2018年1月1日
2018年1月1日付 第2961号
1面
変革元年
構造大改革 正面から踏み込む
コスト減らし逆風乗り切る
拠点は「数」より「個々の効率性」
現状把握し先手打つ 「新たな芽」を育てる
2017年秋以降、銀行業界を駆け巡っている一つのワードがある。「事業・構造改革」。長期化するマイナス金利政策によって国内の顧客部門の収益性が低下しており、抜本的な改革を迫られているためだ。大手銀行グループを中心に、デジタル化を積極的に取り入れると同時に顧客と接する最前線の拠点のあり方にメスを入れる方針を打ち出している。ただ、大手行と地域銀行(地域金融機関)では、求められる役割から立ち位置が違うと指摘される。各機関の戦略の方向性や実行速度が顕著に表れる18年が始まった。
2・3面(特集・変革元年)
4・5面(特集・変革元年)
従来の常識を超え 新たなステージへ 地域金融「再編成」
年末にかけて大きな動きがみられた2017年の地域金融界。しばらくは小康状態を保っていたが、12月に入り、焦点の地域銀再編を巡り、公正取引委員会が新潟県の第四銀行・北越銀行の経営統合を承認した。残る長崎県の十八銀行・親和銀行の結論が出るのはしばらく先になりそうだが、マイナス金利政策のもとで経営環境はさ
らに厳しさを増す一方、政策的な明るさも見える中で、将来を見据えた中長期的な変化の兆しも出ている。18年を占う地域金融界の年末の動きを追った。
らに厳しさを増す一方、政策的な明るさも見える中で、将来を見据えた中長期的な変化の兆しも出ている。18年を占う地域金融界の年末の動きを追った。
地域再編 一定の方向感
地域金融巡り他業態も
7面(特集 マネロン対策)
FATF対日審査へ備え 「マネロン」対策新局面へ
ITを活用して効率化 三井住友銀はAIで実験
FATFの対日審査が2019年に予定されている。今回は民間金融機関への聞き取りも審査に含まれており、日本の金融機関の「マネロン」対策の姿勢が問われる重要な内容となりそうだ。当局や各金融業界団体、各行が対応を検討する中で、三井住友銀行が邦銀では初めて「マネロン」対策にAI(人工知能)の導入を表明し、昨
年9月から実証実験を行った。
年9月から実証実験を行った。
厳格化する対策 注目集める4次審査 「レグテック」の効果
要否判断に採用 付帯情報を紐づけ 余力で深堀りも
9面(特集 中小企業の元気印)
匠の技を世界に発信
ものづくりパワー全開 高い開発力・技術力を結集
信金はイベントや寄付金で支援
2020年東京五輪に向けてものづくりが加速している。川口の鋳物師が1964年に東京五輪が行われた国立競技場の聖火台を作っており、建て替える聖火台も川口市長が五輪相に川口の鋳物の使用を要望している。注目は「空飛ぶクルマ」だ。五輪へ有志団体が東京と愛知に開発拠点を置いて進めている。金融機関の支援も活発になってきた。カヌー開発プロジェクトに参画、ボブスレー開発のサポーターなどで盛り上げる。ものづくりの未来はどうなるか。都内の信用金庫の取り組みと東京で新たな挑戦をする町工場から見えてくるものは。
東京東信金 カヌープロジェクト参画 「東京五輪で金めざす」
城南信金 製造業のエキスパート配置 3年間で1000件の出張相談
東京信金 展示会で体験教室 「すすきみずく」に挑戦
10面(ニュース 総合)
検査監督方針、大逆転 金融庁
「実質・未来・全体」の視点 マニュアル廃止
金融庁が金融検査・監督の新たな基本方針に2月14日まで意見募集をしている。2009年に導入し、一律基準で判断していた金融検査マニュアルは来年度末に廃止される。「実質・未来・全体」の実現を目指した検査・監督を進めるという。金融庁は「足元の環境や行政の変化で検査に入った際に求めるものと、順守すべきものとの、かい離が出てきた」と背景を話す。