析し、機能の紹介や商品提案につなげる。これまで手の届かなかった顧客層の取り込みも狙う。
取り組みの中心になるオムニチャネル戦略部の増川和憲グループリーダーは「現行の営業で会えていない約1200万人を取り組む」と意気込む。
5面(ノンバンク・ICT)
非清算店頭デリバティブ証拠金規制
アカディアソフト APAC統括 長井 賢司 氏に聞く
2020年までに大手地域銀も対象
共通プラットフォーム、テスト環境を提供
非清算店頭デリバティブ取引の証拠金規制が始まり大手金融機関では対応が進むが、取引の想定元本額の規模に応じて適用対象が段階的に実施されるため、大手地域金融機関も2020年9月までに手を打たねばならない。グローバルスタンダードともいわれるプラットフォームを提供するアカディアソフトでアジア・オセアニア地域を統括する長井賢司氏は「まずは使ってもらう」と話す。
6面(地域銀)
OHR 一気に改善
十六銀 「人員配置」には積極投資 効率化策が奏功
【名古屋】十六銀行は銀行本体の人員スリム化や人件費・物件費を切り詰め、効率経営を一段と加速する。ただ圧縮一辺倒ではなく、グループ全体の総人員は微減に抑える。本部・営業店の業務改革を通じたグループ総合力の発揮にかじを切っており、経営資源の投資効率をさらに高める。成果は2018年3月期中から表れ、上昇傾向にあった経費率(修正OHR)は半期で一気に12㌽減の70%台まで下げた。この基調を維持し、19年3月期の単体コア業務粗利益、同コア業務純益とも前期比で増益確保を計画する。
7面(信金・信組)
リバースモーゲージへ参入 飯能信金
資金使途の自由度がメリット
飯能信用金庫(埼玉県飯能市)が不動産担保評価と債務保証に関してフィナンシャルドゥ(大阪市)と提携し、本格的にリバースモーゲージへの参入を開始した。同社との提携は関東地方の信用金庫では初めて。
8面(文化)
【Runner】 住友生命
SDGsの時代 どう〝迎える〟?
CSR経営を「基盤~価値創造」の観点で整理
住友生命はこのほど、既存のCSR経営方針にSDGs(持続可能な開発目標)を関連付けた。これまでの取り組みを、新たな観点から整理するためだ。その過程で「戦後の第2創業以来、当社が基本としてきた理念『経営の要旨』の確かさを改めて認識しました」と、ソーシャルコミュニケーション室・松本大成室長は話す。あたかも〝SDGsを迎えに行った〟と見ることもできるその取り組みからは、遥か以前から手厚い社会貢献を果たしてきた企業が、足下の潮流をどのように迎え、協調していくか、1つの発想を伺い知ることができる。
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