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10月

【198】 2017年10月23日付 フィンテック最新事情(64)

「仮想通貨が投機を生んでいる」と警告するダイモンCEO
ビットコインは「詐欺」だ! ICO (中)
 
  JPモルガン銀行のジェイミー・ダイモンCEOがニューヨークでの業界コンファレンスで「ビットコインは詐欺だ!」と発言したとアメリカンバンカー紙(9月12日付)が報道した。しかも、「もし当行内にビットコイン取引をしているトレーダーがいたら、すぐに首にする」とまで言い切った。この発言を受け、ビットコイン価格は一気に6.5%も急落した。
 この発言の背景には、昨年来、ビットコイン価格が600㌦から4000㌦を超えるまでに市場が過熱(10月13日現在5600㌦)していることや、ICO(イニシアル・コイン・オファー)による資金調達の実態、「開発のために集めたはずの資金が開発のために使われず、運(悪)用するケースが多発していた」のが背景にある。
 この状況をダイモンCEOは、17世紀にオランダで起きた「チューリップバブル」を引用した。「まだしもチューリップバブルはオランダ国花としてチュ―リップの球根に残り、世界中の人々に愛された。しかし、いつの間にか出てきたデジタルマネーのビットコイン・バブルでは、何も残さない」と警鐘した。
・・・続きは紙面に掲載

【197】 2017年10月16日付 フィンテック最新事情(63)

疑似株式と仮想通貨が「投資の姿」を変えてしまった
光景を一変させた「新しい資金調達」ICO (上)
 
  「新技術を取り入れた商品・サービスの開発競争は、永遠に繰り返される」これを金融業界における革新的なテクノロジーへの取り組み「テクノロジー・インペラティブ」と表現する。新しい技術革新の波に一度乗り遅れると競争から取り残される。このために、常に大きな投資が伴う。
 近年大きな話題の「金融とテック」の造語であるフィンテックは、銀行経営者にとって、長年経験してきた経営課題の一つにすぎないはずであった。しかしそこに「フィンテックが銀行を破壊する」との見方が出てからの、全てが一変してしまう。
 先行投資を最も重視する、シリコンバレー型のビジネスモデルが金融業界を襲った。銀行とソフトウエア・ソリューションベンダーの従来の単純な関係は、過去のものになりつつある。従来は、銀行が自前で開発できない業務システムとサービスをソリューションベンダーが自前のノウハウを活用して解決してきた。そこには相互補完関係が産業構造としてできあがっていた。銀行はソリューションベンダー間での競争を促し、その中から最良なシステムを選択する。それは、ベンダーの自助努力(投資資金の自己調達)にも頼っていた。
・・・続きは紙面に掲載

【196】 2017年10月9日付 サイバーリスク最新事情(29)

米国証券取引委員会は世界の金融市場の番人のはずだが―
ハッカーはSEC情報を盗用、売買していた
 
 エクイファクスのハッカーによるデータ漏洩事件騒動が続いている最中、ロイター通信(9月21日付)が米国証券取引委員会 (SEC)は、「ハッカーが、盗んだ内部データを使い、不正利益を得ていた証券売買をした可能性がある」と伝えた。
 この報道は、ジェイ・クレイトンSEC長官からのサイバーセキュリティに関する声明(9月20日)の中で、「昨年10月、SECのエドガーシステムにハッカーの侵入が確認されていたが、これに起因したとみられる疑わしい取引のパターンが企業の情報公開前に検出された」と指摘したものを報道した内容だ。
 しかも、ウォールストリート紙(9月25日付)は、新SEC長官(今年5月に就任)は「2016年のハッキングについて、SECは充分に究明していなかったと指摘している」と報道した。
 「サイバーセキュリティに関する声明(10㌻)」を発表した新SEC長官のジェイ・クレイトン氏は、トランプ大統領から「金融・規制法規を専門とするウォール街に精通した有能な弁護士であり、米国の金融機関が法を順守しつつ、業績を伸ばし、雇用を創出するのを可能にするだろう」と期待され、この1月に指名され、議会の承認を得て5月に就任したばかりである。
・・・続きは紙面に掲載

【195】 2017年10月2日付 サイバーリスク最新事情(28)

個人信用情報のロック(フリーズ)が用意されたが―
対策は混乱さなか 「金融インフラ」揺がす 
 米エクイファクス(下)
 
 米銀業界のオピニオンリーダーとして常に注目を集める発言をするダイモンCEO(米モルガン銀行)が警鐘を鳴らしていたことが現実問題に表面化したのがこのエクイファクス事件だった。顧客が個人の信用情報を第三者(アカウントアグリゲータ)に与え、銀行システムの中にある自分の口座データ(残高など)を集めてもらいフィナンシャル・プラニング・サービス(PFS)を受けていることに対し、「もしハッカーがその第三者システムに侵入していたら大変なことになる」と昨年4月に株主レターの中で指摘、IDとパスワードを使わない安全な方法で第三者にデータを渡すシステムの開発を呼びかけていた。
 皮肉なことに、銀行は顧客からクレジットカードの申し込みを受けるとエクイファクスなどのクレジット・ビューローに個人確認、金融履歴、クレジットスコアを問い合わせて、与信の判断をしている。つまり銀行が業を営むため頼りにしている第三者の持つ莫大な量の個人情報を利用しているわけだが、その第三者のシステムがハッキングされた。
・・・続きは紙面に掲載
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