2018年2月12日
2018年2月12日付 第2966号
1面
消費契約法改正へ
「会社都合」「後見」一方解約は無効
〝平易な条文〟の努力義務
消費者庁は今国会に「消費契約法の一部改正法案」の提出を予定する。このなかで「消費者と事業者の交渉力格差に着目し、様々な消費者契約の被害事例を踏まえた」法改正を行う。例えば「当社が過失を認めた場合に限り、損害賠償を負う」との約款条項は無効。高齢化に配慮し「賃借人が成年被後見人になった場合、直ちに契約を解除できる」との条項も無効だ。フィンテックなどで広がる金融取引に影響が及ぶのは必至とみられる。
2面(総合)
【KEYパーソンに聞く】 いわき信組・江尻 次郎 理事長に聞く
民間100%の地域商社
いわき信用組合(福島県いわき市)はいわき市内を主なエリアに営業展開する。東北地方で仙台市に次いで第2位の人口。東日本大震災で被災し津波で同信組の店舗を含む街全体が流された。福島第一原発事故による農水産物、工業製品、観光にも大きな打撃を受けた。注力するのは創業支援だ。原発事故後の復興のため民間資本100%の地域商社を立ち上げた。江尻次郎理事長は「地域とのつながりを強みにしている」と語る。
3面(地域総合)
愛知の信金 スマホ重視に動く
個人取り込みへ機能向上 ネット支店も併用
【名古屋】愛知県の信用金庫がスマートフォンを使った金融取引の機能向上に動いている。消費者のインターネットへのアクセス手段がパソコンからスマホ(アプリ)にシフトし、個人層の囲い込みに欠かせないツールと判断しているためだ。特にこの時期は新社会人へのアピールにもなる。インターネット専用支店の使い勝手を高めるととともに、交流サイト(SNS)での情報発信も合わせて、すそ野拡大につなげたい考えだ。
4面(大手行・証券・保険)
社内コンプライアンスにAI導入 三井住友FG、SMBC日興証券
通話テキスト化システム導入
三井住友フィナンシャルグループ(FG)とSMBC日興証券が取り組む業務効率化を通じた全社的な「働き方改革」。この一環で3月末をめどに新たなシステムを投入する。ネクストジェン(東京・港)との協業で、現行システムにはない仕組みを使い業務効率化につなげる。
すべての従業員が活躍できる環境整備や生産性向上に向け、各社の課題に応じた「働き方改革」が不可欠との認識だ。
5面(ノンバンク・ICT)
『エクスペリアン APAC地域 Fraud&ID担当部長
—Nick Wilde氏に聞く』
不正防止対策調査、日本語版公開 「信頼のコンセプト」重要
アイルランドのダブリンに本社を構える情報サービスのエクスペリアンは、アジア太平洋地域(APAC)の不正防止対策市場動向に関する日本語版の報告書を今年1月末に公開した。APAC地域のFraud&ID担当部長であるNick・Wilde氏がこのほど来日し、デジタルサービスに対する消費者からの「信頼度」を語った。
6面(地域銀)
商談会、愛知の信金と協調 名古屋銀
足並みそろえ産業盛り上げ ファンドでも成果
【名古屋】名古屋銀行が愛知県の信用金庫と商談会の分野で連携を深めている。JR東海を買い手に招き、同社が運営するウェブサイトに掲載する商品を募集する逆見本市の形式で6月に名古屋市内で開く。名古屋銀はJR東海と個別で商談会を実施したことはあるが複数の信金との共催は初めて。農林水産業の分野でも商談会やファンド組成で協調しており、歩調を合わせて地方創生を図る観点や成長産業を盛り上げる取り組みが拡充してきた。
7面(信金・信組)
民都機構とファンド 但馬信金
城崎温泉の廃業旅館に投資 ゲストハウスに衣替え
【大阪】但馬信用金庫(兵庫県豊岡市)は1月31日、民間都市開発推進機構(民都機構)と「城崎まちづくりファンド」を立ち上げた。今月中にも投資案件がまとまる見通しで、廃業旅館に数百万円を投じ、外国人旅行者向けのゲストハウスに改装する。豊岡市の基幹産業である城崎温泉を盛り上げる。
民都機構が地域金融機関と連携したまちづくりファンドを設立するのは沼津(沼津信金)、大阪(大阪シティ信金)に次いで全国3例目になる。