2018年4月23日
2018年4月23日付 第2976号
1面
自民■中小・小規模事業調
親族「外」譲渡、すでに主流 事業の評価、〝承継〟への最前線
最短でも6ヵ月
中小企業・小規模事業者政策調査会が続けてきた事業承継の有識者聴取が最終段階を迎え、17日には全国銀行協会、全国地方銀行協会、全国信用金庫協会からの意見陳述があった。みずほ銀行から飯島弘行リテール・事業法人業務部長、千葉銀行から植松克則法人営業部長、多摩信用金庫(東京都立川市)から金井雅彦理事が意見を述べている。各業態では、事業承継(事業性評価)ニーズの高まりに対し、体制整備で後手に回っている状況がうかがえる。
2面(総合)
【KEYパーソンに聞く】
オリックス生命/常務執行役員 お客様サービス本部
添野 昌之 本部長
コンタクトセンター 「顧客期待以上のサービス」を
個人のバリュー向上が企業の価値高める
保険募集の後、引き受け査定から保険金支払いまで加入後の長い期間すべての管理を統轄するオリックス生命のお客さまサービス本部。顧客接点7部門、740人を率いる添野昌之本部長は「顧客本位の業務運営を徹底、期待以上のサービスを考えて実践する」ことを追求する。そのためには社員それぞれのバリュー向上が不可欠だという。
3面(地域総合)
6月から 全疾病保障の団信 SBI生命・飯能信金
地域金融初 グループでの関係深化
SBI生命と飯能信用金庫(埼玉県飯能市)が住宅ローンの団体信用生命保険いわゆる団信で手を結ぶ。6月から飯能信金の住宅ローンを新規で利用する顧客に対して全疾病保障の団信を提供する。精神障害を除くすべての疾病で就業不能な状態が一定期間継続した際に残債が一括で保障される。SBI生命にとって地域金融機関との提携は初めて。
4面(大手行・証券・保険・ノンバンク)
全店で「タッチ決済」 イオン
クレジットカード 9月以降、順次切り替え
イオンはカードを端末にかざすだけで買い物などの会計が終わる非接触決済サービスを導入する。2019年3月から1年間かけ、スーパーやドラッグストア、コンビニなどグループの約2万1000店舗、約10万台の全てのレジを入れ替える。イオンカードは今年9月以降、このタッチ決済機能を搭載したカードに順次切り替える。
クレジットカードの国際的セキュリティー認証基準に準拠し、店員にカードを渡さず顧客が自ら支払うことで利便性と安全性を実現する。会計の際の時間を短縮できることから、レジ前の混雑解消も期待できる。
クレジットカードの国際的セキュリティー認証基準に準拠し、店員にカードを渡さず顧客が自ら支払うことで利便性と安全性を実現する。会計の際の時間を短縮できることから、レジ前の混雑解消も期待できる。
5面(企画特集)
【特集 法人成年後見】 超高齢社会 どう向き合う
信用金庫が先行 ビジネスチャンスにできるか
人口減と長寿化で、否応なく超高齢社会を迎えた日本。高齢者対策が国全体の課題に浮上するなか、金融機関の取り組みへの期待も高まっている。マイナス金利を筆頭に、金融機関を取り巻く環境は厳しく、民間企業が社会福祉や地域貢献に多大なリソースを割くかについては意見がわかれそうだが、企業は地域社会の構成員でもある。民間企業だからこそ、この厳しい環境を逆手に地域貢献をビジネスに結びつける知恵が求められている。高齢者の日常生活支援の1つである成年後見事業に取り組む金融機関の動きを追った。
〔現場紹介〕
しんきん成年後見サポート沼津
第2の収益事業に 沼津信金
2年後の2020年に創立70周年を迎える沼津信用金庫(静岡県沼津市)は、社会貢献活動の範ちゅうを超えて、新たな事業の柱に育てる方針だ。後見事業を担う「しんきん成年後見サポート沼津」は17年5月に活動を始めた。城南、さわやか信金など東京、神奈川の5信用金庫が別法人で後見活動に乗り出したことに触発されたのが、そもそものきっかけだ。
【野村総研 尾川 宏豪 上級研究員に聞く】
「地域から逃げない覚悟」を
成年後見で信頼関係を構築
—超高齢社会への対応は、金融機関にとっても決して他人事でない。
高齢者の不安は、まず自分が認知症になること。墓や葬儀も頭をよぎる。命の次はお金の問題。高齢者の暮らしをお金の面でどう支えるのか。金融機関は大きな課題に直面している。成年後見制度利用促進基本計画では、地域全体で高齢者を見守っていくことを謳っている。金融機関はその重要なメンバーの一人だが、組織的に自治体や地域包括支援センター、社会福祉協議会などとの連携を図っているケースはほとんど見当たらない。点から線や面への発展は道半ばだ。
・・・続きは紙面に掲載
6面(地域銀)
先べんつけた新人3ヵ月研修 十六銀
じっくり教育、現場は7月から 「人間力の向上」も狙う
【名古屋】東海地域の地銀が4月に入行した新人研修の期間を試用期間いっぱいの3ヵ月月間に伸ばしている。他行に先駆け昨春の入行組から導入したのが十六銀行。今年度からは百五銀行が続いて採用した。十六銀は16年春の入行組まで、最初の約1週間の研修後は、社会人としての素養、銀行の基礎業務は営業店での実践の中で習得を課していた。ただ受け入れる営業店、新入行員双方に戸惑いが生じ、指導や業務習得が十分ではないケースもあった。その改善を図る措置になる。
7面(信金・信組)
中日信金 「ビジネスセンター」布陣厚く
顧問に元総研役員ら 経営相談ワンストップで
【名古屋】中日信用金庫(名古屋市)は、地域の事業者が抱える諸課題を解決に導くワンストップ型の支援体制を構築した。同信金の顧問およびシニアマネージャーとして迎えた専門家3人の知見やネットワークを、すでに手を結ぶ20を超える協力機関による横断的な連携と結合。11日付で本店2階に開所した「ビジネスセンター」での相談業務に生かす。
8面(文化)
【Runner】 三菱UFJ技術育成財団
民間のベンチャー支援基金の草分け 助成10億円突破
新たな技術や新商品に関連する技術指向型の中小企業を助成金交付などで支え続ける公益財団法人三菱UFJ技術育成財団、通称MU―TECH(MUテック、玉越良介理事長・三菱UFJ銀行特別顧問)。1983年度に始めた研究開発への助成金交付が2017年度に累計10億円の大台を突破した。時代とともに支援先は変遷するが、社会課題を解決する技術開発を支援する、という根源は一貫している。今でこそ、スタートアップを支援する大企業やファンドが目白押しだが、MUテックは民間によるベンチャー企業支援の草分け的存在だ。神戸秀彦常務理事は「一過性のブームに左右されることなく、技術指向型の中小・ベンチャー企業への地道な支援を通じて、技術革新のシーズ(種)を育て、産業の発展につなげること」と財団の使命を説明する。ニーズに基づき、きめ細かく応えたいというのが基本姿勢だ。